13億の人口を擁する中国は、通信市場の規模が世界で最大です。中でも携帯電話ユーザーの増加がめざましく、12年末の加入総数は前年末比12.8%増の11億1,220万件に拡大しました。この巨大モバイル市場の中で圧倒的なシェアを握るのは、政府傘下の中国移動(チャイナ・モバイル)です。同年末の加入総数は7億1,000万件に達し、国内全体の64%を占めました。その規模は、国内のみならず世界でもトップ。国内2位の中国聯通(チャイナ・ユニコム)と比べた場合は(同年末2億3,931万件)、実に3倍以上のスケールです。
携帯加入数の推移(図)
中国の携帯電話キャリアは、いずれも香港証券取引所に上場。12年度の売上高が3,031億400万人民元(約4兆8,766億円)に達する中国移動は、圧倒的な経営規模が示す通り、時価総額も香港上場銘柄の中でトップクラスです。12年12月時点で約1兆7,396億香港ドル(約22兆円)に達するなど、日本で最大のトヨタ(約12兆7,000億円)をも上回る水準。中国聯通の同2,958億香港ドル(約3兆7,000億円)とともに、中国株マーケットを代表する大型銘柄となっています。
携帯電話普及率の年次推移(図)
携帯電話市場を健全に発展させたいと考える中国政府は、08年に通信業界の大再編を実施します。その骨子は、同年まで続いた上場4社体制(携帯電話の中国移動と中国聯通、固定電話の中国電信=チャイナ・テレコムと中国網通)を変更し、未上場の業者を合わせて3グループに集約するというもの。第3世代(3G)携帯電話の導入を機に、付加価値の高い携帯電話事業を(固定電話キャリアを含む)通信キャリア全社に開放するのが狙いです。再編後の3社は、すべて携帯、固定の事業を手がける総合通信キャリアに生まれ変わりました。
3グループを再編・集約するにあたり、最も注目されたのは携帯電話2位の中国聯通を2つに分割した点です。まず、同社が並行運用している2種類の携帯電話規格(CDMAとGSM)を切り離し、CDMAを固定電話最大手の中国電信グループに売却。GSMを存続させる中国聯通は、固定電話2位の中国網通を吸収合併しました。一方、目立った資産リストラを行わなかった中国移動は、未上場の固定通信キャリア、中国鉄通を吸収しています。
これにより、すべての通信キャリアが携帯、固定の両事業に進出した格好ですが、再編後の勢力地図は基本的に不変。つまり、業界の巨人である中国移動の地位は、そう簡単に揺るぐことがなかったのです。携帯電話の国内シェアが7割弱に達する同社は、経営規模の面で他社の追随を許さない状態といえます。
通信セクター再編(図)
携帯電話の加入件数は、足元でも堅調な伸びを示しています。13年6月末時点の加入総数は、12年末比で19.2%増の11億7,590万件に伸びました。うち3Gユーザー数は81.4%増の3億1,890万件に拡大。2013年に入って以降、月次ベースでコンスタントに80%台の高い伸びを持続しています。今や、増加分のほとんどが3Gという状態です。またここにきて、工業和信息化部(工業情報化部)が2013年中にも、次世代高速データ通信4Gの営業ライセンスを交付すると見られており、新規加入者はさらに膨らむと期待されます。
3Gユーザー数の急増するなか、スマートフォン(スマホ)の普及も加速しています。ノキアやサムスン、アップルなどの外資系メーカーにとどまらず、華為や聯想(レノボ)などの国内勢が相次いでスマホ端末を投入しています。IT調査の艾媒諮詢(iiMedia Research)がまとめた「13年第2四半期のスマートフォン市場」によれば、第2四半期の国内スマートフォン端末販売数は7,400万台で、前四半期と比べて24.8%の増加。前年第2四半期(前期比31.1%増)には及ばなかったものの、高成長を維持しています。
メーカー別シェアではサムスンが強みを発揮し、第2四半期・販売台数の20.1%を占めています。国内ブランドも健闘し、各社のシェアは聯想集団(レノボ・グループ)で12.8%、酷派(Coolpad)で12.5%、華為技術で11.6%といずれも前四半期を上回っています。また新興勢力の北京小米科技が第1四半期の2.4%から6.1%に急上昇し、米アップルの5.2%を抜き去りました。中国メーカーは「コスト・パフォーマンスの面で優位」といえます。
中国聯通と中国電信は、13年6月末時点の契約携帯ユーザー数がそれぞれ約2億6,000万件と約1億7,450万件。業界トップの中国移動(約7億4,000万件)に見劣りするものの、新規の3G加入者数をみた場合は互角以上の戦いを繰り広げています。つまり両社は、母数が小さいのに付加価値の高い3Gの分野で急成長しているわけです。もちろん、その原動力がスマホにある点はいうまでもありません。
最近の売上成長率をみれば、特に中国聯通の伸びが目立ちます。同社の躍進は、11年末までにアップル製品を独占販売してきたことによるものです。中国電信が12年3月からアップル製品の取り扱いを始めたことで、以前よりは競争力がやや低下したものの、品揃えの多さとサービスの充実度が依然強みといえます。
また、中国電信も業績の伸びが期待できそうです。品揃えの点でやや中国聯通に遅れをとりましたが、「iPhone 5s」「iPhone 5c」の投入などで今後のキャッチアップが見込まれる状態です。
一方、3G市場でライバル2社の追撃を受けるなか、中国移動は現在、アップルと提携に向けた交渉を進めているとされています。中国移動は現時点で中国の携帯電話会社のなかで唯一、アップルの「iPhone」「iPad」を販売していません。ただ市場では中国移動版の「iPhone」発売時期と、年内と予想される4Gサービス商用試験の開始時期はほぼ同時期になるとの見方が浮上しています。これが巻き返しの転機になるかもしれません。
外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。
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