中国国内の鉄道旅客輸送量は、高成長を持続するGDPをさらに上回る速度で2011年まで急成長しました。03年の旅客輸送量は9億3,500万人。もう一つの指標である人キロ(旅客数×輸送距離、※1)換算の4,244億6,800万人キロと比較した場合、11年実績はそれぞれ99%、126%の高成長を記録しています。同じように貨物輸送も、03年の合計19億9,100万トン、トンキロ(貨物重量×輸送距離、※2)換算の1兆4,862億800万トンキロと比較し、それぞれ97%と98%ずつ増えました。8年間でほぼ倍増し、年間ベースの最高を連続で更新した格好です。景気低迷が長引く日本とは比べられないほど、ヒトの動きが活発化している実態が浮かび上がります。
もっとも、景気の伸びが鈍化する時期には、鉄道輸送量の伸びも減速します。12年の旅客輸送量は、延べ人数で18億9,300万人に上りましたが、前年比で4.8%増に減速。人キロ換算でも、通年で2.1%増の9,812億3,300万人キロにとどまりました。
貨物輸送量は足元数年来で初めて前年比でマイナスになるなど、減速感がさらに顕著。12年は0.7%減の39億400万トンに落ち込み、トンキロ換算でも0.9%減の2兆9,187億900万トンキロと低迷しています。
中国のエコノミストにとって、中国経済の分析に際し、鉄道貨物輸送量はかなり重要な統計といえます。李克強・首相が07年、当時の米国大使に対し、自国の公式GDPが「人為的」で当てにならず、代わりに◆電力消費量、◆鉄道貨物輸送量、◆銀行融資といった統計3種を重視している――と語ったという逸話もあるくらいです。
図:鉄道旅客輸送量の年次推移
図:鉄道貨物輸送量の年次推移
鉄道網の高速化も足早に進んでいます。北京~上海間の中国版新幹線「京滬高鉄」は、11年6月30日に営業を開始しました。全長は1,318キロメートルで世界最長の高速鉄道。北京、天津、河北、山東、安徽、江蘇、上海などを結びます。設計時速は350キロメートルですが、安全確保を優先し、最高時速を300キロメートルに引き下げて運行中です。在来線で12時間かかるところ、新路線を利用すれば所要時間が4時間48分で済むようになりました。将来的には、「四縦四横」と呼ばれる南北4本、東西4本の基幹路線が整備される見通しです。
ただ、その後の高速鉄道網の整備は紆余曲折。浙江省温州市で犠牲者が数十人出るような高速鉄道事故が11年7月に発生したことを受けて、関連プロジェクトが全面的な見直しのため、一時凍結されざるを得ない事態にもなりました。もともと11年2月、高速鉄道網の整備に関連する汚職・収賄容疑を巡って、高速鉄道網の拡大推進派だった鉄道部・前部長の劉志軍氏が解任される大事件が発生していたことも重なり、急ピッチな整備に疑問符が付いてしまった状態です。その結果、鉄道向けインフラ投資額はその後1年間ほど、前年割れの状況が続きました。
鉄道部の巨額負債もメディアの注目を集めました。鉄道向けインフラ投資を膨らませるなか、負債額が増勢を継続しているためです。経済成長が減速するなか、鉄道輸送状況が芳しくない一方、金利負担の拡大が重しとなっています。
こうした背景下、13年3月の行政改革で鉄道部は解体。鉄道部の機能のうち、行政部分は国家鉄路局として交通運輸部に編入、運営部分は中国財政部傘下の中国鉄路総公司として独立しました。登録資本金は1兆360億人民元(約15兆8,620億円)。この時点で負債総額は約2兆6,000億人民元に上ります。鉄道部の資産・負債・業務をすべて継承。広州鉄路集団公司、青蔵鉄路公司を含む18の鉄路局、輸送企業3社、その他企業の権益を受け継ぎました。
なお、鉄道向けインフラ投資は足元で回復基調にあります。前述したように「温州高速鉄道追突事件」が起こった11年に一時急減したものの、国内景気減速が鮮明化するなか、公共インフラ投資を削減し続けるわけにはいかなくなったためです。当局は12年の7月と10月に鉄道インフラ建設投資の年間目標額を上方修正。都市交通(地下鉄、ライトレールなど)建設計画を強力に推し進めました。その結果、12年の鉄道向けインフラ投資額は前年比プラスで終了。伸びがやや減速しつつありますが、13年もなおプラス基調で推移しています。高速列車の買付入札も13年9月、2年ぶりに再開されました。今後はより安全面を重視した運行システム、車両生産が必要となりそうですが、鉄道ビジネスの長期的な発展戦略は堅持されるとの見方がいずれにせよコンセンサスです。
図:固定資産投資額の推移
外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
米国株式信用取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。米国株式信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。また、米国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、米国株式信用取引による損益は外貨で発生します。そのため、お客様の指示により外貨を円貨に交換する際の為替相場の状況によって為替差損が生じるおそれがあります。
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