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現地から生レポート! オーストラリア&ニュージーランドの最新情報と取引ポイント

先進国の中で、高金利通貨としてスワップ目的の投資家に人気! オーストラリアとニュージーランドの“いま”を生レポート!

第5回

豪州在住の侍ディーラーこと津田穣氏の“最新”現地レポートを、全5回に分けて情報発信します。オセアニア通貨の取引ポイントや、現地の経済事情についてレポートします!(2013年6月21日掲載)

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2013年6月21日(金)

 オーストラリア

豪ドルは日本のみならず海外投資家にも大変人気のある通貨です。“トリプルA格である国の安全通貨”としてのステータスに加えて、豪州準備銀行(RBA、中央銀行)は5月に0.25ポイント利下げを行い政策金利を2.75%としましたが、先進国では依然として最高位の金利水準であり、FXではスワップポイントを狙った豪ドル円の取引が活発です。
ドル円やユーロ円の取引に比べて金利差を利した長期保有で運用される方が多いようです。

最新のオーストラリア情報

  • 18日に発表された6月のRBA議事録では「当面は現行の金融政策が適切」としながらも「インフレが落ち着いていることから更なる利下げ余地」、「豪ドルは著しく下落したが、交易条件を勘案すると依然割高」と述べています。また今回新たに「日本の外債投資比率の増加は豪ドルレートや金利水準に影響を与える可能性」を指摘している点が注目されます。
  • 9月14日の連邦総選挙まで100日を切り、政局が焦点になりつつあります。6月13~15日に実施された最新の世論調査では相変わらず2大政党間では労働党支持率43%、野党保守連合57%と労働党が明らかに劣勢です。ギラード首相の不人気から依然としてラッド前首相を推す声も聞こえますが、反対派の声も根強く労働党内部も混とんとしています。17日から選挙前最後の通常国会が開催されますが、党首交代があるのではとの憶測も聞かれます。
  • 13日に発表された5月の雇用統計は、失業率が5.5%(予想5.6%、前回5.6%)、就業者数+1.1千人(予想-10千人、前回+45千人)と予想を上回りました。就業者数の内訳はフルタイムが5,300人減少する一方、パートタイムが6,400人増加し、また労働参加率は前回の65.3%から65.2%にやや低下しています。
  • 12日に発表された6月のWESTPAC消費者信頼感は前回の97.6に対して102.0に上昇し伸び率は前回の-7.0%から+4.7%と4カ月ぶりの高い改善を示しました。消費者の家計見通しと景気見通しの両方が改善したことが寄与しました。
  • 11日に発表された5月NAB企業信頼感は前回と同様-1、また企業信頼感は前回の-6から-4にやや改善しました。製造業、卸売、建設部門の活動が改善した一方、鉱山部門は低迷しました。
  • トヨタ・オーストラリア(豪トヨタ)は11日、2012/13年度通期決算(3月期)を発表し、売上高が前年度比23%増の89億豪ドル(約8,279億円)、税引前利益が2億2,090万豪ドルとなりました。米フォードが2016年に豪州生産を終了するなど豪州の自動車産業の将来が危ぶまれる中、豪トヨタは経営体質の改善を背景にひとり勝ちの様相です。
  • 11日に発表された4月の住宅融資残高前月比+2.0%予想に対して+0.8%となり、内訳は投資目的融資が前回の+2.1%に対して+1.1%、居住目的融資が前回の+5.8%に対して-0.9%とやや低調でした。

豪ドル/円の取引ポイント!

中長期的な見方

  • 豪ドルは2010年10月に初めて1AUD=1USDのパリティーを達成後は相対的に優位にある景気格差・金利格差に加えて折からの資源ブームにサポートされた資金の流入でパリティーの上での取引がメインとなりました。しかしながら今年に入ってからは資源ブームのピークアウト観測と交易条件の悪化、金利先安感とRBAの豪ドル高けん制を背景にパリティーを割り込んでいます。
  • 米国が量的緩和を縮小/停止する局面が到来すれば金利格差縮小から豪ドルは対米ドルで軟化することが予想されます。
  • ただ依然として豪ドルは景気格差・金利格差面で優位にあるため、現レベルからの豪ドルの大幅下落を予想するものではありません。
  • 日本経済の構造的変化、つまり経常黒字の減少傾向と日銀の強力な金融緩和姿勢を背景とした円安地合が中長期的に継続し、円建て資産から豪ドル建て資産へのシフトが今後も継続し、調整終了後は豪ドル/円は堅調地合を回復するものと予想します。

足元の動き

(豪ドル/ドル 日足)

(豪ドル/円 日足)

  • 豪ドルは金利先安感や資源ブームのピークアウト観測に加えて6月の日米を中心とする株価の大幅下落によるリスク回避の動きも重石となって、今年の高値1.05台後半、105円台半ばから先週は0.93台前半、88円台後半まで大幅に下落しました。しかしその後はFOMCにおけるハト派姿勢の維持や強めの6月中国HSBC製造業PMIを受けて反発地合となっています。
  • 豪ドルが高値から既に大幅に下落していることやシカゴIMM通貨先物市場の豪ドル売りポジションが6万コントラクトを越え、短期筋の豪ドル売りポジションが増加していることを勘案すると徐々に底入れから反転する展開を予想します。
  • 反転のポイントは中国景気の回復と資源価格の底入れ、更には堅調な国内指標から金利先安観が払拭される頃でしょう。
  • テクニカルには豪ドル/ドル、豪ドル/円ともに一旦底値を確認して反発地合となれば、戻りのターゲットとして豪ドル/ドルは今年の高値から先週安値のフィボナッチ係数(38.2%)戻しポイントの0.9800、更に半値戻しポイントの0.9950近辺が、豪ドル円では同様に95.00近辺、97.00近辺となります。
  • 世界的に株価の調整に一服感が出始めており、また今週のG8やFOMCを無事通過したことから円相場は再び日本のファンダメンタルズ(特に貿易赤字の拡大)や金融政策に回帰して円安傾向に戻る可能性があります。豪ドル/円相場も豪ドル/ドルの底入れにドル/円の反発が加われば、1,600ポイントを超える大幅下落から徐々に堅調地合を取り戻す展開が予想されます。

注目の経済指標

7月2日(火)
RBA理事会
5月貿易収支

政策金利の行方

6月のRBA理事会おいてRBAは金利を据え置きしました。市場の見方は当面金利据え置き、年内1-2度の追加利下げ、更には年末までに2.0%程度までの利下げと分かれています。
中国経済の減速懸念や資源ブームピークアウト観測などが追加利下げ観測の背景ですが、一方最近発表され小売売上高、消費者信頼感、雇用などはそこそこ堅調であり、また豪ドル高が既に大幅に修正されていることから、RBAが7月追加利下げに踏み込む差し迫った理由はないものと思われます。
RBA内部でもこれ以上の追加利下げに慎重な見方もあり、年後半にかけて様子見スタンスを取るものと考えます。
来年のある時点では緩やかな引き締めスタンスに転換するものと予想します。

 ニュージーランド

ニュージーランドは人口445万人の小国ながら震災以降の復興需要が景気を下支えし、相対的な財政状況の良さとNZ債の高い利回りから海外投資家の人気を得ています。
RBNZ並びにニュージーランド金融当局のNZドル高懸念は強いものの、根強い投資家需要に支えられて当面通貨が大きく下落する可能性は少ないようです。

最新のニュージーランド情報

  • Q1GDP(木)
  • Q1経常収支(水)
  • 13日のNZ準備銀行理事会では予想通りオフィシャルキャッシュレートを2.5%に据え置きました。中銀は消費支出の拡大とともに国内経済が上向いているほか、地震に見舞われたクライストチャーチの復興に弾みがついていると指摘し、一方住宅価格の上昇やインフレ及び金融安定へのリスクについて警戒感を示しました。また年内金利を据え置く見込み、NZドルは過大評価、今年度の成長見通しを3.3%から3.0%に下方修正しています。ウイーラー総裁は「介入の用意がある」ことを再表明しています。
  • 12日イングリッシュ財務相は「輸入コストが上昇するだけならNZドルの下落は経済に恩恵がないが輸出の助けにはなる可能性がある」と述べています。
  • コンサルティング会社KPMGは10日公表したレポートによると2010年7月から2012年12月までのニュージーランドへの最大の投資国は豪州で全体の46%を占め、アジアは16%で中国資本がニュージーランドの資産を買い占めているとの懸念はやや和らぎました。中国からのニュージーランド投資はアジアからの投資の33%を占め、日本は53%を占めています。
  • ニュージーランド訪問中の岸田外相は9日、オークランドでマカリー外相と会談し、マカリー外相は会談後の共同記者会見で、日本が環太平洋連携協定(TPP)交渉への正式参加に当たって、速やかに協議に加われるよう「全面協力」することを岸田外相に約束したと述べました。次回TPP交渉会合は、7月15~25日にマレーシアで開催されます。日本が正式に交渉に参加できるのは、米国の国内手続きが終わる同月23日となる見通しです。ニュージーランドはTPP交渉で、乳製品などの輸出国として、日本に関税撤廃を求める立場となりますが、岸田外相は会見で「包括的で高いレベルの協定作りに向け、日本とニュージーランドが連携していくことを改めて確認した」と述べつつも、農業分野に関する会談での具体的なやりとりについては言及を避けました。

NZドル/円の取引ポイント!

中長期的な見方

  • NZドルは中期的に見てサポート材料が目立ちます。1)相対的な景気の強さ。2)干ばつによる供給障害とアジア諸国の需要拡大による乳製品価格の堅調。3)NZ国債と米国債の利回り格差。4)RBNZの次の動きは利上げとの観測(おそらく来年であろう)。5)NZ国債への証券投資やカンタベリー地震に関連した再保険がらみの資金流入。
  • 昨年半ばまでNZドル/円はNZドルの堅調とドル/円の軟調が相殺し合って57円~68円台で揉み合い相場となっていましたが、昨年10月から始まるドル/円の大幅上昇を受けて今年4月は一時0.86台後半、86円台半ばまで上昇しました。
  • 5月以降の世界的な株価の大幅調整反落や資源通貨安を受けてNZドルも下落しましたが、調整終了後は再び経済ファンダメンタルズや金利格差がフォーカスされ、上記のサポート材料が再評価されるでしょう。
  • 日本の経常黒字の縮小傾向と日銀による強力な金融緩和スタンスにより円の下落は中期的に継続する可能性があります。また日本とニュージーランドの金利格差は拡大傾向にあり中期的にNZドル/円をサポートするでしょう。

足元の動き

(NZドル/ドル 日足)

(NZドル/円 日足)

  • 5月上旬からNZドル、NZドル円とも調整反落地合となり、今年4月の高値0.86台後半、86円台半ばから先週は0.77台半ば、77円台半ばまで大幅に下落しました。
  • Q1GDPの強い数字に表れるようにニュージーランド経済の相対的な堅調さに加えて住宅価格の上昇・インフレ懸念から金融緩和余地が限られ、来年にはむしろ金融引き締めの可能性もあることから、現レベルからのNZドルの下値も限定的でしょう。
  • 米FOMCで当面のハト派姿勢が確認されたこともNZドルをサポートするでしょう。
  • NZ準備銀行は5月上旬から何度かNZドル売り介入を実施し、ウイーラー総裁は今後も介入することを表明しています。ただこれら口先及び実弾介入はスムージングオペレーション(市場の乱高下を取り除く介入)の粋を出ず介入効果は一時的でしょう。
  • NZドル/円は日本の株価及びドル/円のボラティリティーに影響されるところ大ですが、大幅調整下落局面が終了すれば、再びファンダメンタルズ面(日本の貿易赤字)や金融政策から円安トレンドに戻ることが予想され、NZドル/円をサポートするでしょう。
  • 足元NZドルが徐々に底入れ・反転となれば戻りのターゲットはNZドル/ドルは本年の高値と先週の安値のフィボナッチ係数(38.2%)戻しポイントである0.8100近辺や半値戻しポイントである0.8200近辺、またNZドル/円は同様に81.00近辺、82.00近辺となります。

注目の経済指標

6月21日(金)
第1四半期GDP
6月27日(木)
5月貿易収支
6月28日(金)
第1四半期経常収支

政策金利の行方

NZ準備銀行は先週の理事会で金利を据え置くとともに“年内据えの見込み”と従来からの姿勢を繰り返しました。今年の成長見通しを3.3%から3.0%に下方修正していますが、住宅市場の過熱にも言及しており、依然として市場の見方は“据え置きの後の次のアクションは利上げ”というのが一般的です。発表されたQ1GDPは+0.7%(前期比)と堅調です。主要国中近い将来の金融引き締めが予想される国は見当たりませんが、時間軸を来年に伸ばせば、やはりニュージーランドは“最も利上げに近い国の一つ”という位置づけになります。

プロフィール

津田穣 氏
1978年早稲田大学を卒業後、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)へ入行。ロンドン支店チーフディーラー、本店通貨オプションチーフなどを務める。1995年に第一勧業銀行(現みずほコーポレート銀行)シドニー支店の為替ヘッドに就任。
2007年に退職し、現在もオーストラリアに在住し、現地ヘッジファンドのファンドマネジャーとして活躍する。
豪州在住の侍ディーラーの異名を持つ!

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外国為替証拠金取引(FX)は、取引通貨の価格変動や、スワップポイントの支払いにより、損失が生じるおそれがあります。また、外国為替証拠金取引(FX)は少額の証拠金で、その差し入れた証拠金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。また、その損失額は差し入れた証拠金を上回るおそれがあります。
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