最近のインドは優秀なIT人材や、消費・インフラ投資など世界でも注目される国となっています。
インドの成長を支えているものは何でしょうか?
まずは人口です。インドは、将来的には中国を抜いて世界最大の人口大国になることが予想されています。多くの先進国では近い将来人口が減少することが予想されていることを考えると、巨大な人口による消費拡大がインド経済をけん引していくと考えられます。
次に高い経済成長です。IMF(国際通貨基金)のデータによると、2018年の実質GDP成長率(予想)は中国が6.6%であるのに対し、インドは7.4%と中国を上回る成長が予想されています。さらに、2023年までの予想でも、中国は緩やかに経済成長率が低下するのに対し、インドは7~8%の高い経済成長率が予想されています。
これだけ見ると、「インドに投資しない理由はない」と思われる方もいらっしゃいますが、実際インド株ファンドに投資をしている方は、「最近下がっているな」と感じているのではないでしょうか?
その大きな理由は、インドは先進国ではなく、新興国であるためです。もう少し詳細にご説明すると、世界経済がグローバル化するなか、自国経済だけでなく海外(特に米国)の動きが、世界経済に影響を与えているといっても過言ではないと思います。実際に、2018年2月に米国長期金利が急上昇した際は、米国のみならず、インドも株やインドルピーは大きく下落しました。
また、新興国通貨は相対的に金利水準が高いことから、先進国の金利が低い状況では新興国に資金が流入しやすく、株や通貨なども上昇する傾向にあります。しかし、足元では米国は利上げを行っており、欧州もこれまでの金融緩和政策から転換を図っている状況で、新興国から資金が流出する傾向にあります。また、インフレ率(物価上昇率)や資源価格も新興国投資においては注目すべき点と言えます。
こういうと、「インド株に投資妙味はないのでは?」と思われてしまうかもしれませんが、インドのような高い経済成長が期待される新興国は、短期的には値動きが大きくなりますが、長期的には経済成長に伴った株価の動きとなると考えられることから、長期的な視点で投資を行うことが必要かもしれません。
ただし、短期的な視点でいうと、インド株を含めた保有資産のリスク低減を図る必要があると思います。よって、インド株ファンドを保有/購入しつつ、インド株ファンドと相性のいいファンドを組み合わせて、「保有資産全体で運用」することを考えてみるのはいかがでしょうか? 今回は、皆様の運用のヒントとしてインド株ファンドと相性のいい資産をご紹介したいと思います。
インド株ファンドと相性が良い資産クラスは、J-REITだと考えられます。
組み合わせを考える際、重視したいのが異なる値動きの資産を併せ持つことです。そこで注目したいのが「相関係数」です。相関係数とは、簡単にいうとそれぞれの資産の動きの方向を数値化したもので、「1~-1」で表します。相関が高い(1に近い)ほど2つの資産は同じ動きをし、相関が低い(-1に近い)ほど2つの資産は逆の動きをするという感じで、分散投資を考える場合には、相関が低いもの同士を組み合わせると良いとされています。
5年の相関係数を見ると、国内債券の相関係数が最も低く、値動きという点では適しているかも知れません。しかし、インド株に興味またはすでに投資をしている方は、リスクをとっても高いリターンを期待して投資をしているのではないでしょうか?こうしたことから、今回はJ-REITとの組み合わせをご紹介します。インド株とJ-REITの5年の相関係数は、「0.23」とリスク資産の中では比較的低い相関といえます。
また、リスクとリターンにも着目し、組み合わせることで効率的なリターンの獲得が出来るかという点も重要です。過去5年のインド株のリスク/リターン(年率、円ベース)は、「リスク:19.5%」「リターン:11.4%」でしたが、J-REITのリスク/リターン(年率、円ベース)は、「リスク:11.6%」「リターン:8.6%」でした。仮にインド株50%、J-REIT50%で試算すると、「リスク:12.5%」「リターン:10.6%」となり、インド株100%と比べ、リターンは若干低下しますが、リスクを大きく引き下げることができ、より効率的なリターンの獲得が可能となります。
長期投資としては、インド株への投資は適していると考えられることから、次のステップとして、「保有資産全体で運用」の観点でインド株と付き合っていくのはいかがでしょうか?
過去5年のパフォーマンスの推移(2013年6月~2018年6月、月次、円ベース)
Bloombergのデータを基に楽天証券作成
インド株:MSCIインド株指数(円ベース)、J-REIT:東証REIT指数
下記は、楽天証券の取扱ファンドのうち、J-REITファンド(年1回決算型)の一部を紹介するものであり、ファンドの購入を推奨するものではありません。投資に当たっては、ファンドの中身を十分ご理解のうえ、ご投資いただきますようお願いします。
Jリートアクティブファンド(1年決算型)
運用会社 三井住友トラスト・アセットマネジメント
日本の金融商品取引所上場(上場予定を含む)の不動産投資信託証券(Jリート)に投資する「Jリートマザーファンド(M)」を主要投資対象とする。東証REIT指数(配当込み)を上回る投資成果を目標として運用を行う。
eMAXIS 国内リートインデックス
運用会社 三菱UFJ国際投信
「東証REIT指数マザーファンド」への投資を通じて、国内の金融商品取引所に上場している(上場予定を含む)不動産投資信託証券に実質的な投資を行い、東証REIT指数(配当込み)に連動する投資成果をめざして運用を行う。
【第3回楽天証券ファンドアワード】国内不動産(リート)部門 最優秀
野村インデックスファンド・J-REIT
運用会社 野村アセットマネジメント
「J-REITインデックス マザーファンド」への投資を通じて、国内不動産投資信託証券を実質的な主要投資対象とし、東証REIT指数(配当込み)の動きに連動する投資成果を目指して運用を行う。
楽天証券分類「国内REIT 年1回決算」のうち、ファンドスコア(3年)で5ないしは4のスコアのファンドから抽出
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