Vol.3 ブラジル株ファンドの次の一手

1.ブラジル株ファンドの足元の状況

日本でもメジャーなスポーツとなったサッカーや夏の風物詩サンバなどを通じて親近感をお持ちの方も多い「ブラジル」。

投資対象としても、2億人を超える人口や、広大な国土に眠る豊富な資源など、今後の成長期待も高く、投資対象として近年人気を博していました。特に、リーマンショック前の2007年までは、「BRICs」の一角を担う国として注目を集め、株式や通貨(ブラジルレアル)の上昇を受け、多くの方がブラジル株に投資をしたのではないでしょうか?

しかし、すでにブラジル株に投資をした方は、ここ数年はチョット「ガマン」のときだったかも知れません。ブラジル経済は資源国として位置づけられており、世界的な景気動向に左右されがちです。特に、最大の資源輸出相手国である中国の景気動向がブラジル経済やブラジル株式に影響を及ぼしています。

また、ブラジルのみならず新興国に共通するものとして、米国金利の影響を受けやすいという点もあります。これまでは、米国を含めた先進国は低金利が続いていたため、高金利通貨であるブラジルに資金が流入し、株式や通貨は上昇していました。しかし、足元米国金利が上昇していることで、ブラジルから資金が流出傾向となり、株式や通貨は下落基調となっています。さらに、ブラジルではここ数年政治汚職問題など政権運営に対する懸念が高まっていることも下落要因となっています。

長期投資という観点では、新興国の中でも成長期待が高いブラジル株を資産の一部として保有することは理にかなった投資だと思われます。しかし、新興国ならではの値動きの大きさ、世界経済の変動に対する影響の高さを考えると、ブラジル株ファンドを保有/購入しつつ、ブラジル株ファンドと相性のいいファンドを組み合わせて、「保有資産全体で運用」することを考えてみるのはいかがでしょうか? 今回は、皆様の運用のヒントとしてブラジル株ファンドと相性のいい資産をご紹介したいと思います。

2.ブラジル株ファンドと組み合わせるならこんな資産

ブラジル株ファンドと相性が良い資産クラスは、米国株だと考えられます。

組み合わせを考える際、重視したいのが異なる値動きの資産を併せ持つことです。そこで注目したいのが「相関係数」です。相関係数とは、簡単にいうとそれぞれの資産の動きの方向を数値化したもので、「1~-1」で表します。相関が高い(1に近い)ほど2つの資産は同じ動きをし、相関が低い(-1に近い)ほど2つの資産は逆の動きをするという感じで、分散投資を考える場合には、相関が低いもの同士を組み合わせると良いとされています。

5年の相関係数を見ると、国内債券や先進国債券の相関係数が最も低く、値動きという点では適しているかも知れません。しかし、ブラジル株に興味またはすでに投資をしている方は、リスクをとっても高いリターンを期待して投資をしているのではないでしょうか?こうしたことから、今回は株式の中でブラジル株と相性のいい資産をピックアップした結果、米国株となりました。ブラジル株と米国株の5年の相関係数は、「0.27」と株式の中では比較的低い相関といえます。

また、リスクとリターンにも着目し、組み合わせることで効率的なリターンの獲得が出来るかという点も重要です。過去5年のブラジル株のリスク/リターン(年率、円ベース)は、「リスク:31.7%」「リターン:-1.7%」でしたが、米国株のリスク/リターン(年率、円ベース)は、「リスク:15.0%」「リターン:14.7%」でした。仮にブラジル株50%、米国株50%で試算すると、「リスク:19.3%」「リターン:7.5%」となり、ブラジル株100%と比べ、リターンが上昇し、リスクも大きく下げることができ、より効率的なリターンの獲得が可能となります。また、米国株の比率を上げることで、よりリターンが上昇し、リスクも低減できます。

長期投資としては、ブラジル株への投資妙味は依然あると考えられることから、次のステップとして、「長期投資」の観点でブラジル株と付き合っていくのはいかがでしょうか?

過去5年のパフォーマンスの推移(2013年5月~2018年5月、月次、円ベース)

Bloombergのデータを基に楽天証券作成

  • 上記は過去の実績を基に作成したものであり、将来のパフォーマンス等を保証するものではありません。市場動向等によっては上記のようにならない場合もあります。

3.組み合わせファンドの一例

下記は、楽天証券の取扱ファンドのうち、米国株ファンドの一部を紹介するものであり、ファンドの購入を推奨するものではありません。投資に当たっては、ファンドの中身を十分ご理解のうえ、ご投資いただきますようお願いします。

LM・米国・ラージ・キャップ・グロース・ファンド
運用会社 レッグ・メイソン・アセット・マネジメント

「LM・米国・ラージ・キャップ・グロース・マザーファンド」を通じ、主に魅力的な成長が見込める米国または経済協力開発機構(OECD)加盟国の市場に上場中の大型の米国企業の株式に投資。徹底したファンダメンタル分析に基づき銘柄を選定。また、経営能力が高く、長期間競争力上の優位の維持を期待できる成長企業を発掘。外貨建資産については、原則、為替ヘッジしない。

注文 積立

アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし)
運用会社 アライアンス・バーンスタイン

「アライアンス・バーンスタイン・米国大型グロース株マザーファンド」を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資する。企業のファンダメンタルズ分析と株価バリュエーションに基づく銘柄選択を基本としたアクティブ運用を行う。ベンチマークは、S&P500株価指数(配当金込み、円ベース)。実質外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行わない。

注文 積立

netWIN ゴールドマン・サックス・インターネット戦略ファンドBコース(為替ヘッジなし)
運用会社 ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント

「netWINインターネット戦略マザーファンド」を通じて、米国を中心としたメディア、テレコミュニケーション、テクノロジー、インターネット関連セクターにおいて、業界の成長により収益が上げられると判断した企業の株式へ投資する。原則として為替ヘッジは行わない

注文 積立

楽天証券分類「米国株式-為替ヘッジ無し 」のうち、5年シャープレシオ上位ファンドから抽出

  • 上記は2018年6月6日時点の情報を基に作成しております。

バックナンバー

文字サイズ

総合口座をお持ちでない方

投資信託のリスクと費用について

投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。

投資信託の取引にかかるリスク

主な投資対象が国内株式
組み入れた株式の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
主な投資対象が円建て公社債
金利の変動等による組み入れ債券の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの
組み入れた株式や債券の値動き、為替相場の変動等の影響により基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

投資信託の取引にかかる費用

各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。

お買付時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「買付手数料」:ファンドによって異なります。
保有期間中に間接的にご負担いただく主な費用
「ファンドの管理費用(含む信託報酬)」:ファンドによって異なります。
ご換金時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「信託財産留保額」「換金手数料」:ファンドによって異なります。

買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。

毎月分配型・通貨選択型ファンドに関するご注意について

投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。

毎月分配型ファンド・通貨選択型ファンドに関するご注意

投資信託に関する情報提供について

(楽天証券分類およびファンドスコアについて)

  • 楽天証券ファンドスコアは、「運用実績」を一定の算出基準に基づき定量的に計算したもので今後の運用成果を予想または示唆するものではなく、将来の運用成果をお約束するものでもありません。最終的な投資判断は、運用コスト、残高の規模、資金流出入額、運用プロセス、運用体制等を考慮し、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
  • 情報提供:株式会社QUICK
    各投資信託関連ページに掲載している情報(以下「本情報」という)に関する知的財産権は、楽天証券株式会社、株式会社QUICKまたは同社の情報提供元(以下三社を合わせて「情報提供元」という)に帰属します。本情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではなく、これらの情報によって生じた損害について、情報提供元は原因の如何を問わず一切の責任を負いません。本情報の内容については、蓄積・編集加工・二次加工を禁じます。また、予告なしに変更を行うことがあります。

ご質問は
ありませんか?