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2016年7月21日

第346回 投資の教科書に絶対書けない真実(2)低PER銘柄は下がり高PER銘柄は上がる(その2)

前回、低PERにもかかわらず株価が値下がりしている銘柄として長谷工コーポレーション(1808)などいくつかの銘柄を取り上げました。PER7倍の銘柄の株価が上がらず、時に株価が値下がりするのはどうしてなのか、今回はその理由を考えてみたいと思います。

低PER銘柄が下がり高PER銘柄が上がるのには理由がある

前回(第345回)のコラムにて、低PERの銘柄の株価が下がり、高PERの銘柄の株価が上がるという点につき、実例を交えてお話ししました。

これにはれっきとした理由があります。それはPERの計算式にあります。

PERの計算式を改めて確認してみましょう。

PER(倍)=株価÷当期の予想1株当たり当期純利益

ここで問題になるのが、分母の「当期の予想1株当たり当期純利益」です。PERの値は、「当期の予想1株当たり当期純利益と同じ利益水準が今後も続いたと仮定して」計算されていること、これが大きな問題なのです。

株価は過去の業績に対応して動くのではなく、将来の見通しを織り込んで動きます。そして、将来の業績がどのようになるかは、企業ごとに大きく異なります。

例えば足元では好業績だが今後景気減速に伴って業績悪化が懸念される銘柄もあるでしょう。今後も毎年20%以上の増収増益が見込まれるという銘柄もあります。

しかしPERの計算上はこうした銘柄ごとの事情は一切考慮されず、ひとくくりに「当期の予想1株当たり当期純利益と同じ利益水準が今後も続いたと仮定して」計算されてしまうのです。

低PERの銘柄の株価がさらに値下がりするメカニズムとは

具体的な数値を上げた方が分かりやすいと思いますので単純化して説明します。

例えば足元の株価が1,000円、1株当たり予想当期純利益125円、PERが8倍の銘柄があります。PERだけみれば非常に割安な株価水準です。

しかし足元は業績好調であるものの今後は業績悪化が懸念され、2年後には1株当たり当期純利益は50円程度まで値下がりしそうだと市場参加者が予想していたとします。

そうすると、2年後の1株当たり当期純利益50円でPERを計算しなおすと、1,000円÷50円=20倍となり、全く割安な水準ではなくなることがわかります。

さらに、将来的な景気悪化が強く懸念されることとなり、3年後の1株当たり予想当期純利益が25円程度にまで下がりそうだと市場参加者が予想したとしたら、それを用いて再計算したPERは40倍にまで跳ね上がってしまいます。

こうなると、足元の1,000円の株価では「割高」と判断され、例えば500円まで株価は値下がりしてしまうかもしれません。すると当期の1株当たり予想当期純利益125円で計算したPERはなんと4倍にまで低下します。それでも市場参加者は3年後の1株当たり予想当期純利益25円を頭に描いてPERを再計算していますから、500円まで株価が下がってもPERは20倍ととらえています。表面上のPER4倍が割安であるとは全く考えていません。

これが、足元のPERでみると明らかに割安に思えたとしてもそこからさらに株価が下がるメカニズムです。

単にPERだけ見るのではなく将来の業績予想も必ずチェックしておく

では、PER以外のどの部分に注目すれば、低PER銘柄を割安と信じて買ったつもりがさらなる株価下落に見舞われるという失敗を避けることができるでしょうか。

まず第一に見ておくべきは当期以降の業績予想です。低PER銘柄ランキングに載っているような銘柄の多くは、前期の実績より当期の利益が減益になっていたり、前期までずっと増収増益が続いていたのに当期の予想がほぼ横ばいになっていたりと、何かしら業績の先行きに懸念が生じていることが非常に多いです。

ですから、もし低PER銘柄ランキングなどから投資対象とする銘柄を選ぼうとするのであれば、最低限会社四季報や日経会社情報レベルでの業績のチェックは必須です。当期以降の業績予想が横ばいだったり減益予想である銘柄については、それらを織り込んだ株価がついているはずです。

例えば前回のコラムで触れたガンホー・オンライン・エンターテイメント(3765)はPER自体は約7倍と低いものの、2014年12月期をピークに利益は減少しており、2016年12月期も減益の予想になっています。

また、ニューフレアテクノロジー(6256)もPERは約7倍ですが、2014年3月期の利益をピークに減益となっていて、2017年3月期の利益予想は2016年3月期と比べほぼ横ばいです。

筆者の経験上、業績が横ばいで推移する場合のPERは10倍前後、減益予想の場合のPERは7倍前後になっていても割安とは考えません。例え足元のPERが低いとしてもそれは当期の予想のみで計算された見かけ上のものですから、投資対象としてはあまり魅力的ではないと筆者は考えます。

ただ、こんなケースもあります。カメイ(8037)はPERがわずか4倍しかありません。確かに年によって利益水準は変動しているものの、しっかりと毎期利益を計上しています。業績は伸びてはいないものの比較的安定していて、さすがにPERが4倍というのは割安なようにも思えます。しかしPER4倍の水準で株価が放置されているということは、例えば売上の半分を占める石油製品が原油価格の影響を大きく受けるなど、将来の業績変動をリスク要因として市場参加者が受け止めているからなのでしょう。

将来が増収増益予想かつ低PERであったとしても時に株価は下がる

業績が増収増益でなければPERが低くなる傾向にあることは上のとおりです。でも、長谷工コーポレーションの業績の推移をみると、平成12年3月期から平成16年3月期まで増収増益、さらに平成17年3月期も増収増益予想です。会社四季報では、さらに平成18年3月期も増収増益予想になっています。将来の業績が悪化する予想である銘柄のPERが見かけ上低くなるのは理解できますが、今後も増収増益が続くと予想されている銘柄のPERが6倍なら、どう考えても株価は割安であり、積極的に投資対象とすべきではないか、という声も聞こえてきそうです。

長谷工コーポレーション(1808)の業績推移 (単位:百万円)

売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月期 500,929 21,615 18,199 11,242
2013年3月期 558,919 24,329 19,976 13,064
2014年3月期 587,571 28,838 25,405 24,830
2015年3月期 642,167 42,698 41,889 28,542
2016年3月期 787,354 68,762 67,327 51,226
2017年3月期(予) 800,000 80,000 78,000 54,000

この疑問に対する筆者の答えは、「確かに企業側の予想では増収増益だが、市場参加者は必ずしもそのように予想していない」です。つまり、企業側が増収増益予想でも、市場参加者はそれを信用していないということです。

ですから、現時点で長谷工コーポレーションの1株当たり当期純利益が、2年後ないし3年後には60円程度にまで下落する可能性が高いと市場参加者は予想していると推測されます。60円でPERを再計算すると約16倍になり、株価は割安ではなくなります。

同様にPER約7倍のオリックス(8591)も、何年も増収増益であり、かつ今期以降も増収増益予想です。それなのに低PERで放置されているということは、やはり市場参加者がその業績予想に半信半疑な状況であることが、この低PERの株価にとどまらせている理由と考えざるを得ません。

やはり最後は「株価は株価に聞く」しかない

このように、見かけ上低PERに見える銘柄が、将来の業績が横ばいや減益予想であれば株価がさらに下落する可能性が高いことはもちろん、将来の業績予想が増収増益であっても株価が下がることも珍しくありません。

となると、単にPERの水準だけで株価が割安かどうか判断するのは無意味どころか投資判断を誤ってしまう恐れが高いです。PERに将来の業績予想を加味して判断したとしても判断要素としては不足することになります。

この点、プロ投資家であれば、将来の業績予想を企業の発表値ではなく独自に予想して足元の株価が割安かどうか判断することができますが、個人投資家にはそこまではなかなかできません。

となれば、都合の良い話ではありますがプロ投資家に便乗させてもらうほかありません。そのためには株価のトレンドをみることが最も効果的です。

足元で低PERかつ将来も増収増益予想の銘柄を見つけたら、次に株価チャートをみて株価のトレンドをチェックします。もし株価が上昇トレンドであれば、プロ投資家もその銘柄の株価が割安と考えて買っている可能性が高いので、私たちも新規買いをします。逆に株価が下降トレンドであれば、プロはその銘柄を割安と考えていない可能性が高いので、私たちも新規買いは見送ります。

株価のトレンドに注目すればこんなことも可能に

また、応用編としてこんなこともできます。例えば企業側は来期以降の業績を横ばいないしは微減益と予想している銘柄があります。しかし自分自身で分析した結果、どう考えても今後も増収増益が続くはず、と思っているとしましょう。こんな場合でも、株価のトレンドに合わせて売買していけば失敗したときの損失を抑えることができます。

つまり、株価が上昇トレンドであれば、他の投資家も自分と同じように考えてこの銘柄を買っていると予想できるため、新規買いをします。逆に株価が下降トレンドであれば、他の投資家は自分と同じようには考えていないため、自分の考えが誤っている可能性が高いと判断して新規買いを控えるようにするのです。

企業発表の将来の業績予想が正しいとは限りませんし、プロ投資家が行う将来の企業業績の独自予想も正しいとは限りません。そして、私たちが行う将来の業績予想ももちろん正しいとは限りません。そのため、現在足元でついている低いPERが妥当水準かもしれませんし、割高かもしれませんし、割安かもしれません。

このことをいくら自分の頭で考えても絶対に正解は出てきません。でも、株価の動きやトレンドに注目さえしていれば、他の市場参加者がどのような行動をしているかを知ることができます。

もちろん、他の市場参加者全体の動き自体が誤っていることもあるでしょう。バブル相場はその典型例です。でも、その場合は下降トレンドに転じたら速やかに売却すればよいだけですし、株価が短期間で大きく値上がりしている銘柄は新規買いを避けるようにすれば問題ありません。

PERは本当に話すべき論点がたくさんあるので今回は低PER銘柄の解説で紙面を使い果たしてしまいました。高PERについての解説は別の回で改めてさせていただきます。今回のコラムの内容をお読みいただければ、高PER銘柄の株価がさらに上昇する理由は何となく予想がつくのではないかと思います。

<おしらせ>

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。

〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。

〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)

〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

【かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)にかかるリスクおよび費用】 

リスクについて
かぶミニ®の取扱い銘柄については市場環境等により、取扱いを停止する場合があります。
費用について
売買手数料は無料です。

かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

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