●積立にとって「ダメな軌跡」

最後にもうひとつのケースを見せておこうか。さっきの逆で、途中で上にふくらんで16,000円で着地しているね。

これ、今までのどれよりもお金が増えてない。67.9万円だ。一番「優秀」でないファンドってことだね。その理由はもう2人はわかってるよね。高い基準価額で少ない口数しか溜め込めない前半を過ごすってことは、実は「ダメな軌跡」なんだね。

これはなかなか深い、というか考えさせられる話だ。
だってこのグラフってさ、積立を始める時にイケイケで、皆が「これが一番いいじゃん。上がってるし!」と選びそうな値動きじゃない。始めた後も基準価額は上がってて気持ちがいい。「増額しちゃおうかな」「これまで3.3万円だったけど、10万円までこのファンドでNISAは一本化しちゃおうかな」「成長投資枠の積立までこれ一本で月30万円までいくで~」ってなりそうだ。

時価総額加重のインデックスに対する、世界中の機関投資家や日本の個人投資家からの集中に心地悪さを感じているという話を前回したよね。今回の話と合わせて考えてみて言えるのは、そうした投資家の集中がもし指数上位銘柄の株価を過度に割高にしている場合には、その指数は今後このグラフのような「ダメな軌跡」を辿る可能性があり得るってことだ。

ちなみに「割高」っていうのは、その企業の利益に対して株価が高すぎるということで、ずっと前にPERの説明をしたのを覚えているかな。20倍とか30倍っていう倍率で表すんだけど、S&P500の上位にいる銘柄のPERは、時期によるけど結構高くなっている場合がある。

マーケットって不思議で、イケイケな時は気にならなかったそうした割高さに、突然皆が敏感になる時が来るんだよね。するとグラフの後半戦みたいな感じでスローダウンする時期を経験することになる。

もちろん、指数上位銘柄の株価は割高ではなく、今後のさらなる利益成長を先取りした水準で「あり続ける」という可能性も十分にあって、その場合は杞憂になる。それに、前にも言ったように、これらの指数の代わりになるようなリーズナブルな「ベース(基盤)」の候補は他にあまりないのだから、まったく無視する選択肢は取りづらいと思う。

さてさて。何度も同じこと言ってる気がするけど、いくつかの大事な原理原則的な理解をもって、自分が一番スッキリするかたちを「全体設計」するしかないと思うよ。人に説明できるくらいに理解した全体設計の方針をぜひ2人で作ってほしいな。

最初の頃に言ったことだけど、僕らは何も決まっていない未来に向かって投資をしていくんだよね。つまりすべては今後どういう経済情勢の下で積立なり一括投資をしていくことになるのかという「運」に左右されてしまうんだよ。だからこそ、止めないための固い方針が必要だし、「最後に笑う」ためにベストと自分が考える、誰かのお勧めなんかじゃない設計図が必要だ。

ではまた、次回。

コラム一覧へ戻る
投信のはじめ方・オンラインセミナー

※日興アセットのHPに遷移します。

文字サイズ

総合口座をお持ちでない方

投資信託のリスクと費用について

投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。

投資信託の取引にかかるリスク

主な投資対象が国内株式
組み入れた株式の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
主な投資対象が円建て公社債
金利の変動等による組み入れ債券の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。
主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの
組み入れた株式や債券の値動き、為替相場の変動等の影響により基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

投資信託の取引にかかる費用

各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。

お買付時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「買付手数料」:ファンドによって異なります。
保有期間中に間接的にご負担いただく主な費用
「ファンドの管理費用(含む信託報酬)」:ファンドによって異なります。
ご換金時にお客様に直接ご負担いただく主な費用
「信託財産留保額」「換金手数料」:ファンドによって異なります。

買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。

毎月分配型・通貨選択型ファンドに関するご注意について

投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。

毎月分配型ファンド・通貨選択型ファンドに関するご注意

投資信託に関する情報提供について

(楽天証券分類およびファンドスコアについて)

  • 楽天証券ファンドスコアは、「運用実績」を一定の算出基準に基づき定量的に計算したもので今後の運用成果を予想または示唆するものではなく、将来の運用成果をお約束するものでもありません。最終的な投資判断は、運用コスト、残高の規模、資金流出入額、運用プロセス、運用体制等を考慮し、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。
  • 情報提供:株式会社QUICK
    各投資信託関連ページに掲載している情報(以下「本情報」という)に関する知的財産権は、楽天証券株式会社、株式会社QUICKまたは同社の情報提供元(以下三社を合わせて「情報提供元」という)に帰属します。本情報の内容については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではなく、これらの情報によって生じた損害について、情報提供元は原因の如何を問わず一切の責任を負いません。本情報の内容については、蓄積・編集加工・二次加工を禁じます。また、予告なしに変更を行うことがあります。

ご質問は
ありませんか?