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世界の一流機関投資家に学ぶ ETFポートフォリオ運用戦略

世界の一流機関投資家に学ぶ ETFポートフォリオ運用戦略

コストの安さや取引のしやすさに加え、近年のラインナップ充実により着実に注目が高まっているのがETFです。特に中長期での資産形成を図る投資家にとっては、ETFを組み合わせることで、個人投資家にも世界一流の機関投資家が導入する洗練された投資戦略に近い運用を目指すことも可能です。

楽天証券はETFを使った投資術を活かすことで投資家としてのステップアップを図り、賢い資産形成を提唱します。

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年金基金のポートフォリオを再現

では実際に年金基金の基本ポートフォリオをETFを使って再現し、運用成績を比べてみることにしましょう。

今回取り上げるのは積極運用で知られるカルパースと世界最大の年金基金として知られる日本のGPIFです。今回は過去のパフォーマンスを検証するため、ある投資家が200万円を使い2009年7月に投資を始めたと仮定し2011年6月までの2年間の成績を振り返ってみます。

ではまずカルパースのポートフォリオをみてみます。

カルパース 基本ポートフォリオ

カルパースのアセットアロケーションの特徴としては、まず株式と債券の投資に国内、国外という枠がないという点です。実際の中身を見てみると、経済成長が本格化した新興国への投資を増やしており、新興国への期待の高さが伺われます。

また株式資産と同じ扱いとして株や債券にあてはまらない代替資産や不動産にも資金を投じ、収益を追求しています。

カルパースは運用収益の目標を年率7.75%と設定しており、比較的高めの収益が期待できる資産構成を作っています。資産構成における株式の比率が高く、短期的には株価の変動要因を受けやすいことから、長期でじっくり運用できる若い世代に向いた資産構成と言えるでしょう。

カルパースの基本ポートフォリオに近い資産を組み立てるのに使ったのは10本のETFと投資信託一本です。海外株式の部分については先進国の部分をバンガードのTOK、新興国の株式市場については同じくバンガードのVWOを選択します。海外債券や国内債券、国内株式に加え、代替資産の一部として株式市場とは異なる要因で価格が変動するとみられる不動産ETFや今後のエネルギー関連企業へ投資するPBDに投資してみました。

カルパース型ポートフォリオ

グローバル債券

ティッカー 名称 枚数
(株数)
金額(円)
IEF iシェアーズ® ・バークレイズ 米国国債 7-10年 ファンド 10 87,161
IGOV iシェアーズ・S&Pシティグループ世界国債(除く米国)・ファンド 10 97,810
EMB iシェアーズJPモルガン・米ドル建てエマージング・マーケット債券ファンド 10 90,451

グローバル株式

ティッカー 名称 枚数
(株数)
金額(円)
TOK iシェアーズ® MSCI KOKUSAI(コクサイ)・インデックス・ファンド 60 175,364
VWO バンガード・MSCI・エマージング・マーケットETF 140 438,758

その他株式

ティッカー 名称 枚数
(株数)
金額(円)
PBD パワーシェアーズ・グローバル・クリーン・エネルギーポートフォリオ 120 174,207

その他資産

ティッカー 名称 枚数
(株数)
金額(円)
IYR iシェアーズ® ダウ・ジョーンズ米国不動産インデックス・ファンド 30 94,743
GSG iシェアーズ® S&P GSCI・コモディティ・インデックス・トラスト 10 28,620
GLD スパイダー ゴールド・シェア 12 106,943
TIP iシェアーズ® ・バークレイズ 米国TIPS ファンド 10 97,463
  現金   5,087

次にGPIFのポートフォリオをみてみましょう。

GPIF 基本ポートフォリオ

世界最大の資産規模を誇るGPIFですが、名目運用利回りを3.2%と設定しており、その運用は保守的と言えます。資産の6割以上を国内の債券で運用していることから、収益のブレが少なく景気や株式市場が低調な時でも資産価格が値崩れが起こりにくく手堅さが目立ちます。

その反面、株式や海外資産の組み入れ比率が欧米の基金と比較して少なめです。また日本国内の金利低下を反映して、債券の利回りが低迷していることも、基金全体の収益が伸び悩む原因にもなっていると言えます。

高い収益を望まず安定した運用を望まれる方や、貯蓄した年金を今後取り崩す見込みをもたれる方などに適したアセットアロケーションとなっています。

GPIFのアセットアロケーションを再現するには、当然国内債券の比率を高める必要があるため、公社債投信がベースとなります。国内株式に相当する部分には、日経225ETFを組み入れたほか、海外株式にはバンガードのTOK、海外債券としてIEFおよびIGOVを選択してみます。

GPIF型 ポートフォリオ

国内債券

ティッカー 名称 枚数
(株数)
金額(円)
国際投信 ジャパン・ソブリン・オープン 130 1,315,990

外国債券

ティッカー 名称 枚数
(株数)
金額(円)
IEF iシェアーズ® ・バークレイズ 米国国債 7-10年 ファンド 10 87,161
IGOV iシェアーズ・S&Pシティグループ世界国債(除く米国)・ファンド 10 97,810

国内株式

ティッカー 名称 枚数
(株数)
金額(円)
1321 日経225ETF 20 180,400

外国株式

ティッカー 名称 枚数
(株数)
金額(円)
TOK iシェアーズ® MSCI KOKUSAI(コクサイ)・インデックス・ファンド 60 175,364

短期資産

名称 金額(円)
現金 100,374

では、こうして出来上がった2つのポートフォリオの成績をくらべてみましょう。

2つのポートフォリオにそれぞれ200万円ずつ投資した場合の2009年の7月から2011年の6月末までの、2年間のパフォーマンスを比較したのが下図です。

カルパース型とGPIF型の運用成績比較

*運用成績は円貨ベースでの値

2009年以降は2008年のリーマンショックにより各国株式市場が混乱した後の反動を追い風に、世界的に株価が堅調だったことから積極運用を目指すカルパース型ポートフォリオの成績がGPIF型を上回る結果となりました。期間中は円高となり為替では逆風でしたが、新興国や米国など海外市場の株価が好調に推移したことが好成績につながった背景となっています。

GPIF型ポートフォリオについては、国内債券の比率が高いゆえに株式市場が軟調に推移した2009年初頭でも価格の変動が緩やかとなっています。ただ、安定した収益を得られているものの、株式の組み入れ比率が低いことや、株式の投資対象も国内株が中心だったことなどから、その後の株価上昇の恩恵を享受できませんでした。GPIF自身も収益性の低さは課題と認識しており、新興国の資産を増やすことなどで引き上げを図る方針です。

大切なのは運用ニーズに適したポートフォリオを作ること

年金基金はそれぞれに必要な収益を上げるための戦略として基本ポートフォリオを構築しています。高い収益を上げられるから良い、低いから悪いのではなく、大切なのは投資家が能動的に自分の運用ニーズに適したポートフォリオを構築することです。その第一歩として年金基金のポートフォリオを参考とすることに意義があるといえます。

ETFのメリットを十分に生かし、効率的な資産形成を図る手段としてETFポートフォリオ運用戦略をご検討してみてはいかがでしょうか。

ETFポートフォリオ運用戦略 目次

海外ETF入門講座

取扱い銘柄

外国株式のリスクと費用について

外国株式等の取引にかかるリスク

外国株式等は、株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。また、為替相場の変動等により損失(為替差損)が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等により、損失が生じるおそれがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

米国株式の信用取引にかかるリスク

米国株式信用取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。米国株式信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。また、米国株式信用取引は外貨建てで行う取引であることから、米国株式信用取引による損益は外貨で発生します。そのため、お客様の指示により外貨を円貨に交換する際の為替相場の状況によって為替差損が生じるおそれがあります。

外国株式等の取引にかかる費用

〔現物取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
分類 取引手数料
米国株式 約定代金の0.495%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:22米ドル(税込)
中国株式 約定代金の0.275%(税込)・最低手数料:550円(税込)・上限手数料:5,500円(税込)
アセアン株式 約定代金の1.10%(税込)・最低手数料:550円(税込)・手数料上限なし
※当社が別途指定する銘柄の買付手数料は無料です。
※米国株式の売却時は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。
※中国株式・アセアン株式につきましては、カスタマーサービスセンターのオペレーター取次ぎの場合、通常の取引手数料に2,200円(税込)が追加されます。

〔米国株式信用取引〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引手数料
約定代金の0.33%(税込)・最低手数料:0米ドル・上限手数料:16.5米ドル(税込)
※当社が別途指定する銘柄の新規買建または買返済時の取引手数料は無料です。
※売却時(信用取引の場合、新規売建/売返済時)は上記の手数料に加え、別途SEC Fee(米国現地取引所手数料)がかかります。詳しくは当社ウェブページ上でご確認ください。

  • 米国株式信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 米国株式信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は当社が指定する30万円相当額、新規建て時に最低必要な委託保証金率は50%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が30%です。委託保証金の保証金率が30%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。

過去実績分配金利回りについて

  • 前営業日までの分配金実績と基準価額をもとに、翌営業日に更新します。
  • 過去実績分配金利回りは、直近3ヵ月の分配金合計を、直近3ヶ月の基準価額平均で除して年率換算し算出したもので、将来の利回りを保証するものではありません。また、基準価額の値下がりによる損失は考慮しておりません。運用状況によっては、分配金額が変わる場合、あるいは分配金が支払われなくなる場合があります。
  • 掲載銘柄は、決算回数が毎月の銘柄のうち、直近3ヵ月の分配金実績がある銘柄を対象としています。
  • 当該実績は過去のものであり、将来の運用成果等を保証するものではありません。また、投資した有価証券等から得られる利子、配当収入を上回る分配を行った場合、他の条件が変わらなければ上回る分は基準価額の下落要因となります。運用状況によっては、分配金額が変わる場合、あるいは分配金が支払われなくなる場合があります。

リスクと費用について

投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、申込手数料等の費用が異なり、多岐にわたりますので、詳細につきましては、それぞれの投資信託の「目論見書」「目論見書補完書面」を必ずご覧ください。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。

投資信託の取引にかかるリスク
  • 主な投資対象が国内株式

    組み入れた株式の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

  • 主な投資対象が円建て公社債

    金利の変動等による組み入れ債券の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

  • 主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの

    組み入れた株式や債券の値動き、為替相場の変動等の影響により基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

投資信託の取引にかかる費用
  • ご購入時にお客様に直接ご負担いただく主な費用

    「お申込手数料」:ファンドによって異なります。

  • 保有期間中に間接的にご負担いただく主な費用

    「信託報酬」:ファンドによって異なります。

  • ご換金時にお客様に直接ご負担いただく主な費用

    「信託財産留保額」「換金手数料」:ファンドによって異なります。

  • 各投資信託の費用等について、詳しくはそれぞれの投資信託の「目論見書」「目論見書補完書面」をご覧ください。

金融商品取引法に係る表示 弊社の取扱商品等にご投資いただく際には、各商品等に所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。また、各商品等には価格の変動等による損失を生じるおそれがあります。

各商品等へのご投資にかかる手数料等およびリスクについては、楽天証券ホームページの「リスク説明」ページに記載の当該商品等の契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解ください。


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