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人気ファンドアナリスト吉井氏はこう考える!安定分配ポートフォリオのススメ!

吉井崇裕氏
ガイア株式会社 ファンドアナリスト
ファンド・アナリスト兼ファイナンシャル・アドバイザーとして、 個人投資家および独立系FP会社へのアドバイスを行う。
投資信託業界での販売・運用・評価分析という幅広い経験から業界の裏事情まで熟知し、投資信託の評価においては定量・定性分析の両面に精通する。「日経マネー」などへの掲載も多数あるほか、楽天証券のコラムも大好評。

時代は高分配ファンドから安定分配ファンドへ

高分配ファンドの盲点

毎月の分配金が高い、分配金利回りが高い!
これだけ分配金が高いならきっと儲かるはずなのに、なぜか運用結果は大きくマイナス…
お心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

利益が出た部分だけから分配金が出ているならば、高分配ファンドを選べばよいかもしれません。しかし、分配金というのは必ずしも利益の部分だけから出るものではありません。(詳しくはこちら)高い分配金を出すファンドほど、ファンドのトータルリターンが下落または横ばいのときには元本払戻金(特別分配金)として分配金を払い出し、投資元本を取り崩す可能性が高くなります。

高分配ファンドの注意点はもう一つあります。それは価格変動リスクが高い(値動きの幅が大きい)ファンドが多いということです。具体的には、為替変動リスクが大きい資源国通貨の通貨選択ファンド、価格変動リスクが大きい外国REITや高配当株ファンドなどがあげられます。こうしたファンドは、トータルリターンの振れが大きいため、市場環境が良好なときには大きな値上がり益が期待できる半面、悪化したときには大きく値下がりする恐れがあります。

では、過去3年間、高分配のファンド3本を合計100万円分保有した場合、どうなっていたでしょうか。
いずれも個人投資家に大変人気のある豪ドルおよびブラジルレアルの銘柄です。

  • 豪ドル債券Aファンド   【投資金額400,000円、一万口当たり分配金:100円】
  • 通貨選択型新興国債券(レアルコース)Bファンド   【投資金額300,000円、一万口当たり分配金:200円】
  • 通貨選択型ハイイールド債券(レアルコース)Cファンド   【投資金額300,000円、一万口当たり分配金:200円】

結果は…
図1のように、価格が大きく変動する中で高い分配金を出し続ければ、投資元本はどんどん取り崩される結果となってしまいました。

ファンド名(仮名) 投資金額(2009年9月末時点) A.直近評価額(2012年8月末時点) B.受取分配金総額(2012年8月末時点) 直近評価額と受取分配金総額の合計(A+B) 直近分配金額(1万口あたり)(2012年8月末時点)
豪ドル債券Aファンド 400,000 293,324 160,037 453,361 100
通貨選択型新興国債券(レアルコース)Bファンド 300,000 189,517 166,950 356,467 200
通貨選択型ハイイールド債券(レアルコース)Cファンド 300,000 180,797 179,748 360,546 200
合計 1,000,000 663,639 506,735 1,170,373

高分配ファンドに投資することがダメというわけではありません。しかし、こうしたファンドは、投資元本を維持しながら利益の部分だけを安定的に分配金としてもらいたいという投資家には不向きだということを理解する必要があります。
昨今では、「高い分配金が出るファンドの中には投資元本を取り崩しているものがある」といったことに対する理解が深まり、また、業界内でも高分配ファンドの分配金を徐々に引き下げるなど、高分配ファンドを見直そうという機運が高まっているように思います。

「分配金は利益の部分からもらいたい。投資元本を取り崩して分配金をもらうのは馬鹿馬鹿しい。」
そう考える投資家に最近注目されているのが安定分配ファンドです。

楽天証券の取扱い銘柄から探そう!これがプロが選ぶ安定分配ファンド

安定分配ファンドとは、投資元本をできるかぎり維持しながら、毎月安定的に得られる利益の範囲内で分配金を出し続けるファンドを言います。わかりやすくいえば、毎月分配金を出しながら基準価額が1万円近辺を維持する傾向にあるファンドのことです。安定分配ファンドには、以下のような特徴が見られます。

  1. 利子収入の範囲またはそれに近い水準で分配金を出す傾向にあること
  2. 投資対象は、(株式やREITよりも)価格変動リスクが小さい債券であること
  3. 為替リスクを低減した(為替ヘッジ型の)ファンドであること

楽天証券のラインナップの中で、上の条件で抽出すると下表のようなファンドが対象となります。

表1:安定分配ファンドのラインナップ

主な投資対象 ファンド名 会社名 純資産(億円) 直近基準価額(円) 平均直利 推定インカム(月換算、円)
投資適格債券 国際機関債ファンド(円コース) 三菱UFJ 20.3 10,964 3.8% 35
投資適格債券 UBSグローバル公共公益債券ファンド(通貨選択シリーズ)円コース<毎月分配型> UBS 64.3 10,523 4.5% 40
投資適格債券 野村先進国ヘッジ付き債券ファンド 野村 18.9 10,211 3.3% 28
投資適格債券 アセットバック証券オープンCコース 野村 9.1 9,778 3.4% 28
投資適格債券 UBS公益・金融社債ファンド(為替ヘッジあり) UBS 249.6 10,444 4.3% 38
投資適格債券 みずほハイブリッド証券ファンド(通貨選択型)円コース 新光 300.8 9,746 5.7% 47
投資適格債券 DWS グローバル公益債券ファンド(毎月分配型)Aコース(為替ヘッジあり) ドイチェ 734.8 11,059 5.0% 46
投資適格債券 世界投資適格債オープン(通貨選択型) 円コース(毎月決算型) 国際 67.7 10,402 4.0% 34
新興国債券 DWS 通貨選択型エマージング・ソブリン・ボンド・ファンド 円コース(毎月分配型) ドイチェ 35.3 10,908 5.8% 53
新興国債券 新興国公社債オープン(通貨選択型)円コース(毎月決算型) 国際 66.2 10,918 6.5% 59
ハイイールド債券 米国ハイイールド債券ファンド 通貨選択シリーズ<円コース>(毎月分配型) 三菱UFJ 5.3 10,353 6.7% 58
ハイイールド債券 米国高利回り社債・円ファンド(毎月決算型) 国際 0.5 10,280 8.2% 70
ハイイールド債券 米国ハイ・イールド債オープン(通貨選択型)円コース(毎月決算型) 国際 69.5 10,120 8.2% 69
ハイイールド債券 JPMアジア・ハイ・イールド債券ファンド(為替ヘッジあり) JPモルガン 19.8 10,388 7.9% 69
ハイイールド債券 ピムコ・ハイイールド・ファンド Bコース(為替ヘッジあり) 日興 15.8 9,456 6.5% 51
ハイイールド債券 ING・アジア・ハイ・イールド債券ファンド 日本円コース(毎月分配型) ING 44 10,617 8.6% 76
ハイイールド債券 グローバル・ハイイールド債券ファンド(円コース) 大和住銀 6.7 10,035 7.5% 63

データ取得日:2012年9月5日

  • 平均直利:ファンドが保有する債券の投資元本に対する利子収入の利回りの平均値(直近の月次報告書を参照)。
  • 推定インカム(月換算):直近の基準価額に対する利子収入を月換算した金額(推定値)。直近基準価額×平均直利÷12カ月。
  • インカムゲインレシオ:分配金に占める利子収入の割合(推定値)。推定インカム(月換算)÷直近の分配金×100。

実践!安定分配ファンドを活用したポートフォリオ

図2:安定分配モデルポートフォリオの資産配分

それでは安定分配ファンドを活用したポートフォリオをご紹介しましょう。
安定分配ポートフォリオでは、上の対象ファンドが属する3つの資産クラスを組み合わせてポートフォリオを構築します。

  1. 投資適格債券(格付けがBBB-以上の国債および社債)
  2. 新興国債券(主に米ドル建て新興国債券)
  3. ハイイールド債券(格付けがBB+以下の社債)

図2は、3つの資産クラスを組み合わせたモデルポートフォリオの一例です。
代表的な市場インデックスを参考にした期待リターンと推定リスクは表2を想定しています。

表2:各資産クラスとポートフォリオ全体の期待リターンおよび推定リスク

資産クラス 資産配分 期待リターン(年率) 推定リスク(年率)
投資適格債券(為替ヘッジ) 40% 0.79% 3.94%
新興国債券(為替ヘッジ) 30% 4.65% 10.28%
米国ハイイールド債券(為替ヘッジ) 30% 6.54% 11.72%
ポートフォリオ全体 100% 3.67% 6.31%
  • 期待リターンは下記の代表的な市場インデックスの最終利回りに代表的なインデックスファンドの運用管理費用(信託報酬)等を考慮してガイアが独自に試算した数値(2012年6月末現在)。
  • 推定リスクは下記の代表的な市場インデックスの過去10年間の月次リターンをもとにガイアが独自に試算した数値(標準偏差)。
  • 代表的な市場インデックスは以下の通り。
    投資適格債券(為替ヘッジ):シティグループ世界国債インデックス(除く日本、為替ヘッジ)
    新興国債券(為替ヘッジ):JPモルガン・EMBIグローバル・ダイバーシファイド(為替ヘッジ)
    米国ハイイールド債券(為替ヘッジ):BoA・メリルリンチ・USハイイールド・マスターⅡ(為替ヘッジ)
  • 上記の期待リターンおよび推定リスクは、2012年6月末現在の市場環境および過去の実績値をもとに試算した数値であり、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。また、上記数値は代表的な市場インデックスをもとに試算した数値であり、個別ファンドの数値は、そのポートフォリオ特性等により、上記数値とは異なる数値になります。

では、先ほどの安定分配ファンドのリストの中より、「投資適格債券」「新興国債券」「ハイイールド債券」のそれぞれに当てはまるもの3本を選び、過去3年間にわたって合計100万円分保有した場合の運用結果をまとめてみました。

結果は…
図3のように、毎月の分配金を受け取りながらも、100万円の投資元本を106万円に成長させることに成功しました。

図3:安定分配ポートフォリオの運用シミュレーション

ファンド名 投資金額(2009年9月末時点) A.直近評価額(2012年8月末時点) B.受取分配金総額(2012年8月末時点) 直近評価額と受取分配金総額の合計(A+B) 直近分配金額(1万口あたり)(2012年8月末時点)
DWS グローバル公益債券ファンド(毎月分配型)Aコース(為替ヘッジあり) 400,000 408,744 49,278 458,021 40
新興国公社債オープン(通貨選択型)円コース(毎月決算型) 300,000 326,580 49,500 376,080 50
ピムコ・ハイイールド・ファンド Bコース(為替ヘッジあり) 300,000 331,612 58,166 389,779 45
合計 1,000,000 1,066,936 156,944 1,223,880

表3:安定分配ポートフォリオと高分配ポートフォリオの比較(2009年9月末~2012年8月末)

  安定分配ポートフォリオ 高分配ポートフォリオ
A.投資金額(2009年9月末時点) 1,000,000 1,000,000
B.直近評価額(2012年8月末時点) 1,066,936 663,639
C.受取分配金総額(2012年8月末時点) 156,944 506,735
直近評価額と受取分配金総額
の合計(B+C)
1,223,880 1,170,373
損益率(B+C)/A(%) 22.4% 17.0%
実績標準偏差(年率) 4.3% 17.7%
  • 実績標準偏差は、当該期間における各ポートフォリオの月次トータルリターン(税引き前分配金を再投資した場合の月次騰落率)をもとに年率換算した標準偏差。

いかがでしょうか。2つのポートフォリオを比べると、損益率はいずれもプラス(安定分配ポートフォリオが+22.4%、高分配ポートフォリオが+17.0%)ですが、直近評価額は安定分配ポートフォリオが投資金額の100万円を維持している(1,066,936円)のに対して、高分配ポートフォリオは大きく投資金額を大きく割り込んでいます(663,639円)。これは、安定分配ポートフォリオが利子収入を中心に分配金を出した(156,944円)のに対して、高分配ポートフォリオが投資金額を取り崩して分配金を出した(506,735円)ことを意味しています。
高い分配金が出ているからといって、それが必ずしも高いリターンにつながるとは限らないということがおわかりいただけたでしょうか。

さらにもう一つ。実績標準偏差(年率)をご覧ください。これは2つのポートフォリオの価格変動リスクの大きさを表した数値です。高分配ポートフォリオは、為替変動リスクが大きい資源国通貨に投資しているため、この数値がかなり大きいことがわかります。一方、安定分配ポートフォリオは、為替変動リスクを低減した為替ヘッジ型のファンドに投資しているため、高分配ポートフォリオの3分の1までこの数値を抑えることができました。あらためて、2つのポートフォリオの価格推移を見ると、安定分配ポートフォリオのほうが高分配ポートフォリオよりも安定的に成長していることがわかります。

これから毎月分配型ファンドを選ぶときには、分配金の高さだけではなく、その健全性(分配金を安定的な収益の範囲で出しているかどうか)や価格変動リスクの大きさ(標準偏差)に注目してみると良いと思います。

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投資信託の取引にかかるリスク
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    金利の変動等による組み入れ債券の値動きにより基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

  • 主な投資対象が株式・一般債にわたっており、かつ、円建て・外貨建ての両方にわたっているもの

    組み入れた株式や債券の値動き、為替相場の変動等の影響により基準価額が上下しますので、これにより投資元本を割り込むおそれがあります。

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