20,000ドルを突破し、新たなステージに突入したニューヨークダウとともに、日本株も堅調な動きが続いています。
大きく株価が上昇する個別銘柄も続出し、すでに「大相場」になりつつある現在、個人投資家が高い投資成果を得るためにはどうしたらよいでしょうか。
買った株が値上がりしたとき、どのタイミングで利益確定売りを出すかは、個人投資家それぞれ異なるものです。買値から20%、30%上昇したら売却する方もいるでしょうし、2倍、3倍になるまで保有を続ける、という方もいるでしょう。好業績が続く限り持ち続ける、という戦略もあります。
では、ここから大相場となった場合、高い投資成果を得るために必要なのはどんなことだと思いますか?
それは「我慢する」ということです。
買った株が20%、30%と値上がりしてくると、何となく気持ちがそわそわしてしまうものです。「今売っておけば30%の利益。でも、持ち続けていると株価が元に戻って利益がゼロになってしまうかもしれない」と無意識のうちに思ってしまうからです。
確かに、大相場ではなく、例えば狭いレンジで株価が行ったり来たりするようなボックス相場であれば、その戦略は正しいことが多いです。でも、もし足元の上昇が大相場の入口だとしたらどうでしょうか?
「我慢する」とはどういうことか、それは「早く売ることを我慢する」ということです。
何年も株式投資をされている個人投資家の方は、ぜひ2012年11月中旬から2013年5月下旬までの、「初期アベノミクス相場」を思い出してください。このときは、大部分の銘柄の株価が少なくとも2倍、銘柄によっては5倍、10倍にまで上昇しました。
でも、この「初期アベノミクス相場」で高い投資成果を上げることができた個人投資家はそれほど多くありません。なぜなら、「我慢する」ことができなかったからです。
実は、初期アベノミクス相場が到来するまで、株価の大きな上昇は何年もの間ありませんでした。少し株価が上がったと思っても、すぐに元に戻ってしまっていました。
そのため、買った株が20%~30%上昇したら売却しておくという手法は(結果論ですが)非常に有効でした。
そして2012年11月中旬になりいよいよアベノミクス相場が開幕となりました。でも「大相場」だったかどうかは後にならないとわかりません。当時はそれほどまでに大相場になることは誰も予測していなかったはずです。
いつものように20%~30%の値上がりで売却し、「今回もしっかり利益を確保できた」と思ったのもつかの間、売った後も株価上昇がいつまでも止まらない・・・という事態が起こったのが初期アベノミクス相場です。
もちろん、足元の株価上昇が大相場ではなく、近々上昇相場が終了してしまう可能性だってあります(そちらの方が圧倒的に多いです)。そうなれば、20%、30%の利益で保有株を売却した方が良かった、ということになります。
でも、筆者は通常の相場で20%程度の利益を確保するのではなく、通常の相場で利益をあげることができなくてもよいから、大相場でしっかりと高い利益を獲得したいという気持ちが根底にあります。
もし、20%、30%の利益で保有株を売却した場合、それが大相場の入口であったとしたならば、株価上昇は止まらず、そこから2倍、3倍と株価が駆け上がっていくことになります。でも、一旦売却した銘柄を、売却した価格よりはるかに高い価格で買い直すというのは心理的に大変な抵抗があります。
さらに、一旦売却した銘柄を買い直そうと押し目を待っていたものの全く値下がりしないのでしびれを切らして高値で飛びついた途端、上昇相場が終了して株価が急落してしまう・・・というケースも珍しくありません。
実際、初期アベノミクス相場でも、2012年11月から参戦していた個人投資家は大きな成果をあげることができた一方、2013年4月、5月あたりから買い始めた個人投資家は、5月下旬の急落で、逆に大きな損失を抱えてしまったケースも少なくありませんでした。
この点、筆者が実践する「株価トレンド分析」は違います。株価トレンド分析とは簡単に言えば25日移動平均線を株価が超えたら買い、割り込んだら売る、という手法です。
大相場であれば、株価が25日移動平均線を上回る状態(上昇トレンド)が長く続き、その間に株価が2倍、3倍になることも数多くあります。25日移動平均線を株価が割り込むタイミングでは、当然最高値からは株価は少し下がっていることになりますが、それでも買値の2倍以上の株価で売ることができるケースは多々あります。
上昇トレンドの期間が長いということは、その間株価が上昇を続けていることになります。この間、持ち株をしっかり保有し続けることで、含み益が日々増えていき、最終的に買値より大きく値上がりした状態で売却できるのです。
このことから、株価トレンド分析は、大相場で成果を出すために最適な手法の1つといっても過言ではないと思います。
もちろん、株価トレンド分析にも弱点はあります。それは、上昇トレンドが短期間で終わるような場合、利益をあげることが難しいという点です。
株価が上昇トレンドになってから20%上昇したものの、すぐに失速して株価が元に戻ってしまう、というケースは頻繁にあります。そんなとき、20%上昇で売却としておけば20%の利益をしっかり確保できたにもかかわらず、上昇トレンドが続く限り保有した結果買値まで戻り、利益を得られなくなってしまいます。
つまり、株価トレンド分析の特徴は、「大相場で高い投資成果を目指すため、小規模の上昇トレンドで利益を上げることをあきらめている」と考えても良いかもしれません。
以上より、筆者としての結論をまとめると、保有株を売却するタイミングについての戦略は大きく分けて2つに集約されます。
筆者が実践する「株価トレンド分析」は、大きなトレンドが出るほど成果が大きくなる手法で、損切りすることも多いですから、(1)の戦略だと利益を出すことができません。そのため、おのずと(2)の戦略を取ることになります。
もちろん、(1)の戦略でしっかりと成果を出せているのであれば、それは素晴らしいことであり、無理に戦略を変える必要もありません。
いずれのケースでも25日移動平均線を大きく上回っている銘柄の飛び乗りは避けるなど高値掴みをしないようにすること、結果的に高値掴みとなってしまった場合などは適切なタイミングで損切りをすることは必要です。
特に(1)の方法の場合は、20%の利益実現1回に対し、買値に対する損失率5%の損失実現2回程度(損失実現の際の損失率10%であれば1回程度)の割合に収まっていなければ、しっかりと利益を出すことは難しいと思います。
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足立武志
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