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足立武志「知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識」一覧へ

2016年9月1日

第352回 決算シーズン通過!業績予想修正の有無にどう対応するか?

3月決算銘柄の第1四半期決算が出揃いました。決算発表と同時に、通期の業績予想を修正した銘柄、修正しなかった銘柄と様々です。中には第1四半期が好業績、もしくは業績不調だったにもかかわらず業績予想を修正しなかったケースもあります。こうした事実に個人投資家としてどう対応すべきかを考えてみたいと思います。

好悪入り乱れた第1四半期決算

8月中旬をもって、3月決算銘柄の第1四半期決算が出そろいました。また、12月決算銘柄は第2四半期決算、6月決算銘柄は通期本決算が発表されました。

好調な業績で決算を迎えた銘柄もある一方、業績悪化が明確になった銘柄も少なくありませんでした。

決算発表を踏まえ、株価が乱高下するのは毎度のことですが、筆者の感覚では、決算発表により株価が急上昇する銘柄より、急落する銘柄の方が多かったような印象を持っています。

やはり、円高が進行したこと、および日本経済全体がデフレ傾向にあることが企業業績にマイナスの影響を及ぼしているようです。

第1四半期決算を受けた通期業績予想の修正

ところで、企業は本決算時(3月決算企業であれば今年4月下旬~5月上旬ごろの平成28年3月期決算発表時)に、来期の業績予想を合わせて発表するのが原則です。そして、その業績予想に大きな変動が生じることが明らかになった時点で、予想を修正することになっています。

そのため、今回の第1四半期決算を踏まえて、通期(平成28年4月~平成29年3月までの1年間)の業績予想を修正したところも目立ちました。

例えば、ステラケミファ(4109)は好調な第1四半期決算を踏まえ、通期業績予想を次のように上方修正しました。

(単位:百万円)

  • 売上:28,249 → 28,909
  • 営業利益:1,374 → 3,159
  • 経常利益:1,340 → 2,900
  • 当期純利益:1,009 → 1,971

一方、第1四半期決算にて業績が大幅に悪化した中村超硬(6166)は、通期業績予想を次のように下方修正しました。

(単位:百万円)

  • 売上:9,400 → 7,300
  • 営業利益:1,700 → 460
  • 経常利益:1,600 → 300
  • 当期純利益:1,000 → 140

これを受け、ステラケミファ株は上昇(ただし決算発表前から株価は大きく上昇していたため決算発表後株価は頭打ちになっています)、中村超硬株は大きく下落しました。

第1四半期決算が好調・不調にかかわらず通期業績予想を修正しなかった理由

しかし、第1四半期決算が好調だったにもかかわらず通期の業績予想を上方修正しなかった銘柄の方が多いのが現状です。この本当の理由は経営者に直接聞いてみないと分かりませんが、予想される主な理由は次のようなものがあります。

  • 第1四半期決算は確かに予想以上に好調だったが、まだ3カ月しか経っていない。第2四半期決算以降は不透明であり、厳しい状況になるかもしれないため、通期の業績予想は上方修正しなかった
  • 第1四半期決算は好調で、おそらく第2四半期決算以降も順調に推移するだろうが、あまり強気の予想を発表して後で下方修正するのは望ましくないので通期の業績予想をあえて上方修正しなかった

また、第1四半期決算が不調であった銘柄の多くは、通期の業績予想を下方修正していません。この場合予想される主な理由は以下のとおりです。

  • 第1四半期決算は確かに不調だったが、まだ3カ月しか経っておらず、第2四半期以降で十分に挽回可能と会社側が考えている
  • 不調だった第1四半期決算を踏まえると確かに通期業績予想を下方修正すべきかもしれないが、いわば通期業績予想は「努力目標」として下方修正は見送った

個人投資家は自らの企業分析を絶対的に信用して大丈夫なのか?

このように、第1四半期決算の結果を受けて、通期の業績予想を修正しなかった銘柄については、その理由についてはまちまちであり、かつ経営者の思いが多少なりとも入っているものと思われます。そのため、個人投資家がそれらを正確に推し量るのは非常に困難であると筆者は思っています。

例えば、アトラ(6029)は12月決算銘柄ですが、8月に発表した第2四半期決算では、6カ月の業績は予想より上振れして着地しました。しかし通期業績予想は上方修正せずに据え置きました。これを踏まえ、株価は下落しました。

これにつき、レベルの高い個人投資家の方であれば、「通期業績予想を上方修正しなかったのは、この社長の保守的な性格が理由だろう。私の企業分析から考えて、通期の業績が予想より大きく上振れることは間違いない。株価が大きく下がった今の局面は強気で新規買いだ」と考えるかも知れません。

こうした考え方につき、企業分析に絶対の自信をもち、かつ今までもこの方法で成功を収めているという方なら実行すればよろしいかと思います。でも、「好業績間違いなしのはずなのに株価が下落してラッキー」と新規買いした結果、株価が意に反して大きく下落してしまうという経験が多いのなら、その考え方を捨てて、株価の動きを重視した方が大きな失敗を回避できるはずです。そして筆者も含めて、大部分の個人投資家は後者に属すると思います(大部分が前者に属するならばほとんどの個人投資家は株式投資で満足のいく十分な投資成果をあげているはずですので)。

精緻な企業分析が困難な個人投資家は「株価の動き」を重視するのが安全

となれば、プロ投資家のような精緻な企業分析が困難な個人投資家としては、プロ投資家を含めた市場参加者全体のコンセンサスを如実に表す「株価の動き」をもって、その実態を把握する方が安全だと思います。なぜなら、筆者の目から見ても、「なぜこの決算でこんなにも株価が想定外の方向に大きく反応するのか」というケースをよく見かけるからです。

例えばDOWAホールディングス(5714)の第1四半期決算は前年同期に比べて減収減益、通期業績予想も据え置きでしたが発表翌日の株価は急騰、その後も上昇を続けています。一方、通期業績予想がもともと減益だったミクシィ(2121)の第1四半期決算は前年同期比で減収減益でした。特にサプライズもない内容と筆者は思いましたが、株価は大きく売られてしまいました。

このような、個人投資家には予想がしにくい決算発表後の株価の動きに対抗するには、株価のトレンドに従って売買していくのが無難だと思いますし、筆者自身それにより株式市場で生き残ることができています。例えファンダメンタル分析の結果好業績が継続すると思われる銘柄であっても、通期の業績予想の修正の有無にかかわらず、株価のトレンドに従い、上昇トレンドなら買い、下降トレンドなら買いを見送るだけです。

<お知らせ>

おかげさまで、拙著「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書」および「株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書」(ともにダイヤモンド社刊)がそれぞれ7回目、4回目の増刷となりました。この場を借りて御礼申し上げます。「株を買うなら最低限知っておきたい株価チャートの教科書」では、今回のコラムで取り上げた「上昇トレンド」「下降トレンド」の見極め方を詳しく説明しております。ご覧いただければ本コラムのご理解もより深まることを確信しております。

<おしらせ>

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」の2コースから選択することができます。
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 0円
20万円まで110円(税込)
50万円まで 261円(税込)
100万円まで 468円(税込)
150万円まで559円(税込)
3,000万円まで 886円(税込)
3,000万円超936円(税込)

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

(貸株サービスのみ)

リスクについて
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