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2016年6月16日

第341回 確定拠出年金を切り口に~マイナス金利が資産運用に及ぼす影響と注意点

前回のコラムでは、マイナス金利が企業業績に与える思わぬ影響として、「退職給付債務の増加」を取り上げました。今回はこれに関連して、企業の間で導入が相次いでいる「確定拠出年金」を切り口に、一個人投資家として、さらに企業の従業員としての立場として、マイナス金利が及ぼす影響や資産運用にあたっての注意点について考えてみたいと思います。

退職給付のリスクを従業員に負担してもらう動きが加速か

本コラムをご覧の個人投資家の方は、ご本人やご家族が上場企業やその関係会社にお勤めのことも少なくないと思います。前回のコラムでお話しした、マイナス金利により企業業績に悪影響を及ぼす可能性があるという話は、実は企業に限った話ではありません。そのしわ寄せは、企業の従業員にも回ってくるのです。

企業は増加する退職給付債務に頭を悩ませているのが現状です。上場企業はまだましな方で、中小企業ではその多くが企業年金制度を維持できなくなっています。総合型の厚生年金基金の大部分が責任準備金を割り込む事態に陥っているなど、事態は深刻です。

上場企業は中小企業より体力がある分、企業年金制度を維持しているところが多いですが、今後さらに運用難、低金利の状態が続けば、上場企業でも企業年金制度を根本的に見直すことになるはずです。

具体的には、将来の企業負担が大きく変動してしまう恐れのある確定給付型の企業年金を避け、企業負担の変動リスクが軽減されるキャッシュ・バランスプランや確定拠出年金への移行がさらに進むと思われます。実際、確定拠出年金の加入者は年々増加し、今や600万人弱にまで達しています。

まさに企業にとっては「確定給付型の企業年金を維持した結果業績が悪化し会社が潰れるか、確定拠出型の企業年金を導入して従業員にリスクを全面的に負担してもらうか」の究極の二者択一になっているといっても過言ではありません。

確定拠出年金の最適な運用方法は自己の投資資金とセットで考える

確定拠出年金を導入した企業では、従業員に対して投資教育が行われます。そこでは、従業員自身が積極的に自己資金で株式投資をしている、ということは想定されていません。したがって、普段自己資金で資産運用をしていない従業員がリスクを取ってでも将来もらえる年金を増やしたいという場合は、掛金の全てないし大部分を投資信託等で運用する形になるのが通常です。

しかし、私たち個人投資家は、確定拠出年金の掛け金と、自身の投資資金を合わせた上で、最適な投資戦略を組んでいく必要があります。

例えば、自己資金で結構積極的にリスクを取って株式投資をしている、という方であれば、確定拠出年金の掛け金はあえて元本割れリスクのない定期預金等で運用し、万が一自己資金が大きく毀損した場合のヘッジとして備えるという使い方ができます。筆者は、この方法はリスクコントロールの観点から非常に有用だと感じます。

また、自己資金では日本株のみに投資しているという場合は、確定拠出年金で海外株式に投資する投資信託を選ぶというのも、投資先の分散という面から面白いかもしれません。もちろん、長期間保有を続けるだけではなく、スイッチングによりタイミングを見計らって売買するという戦略も取ることができます。

スイッチングの多寡で評価する確定拠出年金の投資教育効果

確定拠出年金を導入した企業に対する投資教育の現状をみると、筆者自身非常に危惧していることがあります。それは、「スイッチングをした従業員が多くなるほど投資教育の効果がある」と判断されていることです。

スイッチングとは、現在投資している運用商品から他の運用商品に資産を移すことをいいます。通常、運用先を自分で選ばない場合は定期預金が自動的に選択されます。しかし企業側としては、投資信託などリスク商品に投資してもらわないと、従業員の退職金が想定している金額まで届きません。

そのため、預金だけで運用していると退職金が少なくなってしまうからリスク資産で運用しましょう、という説明になりますし、スイッチングの件数が多くなるほど投資教育の効果あり、と受け取られているのです。

でも、私たち個人投資家とは違い、「投資などしたくない」「元本を割り込むことなど絶対いやだ」と考えている従業員はかなり多いです。

本当は元本割れのリスクを取ってでも投資したいがなかなか踏み切れなかった、という従業員がスイッチングをしたのであれば、それは効果ありと判断してよいでしょう。

しかし、私は絶対元本割れをしたくないと思っている従業員が、「過去のデータからは長期投資をすれば元本割れとはなりません」などというアドバイスを真に受けてリスク商品にスイッチングするケースはかなりあるものと思います。

絶対に減らしたくないのか、多少リスクを取ってでも増やしに行くのかを自分で決める

筆者はここでよく考えていただきたいと思っています。確かに、預金だけで運用していたら、利回りなどほとんどゼロですからもらえる退職金が少なくなってしまうでしょう。しかし、リスク資産に投資した結果大失敗し、預金のみで運用するよりももらえる退職金がはるかに少なくなってしまったらどうでしょうか。

はっきり申し上げて、リスク資産を保有しているだけで資産が増えたバブル崩壊前のインフレ時代とは異なり、デフレ時代の資産運用はかなり難易度が高くなっています。さらに、今や世界中でデフレ気味の状況になっていますから、いくら国内外の資産に分散投資して長期保有しても、資産が目減りしていく可能性も大いにあり得る話です。

生半可な知識や覚悟でリスク資産に投資して失敗するなら、預金だけで運用するのも選択肢として大いに考慮すべきと思います。重要なのは、投資教育を行っているFPなどの話に惑わされることなく、絶対に減らしたくないのか、多少リスクを取ってでも増やしに行くのかを自分の意思で決めることなのです。

筆者は積極的にリスクを取って資産を増やしたいと思うタイプですが、全然増えなくてもよいから、資産を絶対に減らしたくないという選択肢がもっと尊重されてもよいと思うのです。

マイナス金利の中でより高い利回りを求めることの意味

本コラムをご覧の個人投資家の方の多くは、すでに株式投資を積極的に行われているかと思います。そのため、リスク承知で預金や債券の利回りよりはるかに高いリターンを追求されている方が大半でしょう。

しかし世間一般では株式投資に縁がない方や、株式投資は怖いと言って近づかない方も大勢います。そうした株式投資とは無縁の人々が、マイナス金利時代により高い利回りを求めるとどうなってしまうでしょうか。

例えば現に、筆者自身が「この会社の社債を買うなんてリスク高いなあ」と思う企業の社債が、利回り1%程度しかないのに飛ぶように売れています。さらには、金融機関が販売する仕組債を、リスクもよく分からないままに「利回りが5%もある」と飛びついてしまうケースも多々あります。

本コラムをご覧の個人投資家の皆様は、マイナス金利時代に預金や債券といった利回り商品で高利回りを追求することが、どれだけリスクの高い行為なのかよくご存じだと思います。もし、皆様の周りに、単に高利回りかどうかだけで利回り商品を選ぼうとされているご家族・御親戚・ご友人の方がいらっしゃったら、それらの商品に投資することにどのようなリスクがあるのかをご説明してあげてください。

<おしらせ>

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」の2コースから選択することができます。
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 50円(55円)
10万円まで 90円(99円)
20万円まで 105円(115円)
50万円まで 250円(275円)
100万円まで 487円(535円)
150万円まで 582円(640円)
3,000万円まで 921円(1,013円)
3,000万円超 973円(1,070円)
※()内は税込金額

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 90円(99円)
20万円まで 135円(148円)
50万円まで 180円(198円)
50万円超 350円(385円)
※()内は税込金額

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 0円
20万円まで 100円(110円)
50万円まで 238円(261円)
100万円まで 426円(468円)
150万円まで 509円(559円)
3,000万円まで 806円(886円)
3,000万円超 851円(936円)
※()内は税込金額

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,000円(2,200円)
300万円まで 3,000円(3,300円)
以降、100万円増えるごとに1,100円追加。
※()内は税込金額
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

(貸株サービスのみ)

リスクについて
貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」となります。株券等を貸付いただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
(信用貸株のみ)
株券等の貸出設定について
信用貸株において、お客様が代用有価証券として当社に差入れている株券等(但し、当社が信用貸株の対象としていない銘柄は除く)のうち、一部の銘柄に限定して貸出すことができますが、各銘柄につき一部の数量のみに限定することはできませんので、ご注意ください。

(貸株サービス・信用貸株共通)

当社の信用リスク
当社がお客様に引渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」・「信用取引規定兼株券貸借取引取扱規定第2章」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いいたしますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様は取得できません。
投資者保護基金の対象とはなりません
貸付いただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管および投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
手数料等諸費用について
お客様は、株券等を貸付いただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はありません。
配当金等、株主の権利・義務について
貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義等になっており、この期間中において、お客様は株主としての権利義務をすべて喪失します。そのため一定期間株式を所有することで得られる株主提案権等について、貸借期間中はその株式を所有していないこととなりますので、ご注意ください。(但し、信用貸株では貸借期間中の全部又は一部においてお客様名義のままの場合もあり、この場合、お客様は株主としての権利義務の一部又は全部が保持されます。)株式分割等コーポレートアクションが発生した場合、自動的にお客様の口座に対象銘柄を返却することで、株主の権利を獲得します。権利獲得後の貸出設定は、お客様のお取引状況によってお手続きが異なりますのでご注意ください。貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。
株主優待、配当金の情報について
株主優待の情報は、東洋経済新報社から提供されるデータを基にしており、原則として毎月1回の更新となります。更新日から次回更新日までの内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、貸株サービス・信用貸株内における配当金の情報は、TMI(Tokyo Market Information;東京証券取引所)より提供されるデータを基にしており、原則として毎営業日の更新となります。株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がありますので、必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
大量保有報告(短期大量譲渡に伴う変更報告書)の提出について
楽天証券、または楽天証券と共同保有者(金融商品取引法第27条の23第5項)の関係にある楽天証券グループ会社等が、貸株対象銘柄について変更報告書(同法第27条の25第2項)を提出する場合において、当社がお客様からお借りした同銘柄の株券等を同変更報告書提出義務発生日の直近60日間に、お客様に返還させていただいているときは、お客様の氏名、取引株数、契約の種類(株券消費貸借契約である旨)等、同銘柄についての楽天証券の譲渡の相手方、および対価に関する事項を同変更報告書に記載させていただく場合がございますので、予めご了承ください。
税制について
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