今回は前回の続きとして、株価がすでに大きく上昇した銘柄をここから新規買いする際に注意したい点をご説明したいと思います。
第287回 株価が大きく上昇した銘柄の新規買い・筆者ならここに注意する(その1)
株価が長期間に渡り下げ続けた銘柄の底打ちのタイミングを買うのと違い、すでに株価が大きく上昇した銘柄を買う際には、「株価が天井をつけるリスク」を常に意識していなければなりません。そして、株価が天井をつける可能性が高まった時点で、速やかに保有株を売却する必要があります。
株価が天井をつける可能性が高まったサインとして筆者が用いているのは「株価の25日移動平均線割れ」です。25日移動平均線を割り込んだ時点で保有株は利食い売りないしは損切りとします。
もちろん、25日移動平均線を割り込んでもそこから程なく反発して再度上昇に転じることも多くあります。でも、そうなったら再度買い直せばよいだけです。すでに株価が大きく上昇した銘柄は「天井付近を買って高値掴みしてしまうリスク」への対応を最優先すべきです。
もし天井付近を買ってしまい、その後損切りせずに保有を続けた場合、株価が大きく下落して買値の2分の1とか5分の1になってしまうこともあります。そうなると、その後10年、20年かかっても買値に戻らず、塩漬けを余儀なくされてしまかねません。資金効率の面、チャンスが到来したときに投資できる資金の確保という面から考えて、塩漬けだけは何としても避けなければなりません。そのためには損切りが必要なのです。
もし、損切りをしっかりと実行する自信がないのであれば、底値から株価が5倍、10倍と大きく上昇した銘柄への買いはお勧めできません。
日足チャートで株価のトレンドを判断する場合、株価が25日移動平均線より上にあって移動平均線自体も上昇していれば上昇トレンドと判定されます。上昇トレンド中であれば基本的に新規買いが可能です。
ただし、株価が25日移動平均線から大きくかい離した状態で買うことは避けるべきです。もし買った直後に株価が下落し、25日移動平均線割れで損切りとした場合、損失率が大きくなってしまう恐れがあるからです。例えばかい離率が50%にある銘柄を買った直後に株価が反落した場合、損失率が30%以上に達することも十分考えられます。
移動平均線からのかい離率が大きくなるほど、株価が天井をつける可能性も高まりますので、高値掴みの危険性も相当高くなります。そうした面からも、移動平均線からのかい離率が大きい状態で新規買いすることは避けるようにしましょう。
筆者としては損切りの損失率を10%程度までに抑えたいので、移動平均線からのかい離率が10%までの銘柄を買うようにしています。株価が底値から5倍、10倍にも上昇した銘柄であれば、いつ株価が天井をつけてもおかしくありませんからなおのこと注意するようにしています。
筆者が実践・提唱している株価トレンド分析では、株価が下降トレンドの間は買わないのが鉄則です。下降トレンドにある間は、株価がさらに下がり続ける可能性が高いからです。
そして株価が底値から大きく上昇している銘柄の場合は、株価が下降トレンドに突入してしまうと、すでに株価が天井をつけてしまっている可能性があるため、新規買いはさらにリスクの高い行動となります。
好業績が続き、株価が大きく上昇した銘柄が調整すると、例え下降トレンドであっても「買いのチャンス」とばかりに逆張りの買いを入れる個人投資家も多いようです。でも、そのような行動を繰り返していると、いつかは天井を付けた後の株をつかんでしまうことになります。
損切りをしっかり実行するのであれば下降トレンドにある株の買いを実行してもよいですが、損切りの価格設定が難しい(すでに移動平均線を割り込んでいるので移動平均線割れという損切りポイントが設定できない)ため、筆者としてはお勧めできません。
株価が大底をつけて反発すると、まず日足チャートのトレンドが上昇トレンドに転じます。そして株価の上昇が続くと週足チャートも上昇トレンドに転じ、さらに株価が上昇するとやがては月足チャートも上昇トレンドに転じます。
株価が底値から5倍、10倍に上昇した後天井をつける瞬間は、日足・週足・月足のいずれも上昇トレンドとなっています。
しかし株価がひとたび天井をつけると、まず日足チャートが下降トレンドに転換します。株価の下落が続くとその後週足チャートも下降トレンドに、さらに株価が下がればやがては月足チャートまでも下降トレンドに転換してしまいます。
日足チャートでの下降トレンドへの転換は、株価の短期的な調整であっても頻繁におこります。ですから日足チャートが下降トレンドに転換しただけでは、まで天井をつけたかどうかははっきりしません。
しかし、日足にとどまらず週足チャートも下降トレンドに転換した場合、株価は高値からかなり値下がりしています。こうなると、株価が天井をつけた可能性が高まります。
もちろん100%というわけではありませんが、株価が天井をつけた可能性が高いのに、いつまでもその銘柄を追いかけて買うというのは得策ではありません。
株価水準がかなり底上げされている今の株式市場では、いつ株価が大きく下がってもおかしくないという気持ちを持ち、いつ株価が下がってもあわてないようしっかりと対策を立てた上で新規買いを実行するようにしましょう。
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足立武志
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株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」の2コースから選択することができます。
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 0円
20万円まで110円(税込)
50万円まで 261円(税込)
100万円まで 468円(税込)
150万円まで559円(税込)
3,000万円まで 886円(税込)
3,000万円超936円(税込)
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
(貸株サービスのみ)
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