アベノミクス相場が始まってからおよそ2年半、この間8,000円台だった日経平均株価は20,000円を突破し、2倍以上にまで上昇しました。
個別銘柄に目を向ければ、安値から株価が10倍以上になったものもゴロゴロしています。そして、そうした銘柄の中には何年もの間上昇を続けているものも少なくありません。
ただ、株価が買われ続けている銘柄の特徴としてあげられるのは、ROEが高かったり 毎期増収増益を続けているようないわゆる成長株・優良株であるという点です。こうした銘柄を得意とするのは機関投資家などプロの投資家です。個人投資家好みの中低位株や新興市場銘柄は、2013年前半のような勢いはなく、逆にジリジリと値を下げているものも目立ちます。
個人投資家の損益状況を如実に示す指標の1つである信用評価損益率をみると、ここ半年の間はマイナス7%~マイナス10%ほどで推移しており、一時プラス4%まで達した2013年前半とは大違いです。日経平均株価や成長株・優良株の上昇による恩恵を受けている個人投資家はかなり少ないと想定されます。
このような状況のなか、個人投資家として考えられる対策は大きく2つあります。1つ目は2013年前半のような、中低位株や新興市場銘柄が買われる相場が来るまでじっと待ち続ける方法、2つ目は現時点で株価上昇の中心になっている銘柄をあえてここから買っていくという方法です。
このうち1つ目の方法は、もし現在のようなプロ投資家好みの成長株・優良株が買われる相場が今後も続いた場合、今までと同様、日経平均株価は上昇しても自身は全く利益があがらないという状況が継続してしまいます。そのため、筆者は1つ目の方法と2つ目の方法を混合させています。
しかし最近の株価上昇をけん引している銘柄は、すでに株価が安値から大きく上昇しているものばかりです。それでも調整らしい調整をみせず、1年以上株価は上昇を続けているものも数多くあります。こうなると、さらに上昇が続くのか、それとも近いうちに株価が天井をつけて大きく下落するのか、予測することはできません。
ですから例え高成長・好業績といえども、すでに株価が大きく上昇している銘柄へ今から投資する際は、いつ株価が天井をつけてもおかしくないという気持ちを常に持ちながら実行することが重要です。
では具体的に、どのような点に気をつける必要があるでしょうか。筆者が注意している点を以下で1つずつ解説していきます。一言でいえば、「失敗したとしても損失が大きくならないように心がける」ということです。
ファンダメンタル分析の結果、業績に比べて株価が明らかに割高な場合、想定できる理由を一言でいえば「売りの需要より買いの需要が優っている」という点に尽きます。
例えば第284回のコラムでファンダメンタル分析をしたオリエンタルランド(4661)のように、スマートベータ指数の主要な構成銘柄であったことによるパッシブ運用の買い需要や、売り長の状態が続いたことによる信用売りの踏み上げはまさに典型例です。
このような、ファンダメンタルの実態からかけ離れた株価上昇は、「買い需要>売り需要」の関係がひとたび崩れると、たちまち株価は天井をつけ、大きく下がってしまいます。
もちろん、ファンダメンタル分析では株価が割高であっても、何か大きな材料が隠れているために株価が上昇しているのかも知れません。しかしそんな不確実な根拠で、すでに株価が大きく上昇した銘柄を今から新規買いするのはかなりリスクの高い行動です。
株価が上昇トレンドにある限り新規買いをして構わないのは確かです。でも、ファンダメンタルから判断して明らかに割高と思われるタイミングでの買いはできるだけ控えるべきです。
決算発表は、株価のトレンドが変わる転機となりやすいタイミングです。特にこれまで大幅な増収増益を続けてきた銘柄の成長率が鈍化したことが明らかになったり、来期の予想が市場参加者の期待を大きく下回るものであった場合、株価は大きく下落します。
実際、平成27年3月期の決算発表を境に、それまで上昇を続けていた株価が急落するケースも目立っています。
もちろん決算発表により株価が跳ね上がるケースもあり、その場合は決算発表前に買い仕込んでおかないと安く買えません。しかし市場参加者の反応次第で、株価が上下どちらに転ぶか全く予測がつかないのが決算発表です。特に株価が大きく上昇している銘柄は、期待外れの決算発表をきっかけに株価が急落し、天井を形成してしまう可能性もあります。
好業績により株価が大きく上昇している銘柄は、今後も高水準の増収増益が続くという投資家の期待感から「高成長プレミアム」がつき、株価が割高になっていることが多いものです。そうした中で期待外れの決算が発表されるとこのプレミアムが剥げ落ち、一気に株価が半値以下にまで下がってしまうこともあります。
無理に危ない橋を渡るのではなく、株価が乱高下する決算発表というイベントをやり過ごした後で新規買いする方がはるかに賢明です。
これ以外にもいくつか注意すべき点がありますが、残りは次回にご説明します。
本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。
足立武志
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株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。
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