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ゲーム株特集
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ゲーム株特集 ニンテンドー3DS、3Dゲーム、ソーシャルゲームが織り成す新たな流れ

プロフィール紹介

楽天証券経済研究所 アナリスト 今中 能夫

楽天証券経済研究所 アナリスト 今中 能夫

1961年生まれ。1984年に岡三証券においてアナリストとなり、アナリスト歴20年以上。インターネット、ソフトウェア、エンタテインメントを中心にテクノロジー、サービスを幅広くカバー。
企業調査レポートや、毎週発表される前週時点の信用評価損益率を解説。また、決算発表予定銘柄についてもコメントしています。

1.新世代に移行する家庭用ビデオゲーム市場

家庭用テレビゲーム産業は、日本の代表的産業の一つです。世界の3大ハード会社、任天堂、ソニー、マイクロソフトの3社のうち2社が日本の会社です。ゲームで遊ぶときにゲーム専用機を使う家庭用テレビゲームは、最初アメリカで生まれましたが、精緻なビジネスモデルを構築し、世界的な事業に発展させたのは、日本の任天堂です。

表1
最近のゲーム市場:各ハード、ソフトの販売数量前年比、世界市場


出所:VGChartzより楽天証券作成。
注:2010年10-12月期は4週間のみ。

表2 各ハードウェアの累積販売台数

単位:万台


出所:VGChartz、2010年10月23日現在、日本のみ10月24日現在。
注:端数を切り捨てているため合計が合わない場合がある。

この産業は今大きな変化の時期を迎えています。2004年に発売されたニンテンドーDSは、「nintendogs」「脳を鍛える大人のDSトレーニング」などこれまでとは全く違ったジャンルのゲームを大ヒットさせ、世界的なブームを巻き起こしました。また、2006年に発売された任天堂のWiiはスポーツゲームなどの体感型ゲームを定着させることに成功し、「フィットネス」という新しいジャンルも切り開きました。

任天堂だけでなく、ソニー、マイクロソフトもプレイステーション3(PS3)、Xbox360という高性能ゲーム機で新たな市場を切り開きました。Xbox360はトータル性能の良さと海外の有力ソフト会社の開拓が成功したこと、ファーストパーティによる「Halo(ヘイロー)」シリーズというメガヒットを生み出したことで、欧米で高いシェアを獲得しています。PS3はハードウェアの価格の高さがネックとなって普及が遅れていましたが、昨年9月に値下げして以来、ハード、ソフトとも急速に伸びています。

そして、この市場がこれから「世代交代」の時期を迎えようとしています。この市場は、6~7年に一度、ハードウェアが一新されることによって市場が新しくなる世代交代を繰り返すことで、市場規模を拡大してきました。前回は2004年にDSとPSP(ソニーの携帯型ゲーム機)が発売されたときから世代交代が始まりましたが、今回も携帯型ゲームから世代交代が始まります。

グラフ1 家庭用テレビゲーム市場の世代交代図:据置型ハード

単位:万台


出所:各社資料より楽天証券作成、予想は楽天証券

グラフ2 家庭用テレビゲーム市場の世代交代図:携帯型ハード

単位:万台


出所:各社資料より楽天証券作成、予想は楽天証券

2. 「3D」が変えるゲームの世界

1 プレイステーション®3の3Dゲーム

家庭用ゲーム市場における大きなテーマが「3D」と「体感」です。2009年10月に開催されたエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN」において、ソニー、パナソニックなどの大手電機メーカーが一斉に「3D」テレビを発表しました。そして、今年2月から韓国サムスン電子を皮切りに、パナソニック、ソニーなどが欧米と日本で3Dテレビを発売しました。売れ行きは良好で、日本では今期100万台の販売が見込まれています。3Dテレビは今後2~3年で、累計台数が数千万台に達し、先進国、新興国を問わず、中級以上のテレビの主流になると思われます。

3Dテレビが出てきた結果、ゲームの世界にも3Dが入ってきました。3Dはアクションゲーム、シューティングゲームなどで没入感が強く、ユーザーをひきつける新たな材料になりつつあります。3D映像は、見る人の左右の目に対して別々に映像を写し、脳の中で錯覚を起こすため、2D映像に対して2倍の情報量を画面上で映すことになります。そのため、現状ではゲーム、映画を問わず、記録媒体としてはブルーレイディスク(BD)のみになるため、家庭用ゲーム機で3Dゲームが遊べるのはPS3®のみということになります。

既にソニーでは、PS3で3Dゲームを遊ぶためのファームウェアの書き換えを4月から始めました。また、「モーターストーム2」など3Dゲーム4作を、ソニー製3Dテレビを購入した人に限り無償ダウンロードが可能にしています。更に、年内に「グランツーリスモ5」を発売する予定です。初の本格的3Dゲームであり、世界最高峰のレーシングゲームシリーズ最新作です。次いで、2011年中にシューティングゲームの名作「キルゾーン3」を発売します。3Dゲームのラインナップは来年から多くなると思われ、コナミ、カプコンなどのゲームソフト専業大手もPS3向けに3Dゲームの開発に着手しています。据置型ゲーム世界は3D化が進むと思われます。

2 ニンテンドー3DS

携帯型ゲーム機も3D化に向かっています。任天堂は9月26日に開催された任天堂カンファレンスにおいて、現行のニンテンドーDSの後継機「ニンテンドー3DS」を2011年2月26日に日本で発売すると発表しました。3月には欧米とオーストラリアでも発売します。3.8インチの裸眼3D液晶パネルを使っており、専用メガネをかけなくても立体映像が綺麗に見えます。また、立体映像の中の3次元キャラクター(マリオなど)をスライドパッド、モーションセンサー、ジャイロセンサーの3つのインターフェースを使って動かすことが出来ます。スライドパッドで動かすだけでなく、本体を傾けたり方向を変えたりすると、画面の中のキャラクターが動きます。動きも速くレスポンスもよく、グリグリ動くという感じです。

また、通信機能が強化されています。「ドラゴンクエストIX」(2009年7月発売、スクウェア・エニックス)で社会現象を引き起こした「すれちがい通信」(DSの電源を入れたまま持ち運びすると、すれちがった人とマップなどの交換ができる)だけでなく、「いつの間に通信」が装備されました。これは外部からのデータを自動的にダウンロードするものです。ゲームデータやお知らせだけでなく、ファームウェアの書き換えを行うことが検討されています。ソフトの不正コピー防止のためのセキュリティ強化の決め手になると思われます。ちなみに、セキュリティ機能を強化する狙いは、新興国市場の開拓です。任天堂は次の大市場として中国、インド、アセアン、南米、東欧などを狙っているのです。

3DS用ソフトでは、現在任天堂製9作、サードパーティ製66作、計75作が発表されています。任天堂製では「nintendogs+cats」「マリオカート」「どうぶつの森」などの定番ソフトや「新・光神話 パルテナの鏡」のような新作もあります。また、任天堂はDS市場では任天堂製ソフトしか売れないという批判を受けて、サードパーティとの関係強化を打ち出しており、ラインナップも多彩なものになっています。コナミの「プロジェクト ラブプラス」「メタルギアソリッド スネークイーター」、カプコンの「バイオハザード」シリーズ、「スーパーストリートファイターIV」、スクウェア・エニックスの「ドラゴンクエスト」シリーズ、「ファイナルファンタジー」シリーズなど、大手各社が自社の旗艦ソフトシリーズの新作や派生版を投入する予定です。

発売予定時期を見ると、「2011年春」となっているソフトは、任天堂製4作、サードパーティ製28作、計32作です。この通りに発売されるならば、発売直後の数カ月間のラインナップの揃い具合としてはかなり充実したものになるでしょう。

ただし、3DSハードウェアの価格は高いと感じる人もいるようです。会社側の発表によれば、ハードは25,000円で、ソフトはDSソフトの水準と変わらずということです。ハードの25,000円はPS3の29,980円よりは安いものの、Wiiの20,000円よりも高い、「ゲーム機」としては高い設定です。しかし一方で、ニンテンドー3DSは高機能携帯電話やスマートフォンで遊ぶゲーム(ソーシャルゲームなど)と競合することが予想されます。スマートフォンの価格は5~6万円ですから、3DSはその半値です。しかも、通信料はただ(無線LANは無料で提供されます)。ソフトは今のDS並みですから、概ね4,000~6,000円と思われます。後述しますが、ソーシャルゲームと比べると、ハード、ソフト共に実は割安感があるのです。

ニンテンドー3DSの発売後1~2年間は任天堂は3DSの普及に全力を挙げるでしょう。その後(3DS発売後2~3年後)、Wiiの後継機を発売するであろうと予想されます。おそらく3D対応になると思われますが、2~3年後には3Dテレビが日米欧中心に相当数が普及していると思われますので、良いタイミングでWiiの後継機を発売することが出来るでしょう。

3.「体感」コントローラと「3D」は相性がよい

3Dと同様にゲームの世界で話題になっているのが、据置型ゲーム機での「体感」コントローラです。もともと任天堂の「Wiiリモコン」が最初で、「Wiiスポーツ」「Wii Fit」などでより感覚的、体感的な制御ができるようになりました。このWiiリモコンが、欧米でWiiが大ヒットする要因の一つになりました。Wiiリモコンは11月11日発売の「Wiiモーションプラス」を付けることで、より精度の高い制御ができるようになります。

任天堂に続いて今年の秋からソニー、マイクロソフトも体感コントローラを発売します。ソニーは「プレイステーションムーブ」を10月21日に発売しました。対応ソフトはアクション、シューティング、スポーツなど各種のジャンルにまたがっていますが、ムーブは奥行き検知の精度が高く、3Dゲームとの相性が特に良いと言われています。ムーブ対応「キルゾーン3」が来年発売される予定です。
一方、技術の観点から見ると、マイクロソフトの「Kinect(キネクト)」に注目すべきでしょう。キネクトではコントローラーを使わず、テレビの前に置かれたセンサーがプレイヤーの手の動き、体の動きを検知して、ゲームをコントロールします。発売予定日は11月20日で、これも各ジャンルのソフトが発売予定されていますが、私が注目しているのは、コナミの「Dance Evolution」のような音楽、ダンスの分野です。

このように、今後のゲーム市場は携帯型も据置型も刺激が多い展開になりそうです。ファンダメンタルズでは、今が大底と言っていいのではないでしょうか。

4.ソーシャルゲーム

ところで、ゲームの世界で新しい市場ができつつあります。「ソーシャルゲーム」です。携帯電話、スマートフォンやパソコンで遊ぶ無料ゲームで、ゲームの中で使う各種の「アイテム」をお金で買うことができます。この「アイテム課金」がゲーム会社の収益源になります。また、SNSと連動してゲームについて他の登録者とメールでやり取りする「コミュニケーション」がゲームの重要な要素になっています。

日本では、ディー・エヌ・エー(モバゲータウンを運営)とグリーがこの分野の2強です。特にディー・エヌ・エーは2009年10月に配信開始した「怪盗ロワイヤル」が大ヒットし、業績が急上昇しています。グリーも2007年に配信開始した「釣りスタ」などのゲームが長いヒットとなり高水準の業績がつづいています。

実は、ソーシャルゲームのユーザー数は各社が公表していますが(ディー・エヌ・エーは2,167万人、グリーは2,246万人、いずれも9月末)、課金率(ユーザーの中でアイテムを買ってくれる人の比率)、課金単価(アイテムを買ってくれるユーザーが月いくら払っているのか)など、企業価値を測るデータは未公表です。これはアメリカでも同じです。

ただし、新聞雑誌の記事、いくつかの市場調査やブログなどでの関係者の発言を参考にすると、日本の「怪盗ロワイヤル」の課金率は20%以上、「釣りスタ」が20%弱と飛び抜けて高い一方で、ゲームによっては2~3%と低いものも多いようです。課金単価はディー・エヌ・エーのソフト開発会社向けセミナーの資料によれば月間1,500~3,000円が目標ということです。実際には月間数百円から数万円まで幅があるようです。また、日本は携帯電話やスマートフォンで遊ぶのが主流ですが、アメリカではパソコンが主流です。年齢層も日本は20~30代の比率が高くなっていますが、アメリカは日本よりも年齢層が高いようです。ただし、課金単価はアメリカは日本よりもかなり低いと言われています。このように、日本とアメリカのソーシャルゲームの状況は大きく異なるようです。

グラフ3 任天堂、ディー・エヌ・エー、グリーの売上高推移

単位:百万円、四半期ベース


出所:各社資料より楽天証券作成。
任天堂は国内売上高、ディー・エヌ・エー、グリーは全社売上高

また、任天堂カンファレンスにおける資料によれば、DSユーザーとディー・エヌ・エーやグリーなどソーシャルゲームのユーザーには重なりがあります。任天堂の2010年7月調査では、国内のDSユーザーは3678万人、Wiiは2,989万人で、SNS(モバゲータウン、グリーのどちらか一方)は1,493万人です。DSユーザーのうち、DS、ソーシャルゲームの両方を遊ぶ人の割合は21%、年間のDSソフト購入本数はDSのみで遊ぶ人1.7本に対して、両方遊ぶ人は1.9本です。また、グラフ3は、任天堂の国内売上高とディー・エヌ・エー、グリーの売上高の合計を比べて見たものです。これらの数字、グラフを考えると、ソーシャルゲームユーザーの少なからぬ部分がゲーム好きで、DSに飽きた人たちが目新しいソーシャルゲームには移ったと言えなくもないでしょう。アメリカでもその傾向があるかもしれません。

グラフ4 任天堂、ディー・エヌ・エー、グリーの営業利益推移

単位:百万円、四半期ベース


出所:各社資料より楽天証券作成

費用を考えると、ソーシャルゲームは通信料がかかります。アイテムを買うと、通信料を含めて月間5,000~1万円かかります。何カ月も遊べば、家庭用ゲームよりも高くなります。しかも、ゲームの完成度はソーシャルゲームのほうが低いですが、これは、開発費が数百万円から2,000万円程度、開発期間は1~3カ月程度と、家庭用ゲームの10分の1以下だからです(遊んでみればわかります)。

ソーシャルゲームで遊んでいる人たちがこれらの事実に気付けば、ソーシャルゲーム市場は変調する可能性があります。ソーシャルゲームの競争相手は来年からニンテンドー3DSになると思われますが、ニンテンドー3DSが登場した後、持続的に成長することができるかどうか、2011年はソーシャルゲームにとって試練の年になるかもしれません。

5.ゲーム関連企業

まずはゲームハードウェアの任天堂(7974)、ソニー(6758)。また、老舗の家庭用ゲーム会社にも注目したいと思います。スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)、カプコン(9697)、コナミ(9766)の3社です。そして最後はソーシャルゲーム会社のディー・エヌ・エー(2432)とグリー(3632)です。

表3 ゲーム会社の業績推移

単位:百万円、円、倍


出所:各社資料より楽天証券作成、会予は会社予想、楽予は楽天証券予想。グリーの会社予想は下限値。
注1:11月2日までに公表された2011/3期2Q決算を反映している。
注2:ディー・エヌ・エーの2011/3期楽天証券予想は、2Q決算を踏まえた暫定値。

表4 家庭用ゲーム機メーカーの営業利益:四半期ベース

単位:百万円


出所:各社資料より楽天証券作成

任天堂(7974)

任天堂(7974) 上段月足・下段日足

任天堂(7974) 月足
任天堂(7974) 日足

任天堂の今のファンダメンタルズの位置は、DS、Wiiが下降局面入りし、3DSが出る直前で、Wiiの後継機はまだ発表されていないという、世代間の端境期のどん底にあります。加えて円高です。このため業績は振るいませんが、この円高の中で年間2,000億円超の営業利益を稼ぎ出す力を持つ任天堂は、やはりゲームセクターの頂点といってよいと思います。

ソニーと比べると、ソニーは他の部門同様、ゲーム部門も例外なくリストラの対象になりましたが、任天堂はリストラはしていません(営業黒字が続いていますからリストラする必要はありません)。ソフトもハードも開発力も温存し、毎期増強しています。

長期チャートを見ると、今の株価はWiiが発売された2006年11月の株価を下回っています。3DSから始まる新しいサイクルが来年から始まると思われます。この新しいサイクルは、3Dを機軸とし、日米欧の主力3市場で携帯型で1人1台、据置型で1家庭1台を目指すと共に、これまで成しえなかった新興国を目指すものになるでしょう。したがって、今度のサイクルのピークは、任天堂が成功すれば、これまでのサイクルのピークよりも高いものになる可能性があります。長期チャートを見ると、今の位置はまさにその起点に立っている可能性があります。

弱点は円高です。為替に留意する必要はありますが、もし円高が打ち止めになるとすれば、任天堂に注目する必要は一段と高まると思われます。

ソニー(6758)

ソニー(6758) 上段月足・下段日足

ソニー(6758) 月足
ソニー(6758) 日足

ソニーのゲーム部門はようやく黒字転換してきました。PS3のコストダウンが進み、昨年9月の値下げとハードのデザイン変更が成功したため、日米欧で販売台数が上向きました。足元でもPS3のソフトが売れています。2011/3期2Qのゲーム事業の営業利益は130億円と前年同期の410億円の赤字から大幅に改善しました。

今年のクリスマス商戦は、期待の3Dレーシングゲーム「グランツーリスモ5」が年末商戦期に発売される予定です(ただし、「グランツーリスモ5」は当初11月3日の発売予定を「年末商戦期」(おそらく12月)に延期しました。前作「4」の発売(2004年12月28日)から6年も経っています。全社のリストラで力が低下していなければ良いのですが)。

ソニーは3Dの第一人者です。世界で製作、公開されている3D映画の多くはソニー・ピクチャーズエンタテインメントからなんらかの協力を得て製作されたものです。この知験が、3Dテレビや3Dゲームにも生かされています。

長期チャートを見ると、リーマンショック後の業績回復に合わせて株価も立ち直りつつあるように思われます。ソニーも円高が弱点ですが、2Qまでの業績を見る限り、円高の影響はかなり克服されています。2011/3期業績見通しは2Q決算時に上方修正されました。エレクトロニクス、ゲームだけでなく、映画、音楽も含めて、今後の業績が注目されます。

スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)

スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) 上段月足・下段日足

スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) 月足
スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) 日足

「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」の2大RPG(ロールプレイングゲーム)の会社です。「ファイナルファンタジーXIII」(日本は、PS3用は2009年12月発売、Xbox360用は2010年12月発売予定、北米、EUはPS3、Xbox360用とも2010年3月発売)の新ストーリー「ファイナルファンタジーアギトXIII」(PSP用)、「同ベルサスXIII」(PS3用)が来期以降に発売されます。「XIII」の世界観の中で別のストーリーです。また、ニンテンドー3DS向けにも「FFシリーズ」「ドラクエシリーズ」をはじめ多数のソフトを開発中です。海外事業では昨年2月に英国の「EIDOS」(エイドス)社を買収しました。「トゥームレイダー」シリーズで有名な会社で、この買収でスクウェア・エニックスの海外戦略は大きく前進しました。

2011/3期業績は、2010/3期に「ドラゴンクエストIX」「ファイナルファンタジーXIII」が発売された反動で減益の見通しですが、2012/3期はエイドスの寄与と、「アギト」「ベルサス」の寄与で増益が予想されます。

カプコン(9697)

カプコン(9697) 上段月足・下段日足

カプコン(9697) 月足
カプコン(9697) 日足

コアゲーマー向けのアクションゲームに強い会社です。代表作の一つである「バイオハザード」シリーズは映画でも成功したシリーズです。「ストリートファイター」「モンスターハンター」などのシリーズも、ゲーム好きな人なら一度は遊んでみたことのあるゲームでしょう。変わったところでは、モンスターハンターシリーズに登場する「アイルー」という猫に似たキャラクターを使った「モンハン日記ぽかぽかアイルー村」(8月26日発売)というPSP用ソフトが50万本売れています。スクウェア・エニックスの「チョコボ」に匹敵するキャラクターに成長する可能性があります。

2011/3期の業績を見ると、会社側は円高を理由に当初の見通しを若干下方修正しました。ただし、前期が悪かったこともあって増益は維持できると思われます。2012/3期は、3DS用ソフトと、PS3、Xbox360用ソフトが期待されます。「バイオハザード6」(PS3/Xbox360)は2012/3期4Qから2013/3期2Qごろに発売されると予想されます。

なお、カプコンで数々のヒット作を制作した稲船敬二氏が退社することになりました。本人のブログによれば、自分でもっと開発したいということです。業績を危ぶむ向きもあるようですが、カプコンでは過去にもエース級の開発者が辞めたことがありますが、業績には影響しませんでした。次世代の人材が育っていたためと思われます。また、カプコンは来年度から開発とマーケティングを一体運営する組織改革を実施する計画でしたが、稲船氏の退社に伴いこれを11月に前倒しで実施します。今後の業績が注目されます。

コナミ(9766)

コナミ(9766) 上段月足・下段日足

コナミ(9766) 月足
コナミ(9766) 日足

家庭用ゲームソフト、業務用ゲーム機器、カジノマシン、パチスロ機、スポーツセンター(コナミスポーツ)などを幅広く展開する総合エンタテインメント会社です。家庭用ゲームソフトでは、サッカーゲームとして世界的に評価が高い「ウィニングイレブン」シリーズ、毎年コンスタントに売れている「実況パワフルプロ野球」シリーズ、一人称シューティングゲームの名作であり、コナミの代表作でもある「メタルギアソリッド」シリーズなどのラインナップを抱えています。また、アニメ系、恋愛系ゲームに強いことも特徴で、最近ではDS用の「ラブプラス」がヒットしています。「ラブプラス」は3DSにも新作が出る予定です。

2011/3期業績は、家庭用ゲームの回復、健康サービス事業の黒字転換で業績回復が予想されます。来期も堅調が予想されます。

ゲーム専門会社3社の長期チャートを見ると、3社とも、今のゲームセクターが置かれているファンダメンタルズと同じく、現世代から新世代へ移る端境期にあると思われます。任天堂の株価と同様ではないかと思われます。また、これら老舗ゲーム会社がモバゲータウン、グリーなどのソーシャルゲームのプラットフォームに自社ゲームを配信し始めました。今のところ利益の10%以下ですが、ある程度収益に貢献しはじめています。今後が注目されます。

ディー・エヌ・エー(2432) グリー(3632)

ディー・エヌ・エー(2432) 上段月足・下段日足

ディー・エヌ・エー(2432) 月足
ディー・エヌ・エー(2432) 日足

ディー・エヌ・エーもグリーも業績は好調です。特にディー・エヌ・エーは2009年10月に配信開始した「怪盗ロワイヤル」の大ヒットが今も続いており、アイテム課金が業績を大きく押し上げています。この結果、ディー・エヌ・エーの営業利益は2010/3期3Qに52億円だったものが、2010/3期4Q 98億円、2011/3期1Q 120億円、2Q 136億円と急伸しています。来年2月発売のニンテンドー3DSが普及するまで、強力な競争相手が現れる可能性も低いため、よほどユーザーが急に飽きてしまわない限り、2011/3期は好業績が予想されます。楽天証券では2011/3期営業利益を530億円(前年比2.5倍)、EPS208.5円と予想しています(ただし、2Q決算を踏まえた上での暫定値)。

好業績にもかかわらず、ディー・エヌ・エーの株価は9月22日の直近高値2754円(ザラ場)をつけたあと調整しました。背景には、「怪盗ロワイヤル」の好調がいつまで続くのかという不安感があると思われます。そして、10月12日にアメリカのソーシャルゲーム会社「ngmoco(エヌージーモコ)」を買収することが発表された後、下げ足を早め、ザラ場で1,970円(10月27日)まで下げました。

エヌジーモコは1,200万人の登録ユーザー数を擁するソーシャルゲームプラットフォーム「plus+Networks」を運営し、スマートフォン向けゲームも数多く開発している会社です。業績は、2009/12期売上高315万6,000ドル(2億6,800万円)、営業損失1,088万6,000ドル(9億2,500万円)、当期純損失1,088万6,000ドル(9億2,500万円)です(会社公表資料による)。買収に伴い公募しますが、希薄化は最大で5%強なので、売上高が3億円弱の会社を257~342億円で買収するというニュースに市場が驚き、この株価下落が起こったと思われます。

グリー(3632) 上段月足・下段日足

グリー(3632) 月足
グリー(3632) 日足

ただし、エヌジーモコの将来はまだこれからの話です。前述のようにアメリカのソーシャルゲームの課金率、課金単価ともに日本のそれよりもかなり低いと思われます。例えば試算してみますと、エヌジーモコの会員数1,200万人のうち、仮に課金率2%、月間平均課金額を500円とすると、年間売上高は14.4億円になります。お客の関心を引くために年間50作を1作平均1,000万円で作って、広告費を年間5~10億円かけると、利益がほとんど出ないか赤字になってしまいます。このように低い課金率と課金単価が続けば、200億円以上を出す価値は無いことになります。

しかし、もし企業努力で課金率を5%、課金単価を月1,000円にすることが出来るならば、年間売上高は72億円になります。開発費10~20億円、広告費その他経費も10~20億円かけても、営業利益は30億円、純利益は18億円となり、PER20倍としても時価総額は360億円になります。つまりこの投資はペイするということです。これは簡単な試算ですが、エヌジーモコをアメリカ進出の橋頭堡として使う場合でも、日本にコンテンツを持ってくる場合でも、企業努力をする価値はあるということです。もちろん、最大342億円で買収する場合、暖簾代の償却が発生します。買収価額から純資産23億円を引いた額を5年で償却すると想定すると、年間60~65億円の償却負担が発生しますが、今の事業やエヌジーモコによる収益増加の可能性もあります。

また、エヌジーモコにはもう一つ重要な役割があります。現在、エヌジーモコはiPhone、アンドロイドといったスマートフォンのOSを問わず、また、どのアンドロイド端末でも動くゲームを作ることができるマルチデバイスアプリ開発エンジンを開発中です。ディー・エヌ・エーは過去モバゲータウンの海外展開にチャレンジしたことがありますが、海外では携帯電話会社と端末の数が多く、それにいちいちゲームを適合させなければならない煩雑さに直面し、結局うまくいきませんでした。エヌジーモコはこの問題を解決できるゲーム開発エンジンを開発中であり、このことがディー・エヌ・エーが同社の買収を決断するに至った理由の一つです。

もし、今期業績が楽天証券予想に近い数字になるならば、ディー・エヌ・エーの11月2日終値ベースのPERは11倍となります。株価は投資妙味がある水準まで下げた可能性があります。

一方、グリーは堅実経営と言ってよい姿勢です。株価はディー・エヌ・エーと連れ安しました。ただし、業績はディー・エヌ・エーがグリーの2倍以上の規模になっています。ソーシャルゲーム開発会社の囲い込みを両社ともに行っているようですが、グリーにとって有利とはいえない状況でしょう。今後が注目されます。

任天堂、ソニー、ディー・エヌ・エーの詳細は企業調査レポートをご覧ください。ただし、各社とも2011/3期2Q決算発表前のレポートです。ディー・エヌ・エーについてはエヌジーモコ買収の公表前のレポートです。

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