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中国の恩恵を受ける日本企業

中国の恩恵を受ける日本企業

経済成長を続ける中国では、5月に予想来場者数7,000万人とも言われている上海万博の開催が予定されており、さらなる経済への刺激が期待されています。ここでは、経験豊かな2人の専門家が中国の経済動向を概観し、中国の恩恵を受ける日本企業の分析をおこなっております。お客様の投資のヒントとしてお役立てください。

プロフィール紹介

楽天証券経済研究所 アナリスト 今中 能夫

楽天証券経済研究所 アナリスト
今中 能夫

1961年生まれ。1984年に岡三証券においてアナリストとなり、アナリスト歴20年以上。インターネット、ソフトウェア、エンタテインメントを中心にテクノロジー、サービスを幅広くカバーする。

株式会社オフィス出島 代表取締役 出島 昇

株式会社オフィス出島 代表取締役
出島 昇

チャート分析の第一人者で柴田罫線をベースとした相場分析の実践者。株式投資関係の著書多数。

中国経済の概況

まず、中国経済の動きを概観してみたいと思います。表1とグラフ1、2を見れば分かるように、中国経済は高成長が続いており、2009年のGDP(国内総生産)は実質8.7%増となりました。2008年の9.0%増からやや低下したものの、良好なパフォーマンスでした。四半期ベースで見ると、リーマンショック後のスローダウンから急速に回復しています。中国政府が行った50兆円を超える景気刺激策が奏功しました。建設投資や設備投資(総固定資産形成)だけでなく、個人消費も伸びており、内需拡大が進んでいることがわかります。

中国の最大の問題である都市と地方、都市住民と農民の格差問題は解消してはいませんが、都市同様に地方の経済成長が続いているため、好景気が内陸部にも広がっているようです。特に最近は、これまで製造業中心に経済成長を牽引してきた沿海州の賃金水準が上昇したために、生産拠点をより賃金の安い内陸部に移す動きがでています。そのため、出稼ぎ労働者が内陸部の故郷に帰って地元で職に就くケースが増えているということです。政府が行っている農村振興策(家電下郷、汽車下郷など)がこの動きを後押ししています。そして、この動きに合わせて、農村では住宅新築ブームが起きています。内陸部で自立的な経済発展が始まっているようです。

表1 中国の統計

上海万博の経済へのインパクト

このような沿海州、内陸部両方の経済成長によって、景気が良くなってきたところに上海万博が始まります。5月1日からの半年間で7000万人、一説には1億人の入場者が予想されます。海外からの来場者はこのうち5~10%と予想されていますので、5000万人から9000万人以上、全人口の5~7%の人たちが上海に来る事になります。当然、交通費、宿泊費、食事代、上海万博以外の見物代、土産代などで、通常の生活以上の金を使うことになるでしょうから、これは大きな景気刺激が期待できるでしょう。少なくとも、GDPを1~2%押し上げる効果があると思われます。

リーマンショックから完全に回復し、景気が過熱しかけている状況で仮にGDPが1~2%上乗せされることになれば、沿海部中心に盛んになっている土地投機に拍車をかける可能性があります。そこで、上海万博をきっかけに、金融政策が引き締めに転じる可能性があります。既に、土地取引、住宅取引に対する融資規制の強化によって、中国は引き締め気味の金融政策に転換していますが、これが利上げによる金融引き締めと、元の切り上げ等による需要抑制策に(一時的にせよ)転換する可能性があります。

もちろん、中央政府、地方政府の有力者や富裕層で土地投機を積極的に行っている人たちも多いでしょうし、その人たちは引き締めには反対するでしょうから、実際に引き締めに転じるかどうかは分かりません。利上げを行うと海外からの資金流入が加速して、かえってバブルが発生してしまうリスクもあります。従って、現在中国当局が行っているような不動産に対する融資制限と、海外との資本取引の制限などを組み合わせる可能性があります。

ただし、このまま進めば、経済が過熱しすぎてインフレが起こり、地価、株価にバブルが発生する可能性があります(既に発生し始めている可能性もあります)。バブルはいずれ破裂しますが、その場合、少なくとも数年にわたって地価と株価が下がり、経済に多大なマイナスの影響が出るのは日本とアメリカを見れば自明です。特に地価の過熱とバブル発生は、国民の住居と企業の事務所、工場のコストに直結する社会的政治的な問題なだけに厄介です。複雑な状況になっていますが、安定的な経済成長を実現するために中国政府がどう対応するか注目されます。

もっとも、中国政府が引き締めに転じても、景気が腰折れすることは考えにくいと思われます。景気拡大が沿海州の2~3億人から内陸部(中西部)の7億人に波及しつつあること、もともと中国は日本やアメリカに比べ一人当たりの所得が低く、経済成長の「のりしろ」が大きいと考えられるためです。ただし、不動産売買、ビル、マンション建設、高額消費などは金融引き締めの影響を直接受けるため、注意は必要になってきたと思われます。

このレポートでは、今後予想される中国の金融引き締め後も注目される分野に関連する日本企業に焦点を当てたいと思います。特に、電力・原子力、鉄道、自動車、家電・テレビなどに中長期的な視野から注目したいと思います。

表2 名目GDP、一人当たりGDPの国際比較

電力関連-東芝(6502)、日本製鋼所(5631)、古河電気工業(5801)

今中氏

安定的に経済成長を続けるためには、まず電力関連インフラが必要です。電力の確保には、火力、水力、原子力等の発電所、送電・変電設備、石油、石炭、ウランなどの原燃料の確保と発電所までの輸送システムなどが必要になります。GDPを10%成長させようとすれば、通常は発電電力量も10%増やす必要があります。省エネ技術を導入しても、中国内陸部の経済成長が始まると、今まで電気がなかった地域に電気が引かれ、家電製品が使われることになりますので、GDP10%の伸びに対して年率10%以上の発電量の増加が必要になるでしょう。

どのような発電所を建てるかも重要です。中国は石油の純輸入国ですから、バーレル当たり80~90ドル以上の高い原油を継続的に買い続けることには苦痛があると思われます。また石炭を使うと環境汚染の原因になります。そこで、原子力発電が中国でも将来性が大きいと思われます。実際に、中国の原子力発電所の設置計画は他国を大きく上回っています。ただし、原発は安定的に大電力を得ることができる長所がある一方で、建設費用が高く(100~120万kw級で1基3,000~5,000億円)、工事に時間がかかります(4~6年)。逆に言えば、関わる業者は長期間にわたって安定収益を得ることが可能です。

既に、東芝(6502)が中国で4基の原発を受注しています。中国浙江省三門で2基、山東省海陽で2基です。いずれも東芝傘下の米ウェスチングハウスのAP1000という中型原子炉(100~120kw)です。三門の建設期間は、2009年4月~2013年と2010年~2014年、海陽は2010年~2014年、2009年11月~2015年です。東芝では中国の原発需要を50基以上あると見積もっており、AP1000中心に受注拡大を図る方針です。

原子力以外にも、中国では火力、水力などの発電所の建設が活発です。経済成長に合わせて電力を確保しなければならないため、発電所の建設ブームは当面続くと思われます。小型から大型の発電所と発電機を回すタービンを建設、製造できる会社は中国にもあり、上海電気集団、東方電気、ハルビン動力設備の3社です。そこで重要になってくるのは、発電用タービンを作るための素材です。巨大な鋳鍛鋼が必要になりますが、日本製鋼所(5631)がこのような発電所用大型鋳鍛鋼材の世界シェア80%のトップ企業です。特に原発用は日本製鋼所の独壇場で、上述の中国の重電3社は顧客です。「日鋼室蘭(日本製鋼所室蘭製作所)なくして原発は建たない」といわれます。

一方で、国土が広いということは送電ロスが大きいということでもあります。また、火力、水力、原子力の良質安定した電力以外に、太陽電池、風力といった変動の大きな電力が送電網を流れることになると、電力品質の維持、制御が難しくなります。そこで、中国政府は2020年までに4兆元(約50兆円)をかけて全土に効率的な送変電網を敷く計画です。いわゆるスマートグリッドに投資するのです。この場合も日本企業の活躍が期待されます。この分野では、古河電気工業(5801)が、長距離送電を効率的に行う超高圧送電の分野で、中国で実績を挙げています。古河電工は中国の電力ケーブル市場で約21%のトップシェアを得ています。中国に進出している日本企業としては珍しいのですが、100%出資の現地企業を子会社に持っています。

東芝(6502)

東芝(6502)

出島氏

2007年7月24日の1,185円の高値から2008年3月18日の649円まで下落したあと、6月4日の953円まで戻るものの、9月のリーマンショックから暴落となり2009年の2月23日の204円で底打ちとなりました。

3月5日に250円で買転換が出現したあと上向き末広がりの上昇(B)となっています。この上向き末広がり三角形の上昇の中で、10月23日に572円の高値をつけたあと、今年1月15日の547円が戻りとなって2月9日に408円まで下落し2月22日の457円で短期の買転換となって、4月21日に530円まで上昇し一服しているところです。このまま下げれば押し目買い有利となります。

昨年の10月23日の572円からの高値圏のもみあいで、上値を切り下げる直角三角形(C)を形成して煮詰まりつつありますが、上に抜けても2007年7月24日の1185円からの下降トレンド(A)のラインに上値を抑えられる形です。本格的な上昇は、昨年10月23日の572円を終値で抜けてからということになります。

日本製鋼所(5631)

日本製鋼所(5631)

2008年6月6日の2,425円を高値に、9月のリーマンショックから暴落となり、10月28日には448円まで下落して株価は5カ月で1/5となりました。この448円から2009年の1月7日の1,376円まで急反発し、すぐに反落して2月23日には755円の安値をつけました。

それ以降は、755~1,376円の大きなボックス(A)の中で、小さなボックス(終値ベースで968~1,290円)を形成しています。そして、直近では小さなボックス(B)の中で2月12日に999円の安値をつけ、3月18日に1,053円の短期の買転換出現となって4月5日に1,104円まで上昇するものの、全体が調整気味にあるところから上値を追えず4月13日(火)には1,028円まで下げています。その後、4月19日に1,004円で再び売転換が出現しました。

日経平均が大きく調整して、それに連動し2月12日の999円を切ってくると、10月5日の967円に向かうことになります。この水準で止まれば、次は再びボックスの上限への動きとなります。信用買い残の多さが気になるところですので、10月5日の967円を切ってくると、3尊天井をつくっての下放れという形になりますので、大きなボックスの下限に向かうことも考えられます。ボックス相場の下限近辺はリバウンド狙いの買い場と考えられます。

古河電気工業(5801)

古河電気工業(5801)

2006年9月1日の857円、10月27日の881円、2007年2月27日の849円と三尊天井となって3月2日に762円で売転換が出現し急落となりました。この急落が(1)→(2)と下げて、2008年3月17日に302円でいったんの底打ちとなって9月2日の579円まで戻りを試したあと、リーマンショックで再暴落となり10月28日の240円まで下落し、2009年1月7日の473円まで戻して再下落となって2月25日の222円でやっと底打ちとなりました。

チャートの形からは、2008年3月17日の302円、10月28日の240円、2009年2月25日の222円と順次下値を切り下げる三点底(逆三尊)となって、2月25日の222円を底値に上昇トレンド(B)へ移行しています。この上昇トレンドの中で4月5日に507円をつけ、目先の抵抗ゾーン(500~520円)にあたって反落しているところです。

4月9日に2012年度の営業利益500億円を目指す中期経営計画を発表しました。下げたところを買って2008年9月2日の579円目標となります。この579円を終値で抜けると、三点底が確認され、本格的な戻り相場となります。4月5日の507円を高値にもみあっていましたが、4月20日(火)に458円で短期の売転換出現となりました。押し目買いのチャンスとなってきますが、基本的には11月27日の306円から、4月5日の507円までの上昇幅の1/2押し(407円)水準を待つところです。

鉄道関連-川崎重工業(7012)、日立製作所(6501)

今中氏

鉄道も重要です。中国は日本の13倍の国土に13億人が住んでいます。効率的に人と貨物の大量輸送を行うには、高速鉄道を含む鉄道網が不可欠です。
中国では、中国全土を縦横各々4本ずつの路線を敷設する計画が動いています。

即ち縦4本は、

  • 1. 北京-上海
  • 2. 北京-武漢-広州-深セン
  • 3. 北京-瀋陽-ハルビン
  • 4. 上海-杭州-寧波

横4本は、次のようになります。

  • A. 徐州-鄭州-蘭州
  • B. 杭州-南昌-長沙-貴陽-昆明
  • C. 青島-石屋荘-太原
  • D. 南京-武漢-重慶-成都

このような計8本の鉄道敷設を含めて、2020年までに75兆円を投じる計画です。そして、全国の鉄道路線を12万kmにする構想です。
中国では、同じ線路の上に高速鉄道と在来線が走ることになります。高速鉄道の車両は、川崎重工業(7012)、ボンバルディア(カナダ)、シーメンス(ドイツ)、アルストム(フランス)の4社が各々技術供与した車両を使いますが、中核となるのは川崎重工業が技術供与した東北新幹線の「はやて」をベースにした車両です。中国の車両メーカーである中国南車と川重、日立製作所(6501)など日本連合6社が共同で中国向け高速車両を出荷しています。
また、鉄道建設には、信号・列車制御システムや、車両の動力や空調に使う電気品が必要になります。日立は車両から電気品、列車制御システムまでを扱う総合鉄道システムメーカーで、中国の高速鉄道向けに、車両だけでなく、電気品、列車制御システムなどの納入実績があります。中国は世界最大の鉄道市場なので、今後が期待されます。

川崎重工業(7012)

川崎重工業(7012)

出島氏

2007年7月23日の570円の高値から急落となって、3月18日の206円で当面の底打ちとなりました。この前後の動き(B)は柴田罫線で椀型転換の奥義(上向きの椀型にジリジリと丸く下げて、丸く上がれば暴騰という型)といわれ、6月6日の369円まで急上昇となりました。

その後は、リーマンショックから暴落となって10月27日の117円で底打ちとなりました。ここから上昇トレンド(C)を形成しており、この中で2009年2月24日の144円を安値に6月19日の291円まで上昇し、11月20日に198円まで下落して再上昇となり上昇トレンド(D)の動きとなっています。

4月15日(木)に、「ベトナム南北高速鉄道に新幹線方式採用」と伝わると新幹線車両の製造を手がけている川崎は収益拡大に繋がるとの思惑で267円まで買われました。1月14日の高値262円を上に抜きましたので、ここからの押し目は買いとなります。まずは、昨年6月19日の291円を目指す形といえます。

日立製作所(6501)

日立製作所(6501)

日立製作所は、グループの企業数や売上高で総合歴代トップですが、前3月期は大幅赤字で業績低迷が続いてきました。しかし、ここにきて業績再編(日立マクセルなどの完全子会社化の予定など)や不採算部門の改善による収益回復が加速化しています。

今年で創業100年を迎えることもあり、事業の再構築や財務改善を好感し、見直し買いがはいってきています。原発、新エネルギー関連、鉄鋼関連と材料は豊富ですので、30年来の安値水準にあるこの株価は、この水準以下で買って2~3年の長期保有で報われる可能性がある銘柄といえます。

柴田罫線でみると、2006年4月7日の888円、2007年4月23日の947円、2008年8月6日の843円と3山を形成して、2008年3月18日の569円を切って暴落となり、10月28日に393円の安値でいったん反発となって、11月5日の525円まで昇りました。ここから短期の下降トレンド(A)を形成して、2009年2月24日に230円で底打ちとなり、急反発となって5月11日に404円の戻り高値となりました。そして、この5月11日の404円から急反落したあと、戻りを入れながら短期の下降トレンド(A)と同じ角度の下降トレンド(B)を形成しつつ、12月1日の227円で2月24日の230円に対するダブル底に近い形となりました。そして、12月18日に260円で買転換となって下降トレンド(B)を上に抜け、1月26日に329円まで上昇しました。ここから、2月26日の292円まで押し目を入れて、3月10日に312円でろあ買いがでて急上昇となっています。

自動車関連-日産自動車(7201)、トヨタ自動車(7203)、本田技研工業(7267)

今中氏

自動車もブームの只中にあります。中国の新車販売台数は2009年1364万台(前年比45%増)で、アメリカの1043万台(前年比21%減)を抜いて世界最大になりました。今年も続伸し1500~1600万台以上が見込まれています。早期に年間販売台数が2000万台になると思われます。日本の地方やアメリカを見れば分かりますが、中国のように国土が広く、都市と都市との距離が離れている国では、人々の日常生活に自動車が不可欠になってくるでしょう。

2008年までは中国の自動車市場でヒットしていたのは、富裕層や高級官僚が乗る大型車、中型車でした。それが、2009年になると、一般庶民が乗る小型車がランキングの上位に並ぶようになりました。ただし、中国は一般大衆が車に乗り始めてからまだ日が浅い国です。今は所得が低い場合はBYDや吉利などの民族系自動車会社の安い車、所得が高くなるに連れて上海汽車などの国策会社の(海外ブランドを含む)高い車と、単純に階層分けされているようです。

エコカーも農村部で電動車が走っていますが、今のところ燃費のよさから電気自動車やハイブリッドカーが好まれるということはありません。中国の自動車保有台数は09年末7620万台で、人口に対する普及率は5.7%です。日本で60%近く、アメリカは80%以上なので、中国は普及率が低くすぎて、何が「良い」車なのかというコンセンサスは定まっていないと思われます。今後何年もかけて、どの程度の燃費が良い燃費なのか、燃費が良く壊れにくい車はどれなのか、購入する人のステイタスに相応しい車とはどういう車なのか等々について、ユーザーの評価が積み重なっていくでしょう。

なお、最近の動きを見ると、自動車取得税の減税幅が1月から縮小した小型車で、値引き販売が行われるようになってきたと報じられています。メーカーの強気の生産と現場の販売動向にギャップが出てきていると考えられます。また、自動車は高額商品なので、販売動向は金融引き締めの影響を受けやすいと思われます。中国の自動車市場は中長期的には成長すると思われますが、短期的には注意が必要な局面かもしれません。

日本企業では、日産自動車(7201)が中国で積極的に事業展開してきました。トヨタ自動車(7203)本田技研工業(7267)が沿海部での販路構築にとどまっているのに対して、日産は沿海部だけでなく、内陸部まで販路を構築してきました。また、日産の合弁相手は東風汽車集団のみなので、東風系列の販売店で全車種を扱う効率的な販売網が構築できました。これに対して、トヨタは第一と広州、ホンダは東風と広州と各々2社と合弁会社を作っており、日産に比べると、非効率なのは否めません。また、トヨタ、ホンダとも、日本でのハイブリッドカーがうまく展開していたため、敢えて積極的に中国に出ようとしなかったのも確かです。それが、伸び率の差になって表れています。

ただし今後は、日産が1500cc級の「マーチ」を投入し、中国メーカーとの競争に備えるのに対し、トヨタは中国に開発拠点を置く方針です。ホンダは「理念」という新ブランドを計画しています。日本の大手3社とも各々の戦略で世界最大の自動車市場に臨もうとしています。

日産自動車(7201)

日産自動車(7201)

出島氏

2007年11月1日の1,388円の高値から下降トレンド(A)を形成し、この中で、2008年3月18日の786円でいったん下落が止まり、6月6日の998円まで上昇となりました。しかし、8月11日の881円の戻り高値をつけたあとリーマンショックから暴落となり、12月4日に290円をつけて反発するものの2009年1月7日に385円まで反発したあと、下向きの先細三角形の保ち合いを形成し、煮詰まってきたところで2月9日に261円で底打ちとなり、三角保ち合いと下降トレンド(A)を上に抜けて急角度の上昇トレンド(C)を形成し、6月12日に630円の高値をつけました。

ここから、日経平均の大幅調整に連動して7月13日に507円まで下落し、8月4日に735円の高値更新となったあと、上昇トレンド(D)を形成して現在に至っています。この上昇トレンド(D)の中で3月4日の692円の安値から、3月12日に764円で短期の買転換が出現し、4月6日に845円の年初来高値となって調整気味となっています。

ここからは押し目買い有利であり、3月4日の692円から4月6日の845円まで上げ幅の1/2押し(769円)以下を待つところです。当面は、上値は2008年8月11日の881円が1つのポイントとなります。4月19日(月)に776円まで下げて、4月21日(水)は811円というようにもみあっていますが、776円を終値で切ってくると短期の売転換となりますので、押し目買いのタイミングと考えられます。

トヨタ自動車(7203)

トヨタ自動車(7203)

2008年2月20日の6,400円と6月18日の5,680円を結ぶ下降ラインの中で、この年の9月のリーマンショックから暴落となって12月8日の2,585円で底打ちとなりました。ここから大底圏でのもみあいとなって2009年1月20日の2,750円、3月12日の2,790円と順次下値を切り上げる三点底(逆三尊)となって、3月13日に2,940円で買転換が出現し、上放れとなって5月7日の4,080円まで上昇しました。ここから日経平均の大幅調整に連動して、7月13日の3,380円まで下落して反発に転じ、8月10日に4,190円となって高値を更新しました。その後8月17日に4,010円で売転換となり、円高基調となったことで11月27日の3,290円まで下落し、12月3日に3,760円で買転換がでて、今年1月21日に4,235円と昨年来高値更新となりました。

ところが、アメリカでリコール問題が起きて急落となり、2月4日に3,195円まで下落となりました。為替の円安と日経平均の上昇にもかかわらず上昇力が弱く、4月6日の3,830円をつけたあと4月8日に短期の売転換となっています。チャートの動きとしては、緩やかな上昇トレンド(B)の中で3,140~4,250円のボックス相場の動きとなっています。

押し目は買えますが、上値は4,000円からは重いといえます。4月8日(木)に3,690円で売転換の出現のあと、為替の円高や、再びリコール問題もあって徐々に下値を切り下げています。押し目は、大きな幅の上昇トレンド(B)の下値斜線接近(3,300円台)を待つところです。

本田技研工業(7267)

本田技研工業(7267)

2007年11月1日の4,400円の高値からの下降トレンド(A)の中で、2008年3月18日に2,610円でいったん下げ止まり6月6日の3,910円まで戻すものの、9月8日の3,730円を戻りの2番天井にしてリーマンショックで暴落となり、12月8日の1,643円で底打ちとなりました。

ここから上昇トレンド(B)を形成していましたが、2009年3月13日に2,220円で買転換が出現し、上昇トレンド(B)を上に抜けて5月7日に3,070円まで上昇しました。その反動で、7月9日に2,300円まで下落したものの、すぐに反発し8月10日の3,230円となって高値更新となりました。ここから再び調整となりましたが、10月5日の2,590円、11月27日の2,645円と2点底をつけて反発となり、2007年11月1日の4,400円からの下降トレンド(A)を上に抜けて、今年の1月15日には3,410円とリーマンショックの起こる前の水準に近づいてきました。2月1日の2,951円まで押し目を入れたあと、4月6日に3,405円まで上昇し、その後為替が円高にふれていることで、4/19(月)には3180円で ろあ売という法則が出現し、下値を試す動きとなりました。

3,000円水準は押し目買いのポイントとなりますが、2月1日の2,951円を切ると1/15の3410円、4月6日の3,405円とダブル天井が確定しますので、その場合はもう少し差が出ることになります。

家電、テレビ関連-ソニー(6758)、シャープ(6753)、パナソニック(6752)

今中氏

所得が増えれば、どのような国でも人々は家電製品を買うようになります。洗濯機、冷蔵庫、掃除機、電子レンジ、そしてテレビです。

特にテレビは様々な情報を受け取る手段であるとともに、エンタテインメントの面からも重要な家電製品です。所得が増えるにつれ、安い小型テレビから高い大画面の薄型テレビに映っていくのは、どの国でも同じです。

中国では2007年までは日本製テレビが大きなシェアを持っていました。しかし、2008年からハイセンス、スカイワースなどの地場メーカーが安さと品質の向上によって、シェアを大きく上げてきました。2009年から始まった家電下郷がこの動きを後押ししました。

ただし、足元では再び日本メーカーが盛り返しています。昨年12月から今年1月にかけてソニー(6758)シャープ(6753)が中国市場攻略用の新機種を発売したところ大ヒットしました。ソニーは台数シェアでこそ下位ですが、金額シェアでは1月に10位だったものが、3月には5位に上昇しました。シャープは1月に金額シェアで1位、3月も3位と上位を維持しています。ソニーの場合は、台湾で調達した液晶パネルを中国の委託先で組み立てるODM(OEMは開発を発注元が行い、製造だけOEM先が行いますが、ODMでは開発から製造までを委託先が行います)で生産しています。中国の価格水準にあったやり方で成功しました。

今後は中国市場も順次3D化していくと思われますが、その場合、日本メーカー、特にソニーにとって有利になると思われます。これは3Dテレビ本体だけでなく、3Dテレビに必要なブルーレイディスクプレイヤーのような周辺機器から、映画、音楽などの3Dコンテンツまで、3Dに関するバリューチェーンの全ても持っているのは世界でソニーだけだからです。中国でのソニーの動きが注目されます。

ソニー(6758)

ソニー(6758)

出島氏

2007年5月22日の7,190円から下降トレンド(A)を形成し、2008年6月2日の5,560円の戻り高値のあとリーマンショックで暴落となって10月28日の1,766円でいったん底打ちとなり、11月5日の2,580円まで反発しました。ここから、下向きの先細三角形を形成していましたが、2009年2月24日の1,491円を安値に3月3日に1,734円で買転換が出現し、下向き先細三角形を上放れし、6月8日に2,800円まで上昇しました。

その後は、2,265円~2,780円のボックス圏(C)をつくりました。そして、12月1日に2,250円の安値をつけて、12月3日に2,475円で買転換が出現し、ボックス(C)を上に抜け、更に2007年5月22日の7,190円からの下降トレンド(A)を上に抜け、3月23日には3,645円の昨年来高値更新となりました。

4月8日に3,405円で短期の売転換となりましたので、押し目は買い有利となります。12月1日の2,250円から、3月23日の3,645円までの1/3押し(3,180円)、1/2押し(2,948円)が買ポイントですが、基本は1/2押し水準を待つところです。2011年3月期は金融、映画好調で、利益急浮上の予想。

シャープ(6753)

シャープ(6753)

2007年2月22日の2,335円、4月9日の2,445円、6月18日の2,415円と三尊天井となって11月22日の1,690円まで下落し、ここから2008年2月26日の2,150円まで反発しました。ここからすぐに下落となって、5月20日に1,910円まで戻るものの9月のリーマンショックで暴落となり11月21日の554円で底打ちとなりました。

2009年1月7日に897円まで反発したあと左上を直角とする下値切り上げの直角三角形の保ち合いとなり、煮詰まって上放れとなって2009年4月21日に1,146円の高値をつけました。ここから、7月13日の854円まで下げて上昇トレンド(B)を形成して現在に至っています。

4月5日の1,253円を高値に小さな三角保ち合いのような動きになっていますが、4月12日の1,185円を下に切ると下放れとなりますので、押し目買いのチャンスとなります。1月15日と4月5日につけた1,253円を終値で抜けると、上放れとなって1,400円を目指す動きとなってきます。

パナソニック(6752)

パナソニック(6752)

2007年10月22日の1,965円を安値に12月7日の2,359円まで上昇しボックス相場(A)となったあと、ボックスを上に抜け2008年5月7日の2,510円まで上昇するものの、8月6日の2,380円を戻り高値にリーマンショックで暴落となり、下降トレンド(B)を形成し、2008年12月17日の1,000円で底打ちとなりました。

その後、2009年2月24日に1,016円をつけて、ダブル底となって反発し3月7日に1,510円まで上昇したあと7月13日の1,175円まで下落し、再上昇となって8月4日に1,541円をつけました。これがダブル天井のような形となって大きく下落し、11月27日には1,062円と年初来安値に接近しました。ここから反発となって上昇し、1月15日には1,585円と昨年8月4日の1,541円を抜いて高値更新となるものの、1,600円水準は大きなフシとなっており、すぐに反落となって2月26日の1,228円まで下落しました。

現在は、3月8日に1,307円でろあ買いとなって4月5日に1,480円まであって押し目を入れています。下値、上値も徐々に切り上げていますが、大きくは1,000~1,600円のボックス内の動きとなっています。1,600円を超えると2008年11月5日の1,740円を目指す動きとなります。ここを抜けると戻り相場となってくると考えられます。

建設機械関連-コマツ(6301)、日立建機(6305)

コマツ(6301)

コマツ(6301)

出島氏

2007年7月20日の3,990円、10月15日の4,090円とダブル天井に近い形となって2008年1月22日の2,175円まで大幅下落となり、ここからいったん6月5日の3,440円まで戻すものの、このあとリーマンショックから暴落となり、10月28日には702円と5カ月弱で1/5の株価となりました。

ここを底値に11月5日の1,320円まで戻したあと、柴田法則でいう「椀型天底転換の奥義」という法則が出現しました。これは、「基本的な動きが、上向きの椀型にジリジリと丸く下げて、丸く上がれば暴騰」という法則です。10月28日の702円で底打ちしたあと、11月5日の1,320円まで反発し、そのあとは丸く下げて丸く上げ、2009年5月7日に1,346円の終値で11月5日の1,320円を上に抜きましたので、法則が成立し買転換となりました。ここから、6月15日の1,621円まで上昇したあと、日経平均の急落につれ安して7月13日に1,286円まで下落し、その後は上昇トレンド(C)を形成して、今年の1月12日に2,099円まで上昇しました。ここをピークに2月9日に1,685円まで下げて、戻りを試す形となり4月6日に2,023円まで戻して下落となっています。

その後、中国での不動産市場の抑制強化から上海市場が急落し、中国関連銘柄であるコマツは4月19日(月)に1,876円で短期の売転換出現となりました。下げても昨年11月27日の1,605円と今年の2月9日の1,685円を結ぶライン(D)が下値抵抗ラインとなるところです。

日立建機(6305)

日立建機(6305)

2007年10月18日の5,010円からの下降トレンドの中で、2008年6月6日に3,830円の戻り高値をつけたあと、リーマンショックによる暴落で10月28日に735円で底打ちとなりました。

ここから、11月5日の1,381円まで急反発したあと三角保ち合い(B)を形成しつつありましたが、この中で2009年1月26日に838円の安値をつけて、2月26日に1,133円で買転換が出現し、上向きの末広がり三角形(C)を形成して、現在に至っています。この末広がり三角形の中で今年の1月12日に2,577円の昨年来高値を更新し、1月19日に2,456円で売転換となって、2月9日の1,769円まで下落しました。ここから、3月5日に1,989円で短期の買転換となって反発し、4月6日の2,360円まで上昇し、ここを目先の戻りのピークに反落となって大きく下げてきています。

1,900円台は、リバウンド狙いの買い場の1つですが、もし2月9日の1,769円を下に切るようなことになれば、三尊天井となりますので、この銘柄の相場はいったんの終りを意味します。

水関連-酉島製作所(6363)

酉島製作所(6363)

酉島製作所(6363)

出島氏

2007年11月20日の1,132円の安値から上向き先細三角形の保ち合いとなって、煮つまってきたところで2008年5月30日の1,848円で買法則が出現して上放れとなりました。上放れて上昇したあと、6月19日の2,360円、7月31日の2,505円、9月8日の2,380円と三尊天井を形成して、9月10日に2,145円で売転換が出現し、リーマンショックが起こって暴落となりました。

2008年の12月8日の723円、2009年1月30日の777円と2点底を打って上昇トレンド(B)を形成し現在に至っています。この中で、2009年6月9日の1,547円まで上昇したあと7月13日の1,210円まで調整し、ここから大きな上昇となって今年の1月6日の2,205円で当面のピークとなりました。この高値水準で12月16日の2,155円、1月6日の2,205円、2月4日の2,149円と小さな三尊天井となって3月24日の1,815円まで下落し、そこから4月12日に1,984円で短期の売転換が出現しています。

このまま上昇すれば1月6日の2,205円を試す動きとなりますが、1,937円を切って下落し3月24日の1,815円を終値で切ってくると、上昇トレンド(B)を下に切って調整が長引くことになります。4月20日(火)は1,894円で売転換となりましたので、3月24日の1,815円を守れるかどうかに注目となります。中途半端な買いはリスクがありますので、7月13日の1,210円から1月6日の2,205円までの上昇幅の1/2押し(1,708円)以下を待ってみるところです。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。

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