8月も半ばを過ぎ、国内企業の決算発表シーズンが一段落しました。決算発表といえば、企業にとどまらず、投資家にとっても一大イベントになります。発表を受けて株価が大きく動く可能性があるためです。決算発表や経済指標など、注目イベントのタイミングをねらって取引を行うことを「イベント・ドリブン」と呼んだりしますが、比較的短期間の相場変動を取引機会とするため、リクツの上では信用取引向きの手法とも言えます。
とはいえ、こうしたイベント・ドリブンの取引で収益を上げるのは意外と難しかったりします。好決算だったのに株価が下落してしまったり、イマイチな決算内容にもかかわらず株価が上昇してしまうなど、発表後の株価の反応が読み切れない場面に遭遇することはよくあります。
その理由として、業績予想の見通し記事がメディアに登場したり、アナリストレポートなどによって、イベント前の時点である程度の予測が立ち、それを先取る格好ですでに相場が変動しているケースが多いためです。あらかじめ好決算が予想され、実際の内容がほぼ予想通りであれば、「材料出尽くし」で売られやすくなりますし、予想を上回るものであれば、さらに買われて株価が上昇することもあり得ます。反対に、冴えない決算予測を織り込んですでに株価が下がっていれば、実際の内容が予想以上の悪化でない限り、買い戻しが入りやすくなります。
決算発表というイベント・ドリブンで成功するには、イベント発生の瞬間や直後だけではなく、その前段階の予測動向や相場の動きにも目を配る必要があるほか、何より、決算内容は蓋を開けてみないとわからないこと、また、冒頭でも触れましたが、イベント・ドリブンの参加者は短期勝負の投資家が多く、仕掛け時や手仕舞い時には、素早い判断と経験値が必要な面があります。
逆を言えば、決算発表前と直後は短期筋の思惑などで思わぬ株価変動が起こりやすいものの、それらが一巡した後は決算内容や業績見通しの冷静な分析と評価が行われ、行き過ぎた株価が修正される可能性が高いとも言えます。そのため、敢えてイベント・ドリブンを外して、株価が修正されるタイミングをねらって取引するのもひとつの手です。信用取引では、騰がり過ぎの銘柄を売り建てる、下がり過ぎの銘柄を買い建てることが考えられます。
また、多くの企業は第1四半期決算の発表を終えたところですが、この時期に売上高の通期予想を引き上げた銘柄は、その後の株価が上昇しやすい傾向があるという相場の経験則があります。ここでのポイントは、企業による調整が一定の範囲で可能な利益ではなく、企業活動の規模が素直に反映される売上高が注目されていることです。こうした銘柄をチェックするのも悪くないかもしれません。
本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。
土信田雅之
信用取引入門講座
信用取引という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。ただし、その割には意外と「近くて遠い」存在であるのも事実です。このシリーズでは、「そもそも信用取引とは何なの?」という初歩の初歩から、一歩進んだ活用法までを毎回テーマを決めて解説していきます。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。
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