株式市場で利益を得るための取引手法は多種多様です。
例えば、企業の価値(バリュー)が、株式市場での株価(プライス)と比べて割安な銘柄を探して買って、ひたすら上昇するのを待つとか、あまり企業の中身は見ずに、日々の値動きの中で取引を繰り返して利益を積み重ねていくなど、「三者三様」、「十人十色」といった言葉の通り、それこそ投資家の数だけ投資手法が存在するとっても過言ではありません。
これまでにも紹介してきたように、信用取引には約3倍のレバレッジをかけられる、売り建てを利用して相場の下落局面でも利益が狙える反面、返済期日(制度信用取引の場合)や、金利などが発生するなどの「時間とコスト」の制約があります。確かに、「信用取引を始めたいが、初心者なのでまずは少額から・・・」というのは王道ではありますが、大事なのは、信用取引が単なる現物株取引の延長線上にあるわけではない事と、自分の投資スタイルを把握することです。
割安銘柄を拾ってじっくり保有するスタイルの投資家が、現物取引と同じように信用取引で買い建てをしても、なかなか思ったように株価が上がらずに、返済期限が近づいてしまうことはよくありますし、また、ズルズルと建玉を保有しても、建玉を保有する時間が長いほど金利などのコストが積み重なっていきます。そうなると、コストに見合う以上の株価上昇が見込めないと不利になってしまいます。そのため、信用取引は基本的に短期投資向けと言え、逆に、短期的な取引を志向する投資家にとっては、信用取引との相性は比較的良いと言えます。
とはいえ、企業価値重視のじっくり取引派が信用取引を活用できないかというと、必ずしもそうとは言い切れません。じっくり取引派にとっては、「いかに安く買うか」がポイントとなります。2016年の株式市場は続落でスタートしましたが、こうした相場の下落局面は買い場を探るタイミングでもあります。
いわゆる「押し目買い」と呼ばれるものですが、下げ渋ったところで買いを入れても、目論見通りに株価が反発して戻り基調を辿るかもしれませんし、再び下落し始めてしまうかもしれません。そんな判断に迷った時に、現物取引ではなく、信用取引の買い建てを活用するわけです。
ひとまず中長期的な下落トレンド局面での短期的なリバウンド(反発)をねらうものですが、別に現物取引で行っても良い気がします。ただし、信用取引は取引したい金額の30%の保証金で行うことができるため、残った現金で他の割安銘柄があれば、それを買うことができるなどの余裕が生まれます。あくまでも様子見のための「打診買い」ですので、取引の選択肢を多く用意しておくことは重要です。また、予想以上に株価が本格回復した場合には、相場のトレンドが下落から上昇に転じたことになりますので、コストが積み重なる信用建玉を現引で現物株に変えてじっくり保有することも可能になります。
本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。
土信田雅之
信用取引入門講座
信用取引という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。ただし、その割には意外と「近くて遠い」存在であるのも事実です。このシリーズでは、「そもそも信用取引とは何なの?」という初歩の初歩から、一歩進んだ活用法までを毎回テーマを決めて解説していきます。
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。
〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。
〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)
〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)
超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。
かぶミニ®(単元未満株の店頭取引)は、当社が自己で直接の相手方となり市場外で売買を成立させます。そのため、取引価格は買付時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を上乗せした価格、売却時には基準価格に一定のスプレッド(差額)を差し引いた価格となります(1円未満の端数がある場合、買付時は整数値に切り上げ、売却時は切り捨て)。なお、適用されるスプレッドは当社ウェブサイトにて開示していますが、相場環境の急変等により変動する場合があります。
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