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足立武志「知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識」一覧へ

2015年6月25日

第291回 トヨタ自動車の種類株式を「個人投資家目線」で検証する

先日、トヨタ自動車の株主総会にて、これまでにないタイプの種類株式の発行が可決されました。これについて、機関投資家の立場、既存株主の立場から否定的な意見も少なくないようです。しかし、私たちは個人投資家です。そこで今回のコラムは、個人投資家目線でこの種類株式について検証してみたいと思います。

最大の特徴はトヨタ自動車が「元本保証」してくれること!

まず、今回発行される種類株式の特徴につき簡単に説明しておきます。この種類株式は、「AA型種類株式」という名称がつけられ、何といっても最大の特徴はトヨタ自動車が「元本保証」をしてくれるという点です。具体的には、発行から5年経過後に、株主が請求すれば発行価格でトヨタ自動車が株を買い取ってくれるのです。

それ以外に、次のような特徴があります。

  • 発行は100株単位で、発行予定額5,000億円、発行株数は3,000万~5,000万株。
  • 配当金は1年目0.5%、2年目1.0%というように5年目までは年0.5%ずつ増加。5年目以降は2.5%で固定。
  • 5年間は原則として売却できない。
  • 5年経過後、普通株式に転換できる。
  • 5年経過後は、毎年4月にトヨタ自動車自身が株主から発行価格で買い戻せる。
  • 発行価格は、価格決定日(7/2~7/7)の終値の1.26倍~1.3倍。
  • 配当金は総合課税(ただし少額の場合は20.42%の源泉徴収のみで可)。
  • NISA口座や特定口座への組み入れ不可。

バブル期に流行した「転換社債」と似たような仕組み

筆者は、これらの特徴をみて頭に思い浮かんだのは、「転換社債と同じような感じだな」ということです。

今から25年ほど前のバブル期、上場企業の資金調達手段の中心的存在となっていたのが「転換社債」です。転換社債は、いわば株式と普通社債のいいとこ取りのようなもので、投資家から非常に人気を集めました。

転換社債は、社債として発行されますが、それを株式に転換することのできる権利がついているというものです。

もし転換社債を保有していて、その会社の株価が上昇して転換価格(転換社債を株式に換えるときの価格)を上回ったなら、転換社債を株式に転換して市場で売却することでキャピタルゲインを得ることができます。

逆に、転換社債を取得後その会社の株価が下落してしまっても、社債の満期まで持ち続ければ利息と元本を受け取ることができます。

このように、転換社債は、発行会社の株価が下がってもよし、上がればなおよし、というものだったのです。

このトヨタ自動車の種類株式も、株価が下がっていてもそのまま保有を続ければ配当金を受け取れますし、5年経過後は元本で買い取ってくれます。株価が上昇すれば普通株式に転換した上で売却すればキャピタルゲインを得ることができます。

転換社債と違うのは、「受け取るのは利息ではなく配当金であること」、「株主総会の議決権があること」、「非上場のため5年間は売却できないこと」「5年経過後にはトヨタ自動車自身が株主から買い取りができる」といったものです。

なお、会社が倒産した場合は、株主より社債権者への弁済の方が優先されるため、倒産リスクという点でみると、転換社債より種類株式の方が高くなります。

トヨタ自動車の種類株式は個人投資家にとって魅力的なものか?

では、トヨタ自動車の種類株式が個人投資家にとって魅力的なものであるかを検討してみましょう。

他のサイトでは、この種類株式を買うのであれば、トヨタ自動車の普通株式を買う方が有利だ、という意見が多いようです。それには筆者も同感します。筆者のように、投資元本割れのリスクは承知で、できるだけ高いリターンを目指すタイプの投資家であれば、わざわざ種類株式を買わずとも、普通株式を買えばよいのです。種類株式では、今後業績が伸びても配当金が2.5%で頭打ちになり、株価が1.26倍~1.3倍以上にならないとキャピタルゲインも期待できないのですから当然です。

でも、個人投資家の中には、「元本割れは避けたいが、できるだけ高い利回りの商品に投資したい」という方は非常に多いと思います。そうした方にとって、種類株式を普通株式と比較したところで意味はありません。この種類株式は転換社債のような性格を持っていますから、他の債券と比較して魅力的な投資対象かどうかを判断すべきです。

そこで、今回のトヨタ自動車の種類株式を、個人向け国債、そして個人投資家に大人気のソフトバンク社債と比べてみたいと思います。

トヨタ自動車の種類株式は他の社債や日本国債に比べると明らかに有利な条件

まず、債券への投資で重要なのは将来にデフォルト(債務不履行)、つまり元本や利息が支払われなくなるリスクがどの程度あるかを示している「格付け」です。

スタンダード&プアーズの格付けでは、ソフトバンクは「BB+」であり、投資不適格、いわゆる「ジャンク債」の扱いとなっています。トヨタ自動車と日本国債はともに「AA-」です。「AA-」の格付けは日本国内ではトップクラスの財務安全性を意味します。

この点を考慮して利回りを比較すると、6月18日に発行されたソフトバンク株式会社第47回無担保社債は、期間5年で、利率は1.36%です。対してトヨタ自動車の種類株式の配当利回りは、5年間のトータルを平均すると1.5%になります。なんと、国内トップクラスの財務安全性を誇るトヨタ自動車の種類株式は、格付けがトヨタ自動車よりも低い会社の社債よりも利回りが高いのです。

また、6月に発行された個人向け国債(固定5年・第50回)の利率は0.08%でした。日本国債と同じ格付けのトヨタ自動車の種類株式の5年平均利回り1.5%に比べて、スズメの涙ほどの利回りにしかなりません。

このように、トヨタ自動車の種類株式は、格付けが同じ国債の利回りよりはるかに高く、格付けがはるかに低い社債の利回りよりも高いということが分かります。

ですから、筆者の感想としては、トヨタ自動車が今後5年間で経営危機に陥るようなことがないという前提で考えれば、他の会社の社債や日本国債に比べると、明らかに非常に好条件であるといえます。発行価格は総額で5,000億円とのことですが、おそらく人気が殺到するのではないでしょうか。

今回のトヨタ自動車の種類株式は、個人投資家がリスク商品へ投資しやすくする環境を整備するための実験的な要素も強いように思えます。だからこそ、こんなにも好条件になっているのでしょう。今後も各社から様々なタイプの種類株式が登場し、個人投資家に様々な選択肢ができてくれることを期待したいと思います。

ご案内

本日6月25日、拙著最新刊「株を買うなら最低限知っておきたい 株価チャートの教科書」がダイヤモンド社より発売されました。
これは既刊の「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書」の姉妹版です。筆者が株の買い時、売り時のタイミングを具体的どのように判断しているかが分かる内容です。
「ファンダメンタル投資の教科書」「株価チャートの教科書」を携えていただければ、株式投資は鬼に金棒であると自負しております。是非ご一読下さい。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

足立武志

知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識

株式投資がうまくいかない、という個人投資家の皆様へ。実践をベースにした「すぐに役立つ真の基礎知識」は、お客様の株式投資戦略に新たなヒントを提供。負けない、失敗しないためにはどのように行動すべきか、これから「株式投資」を始めようと考えている方、必見です。

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国内株式のリスクと費用について

■国内株式 国内ETF/ETN 上場新株予約権証券(ライツ)

【株式等のお取引にかかるリスク】

株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。

レバレッジ型、インバース型ETF及びETNのお取引にあたっての留意点

上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNの価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。
  • 上記の理由から、レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
  • レバレッジ型、インバース型のETF及びETNは、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクが存在する場合があります。詳しくは別途銘柄ごとに作成された資料等でご確認いただく、またはコールセンターにてお尋ねください。

※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

【信用取引にかかるリスク】

信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」の2コースから選択することができます。
〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。
〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 0円
20万円まで110円(税込)
50万円まで 261円(税込)
100万円まで 468円(税込)
150万円まで559円(税込)
3,000万円まで 886円(税込)
3,000万円超936円(税込)

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、上記いずれのコースかに関わらず、1回のお取引ごとにオペレーター取次ぎによる手数料(最大で4,950円(税込))を頂戴いたします。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引には、上記の売買手数料の他にも各種費用がかかります。詳しくは取引説明書等をご確認ください。
  • 信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の保証金率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただき、委託保証金へ振替えていただくか、建玉を決済していただく必要があります。
    レバレッジ型ETF等の一部の銘柄の場合や市場区分、市場の状況等により、30%を上回る委託保証金が必要な場合がありますので、ご注意ください。

【貸株サービス・信用貸株にかかるリスクおよび費用】

(貸株サービスのみ)

リスクについて
貸株サービスの利用に当社とお客様が締結する契約は「消費貸借契約」となります。株券等を貸付いただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。
(信用貸株のみ)
株券等の貸出設定について
信用貸株において、お客様が代用有価証券として当社に差入れている株券等(但し、当社が信用貸株の対象としていない銘柄は除く)のうち、一部の銘柄に限定して貸出すことができますが、各銘柄につき一部の数量のみに限定することはできませんので、ご注意ください。

(貸株サービス・信用貸株共通)

当社の信用リスク
当社がお客様に引渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」・「信用取引規定兼株券貸借取引取扱規定第2章」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いいたしますが、履行期日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様は取得できません。
投資者保護基金の対象とはなりません
貸付いただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管および投資者保護基金による保護の対象とはなりません。
手数料等諸費用について
お客様は、株券等を貸付いただくにあたり、取引手数料等の費用をお支払いいただく必要はありません。
配当金等、株主の権利・義務について
貸借期間中、株券等は楽天証券名義又は第三者名義等になっており、この期間中において、お客様は株主としての権利義務をすべて喪失します。そのため一定期間株式を所有することで得られる株主提案権等について、貸借期間中はその株式を所有していないこととなりますので、ご注意ください。(但し、信用貸株では貸借期間中の全部又は一部においてお客様名義のままの場合もあり、この場合、お客様は株主としての権利義務の一部又は全部が保持されます。)株式分割等コーポレートアクションが発生した場合、自動的にお客様の口座に対象銘柄を返却することで、株主の権利を獲得します。権利獲得後の貸出設定は、お客様のお取引状況によってお手続きが異なりますのでご注意ください。貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金については、発行会社より配当の支払いがあった後所定の期日に、所得税相当額を差し引いた配当金相当額が楽天証券からお客様へ支払われます。
株主優待、配当金の情報について
株主優待の情報は、東洋経済新報社から提供されるデータを基にしており、原則として毎月1回の更新となります。更新日から次回更新日までの内容変更、売買単位の変更、分割による株数の変動には対応しておりません。また、貸株サービス・信用貸株内における配当金の情報は、TMI(Tokyo Market Information;東京証券取引所)より提供されるデータを基にしており、原則として毎営業日の更新となります。株主優待・配当金は各企業の判断で廃止・変更になる場合がありますので、必ず当該企業のホームページ等で内容をご確認ください。
大量保有報告(短期大量譲渡に伴う変更報告書)の提出について
楽天証券、または楽天証券と共同保有者(金融商品取引法第27条の23第5項)の関係にある楽天証券グループ会社等が、貸株対象銘柄について変更報告書(同法第27条の25第2項)を提出する場合において、当社がお客様からお借りした同銘柄の株券等を同変更報告書提出義務発生日の直近60日間に、お客様に返還させていただいているときは、お客様の氏名、取引株数、契約の種類(株券消費貸借契約である旨)等、同銘柄についての楽天証券の譲渡の相手方、および対価に関する事項を同変更報告書に記載させていただく場合がございますので、予めご了承ください。
税制について
株券貸借取引で支払われる貸借料及び貸借期間中に権利確定日が到来した場合の配当金相当額は、お客様が個人の場合、一般に雑所得又は事業所得として、総合課税の対象となります。なお、配当金相当額は、配当所得そのものではないため、配当控除は受けられません。また、お客様が法人の場合、一般に法人税に係る所得の計算上、益金の額に算入されます。税制は、お客様によりお取り扱いが異なる場合がありますので、詳しくは、税務署又は税理士等の専門家にご確認ください。

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