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2014年6月26日

第240回 信用残高からみえてくる「浮かぶ株」「沈む株」(その2)個別銘柄の事例研究編

「株価下落」+「信用買い残高増加」のパターンが需給悪化の典型例

今回は、前回の続きとして、個別銘柄の事例研究をおこないます。いくつかの個別銘柄につき、最近の株価の動きと、信用残高の推移をみてみることにしましょう。

まず、今年に入り株価が急騰したものの、その後一転して急落した日本マイクロニクス(6871)です。日本マイクロニクスの株価は今年2月25日に13,870円の高値をつけましたがそこから大きく下落し、5月1日には2,787円の安値をつけました。わずか2か月で高値から80%も下がってしまったのです。

では、信用残高の推移をみてみましょう。株価が動意づいたのは昨年11月中旬ですが、その際に信用買い残高がそれまでの2倍以上に膨らみ、その後も信用買い残高は増加傾向を続けていました。

このことから、高値掴みしてしまった個人投資家が株価下落局面でナンピン買いを繰り返したり、高値からの下落率からみて近々株価が反発すると考えた投資家の逆張り買いが生じた結果、株価下落に伴い信用買い残高も増加していったと判断できます。このような、「株価下落」+「信用買い残高増加」というパターンが、需給悪化の典型例です。

なお、日本マイクロニクス株は5月下旬以降株価が大きく反発していますが、信用買い残高は5月16日をピークに減少に転じています。6月13日時点ではピーク時より31%減少しています。実需の現物買いにより、信用買いの返済による売り圧力が吸収されている可能性があります。

信用買い残高が高水準だからといって、株価の大幅な上昇が全く期待できないわけではありません。大量の現物買いなど、実需の発生により信用買い残高の整理が進めば、株価は大きく上昇することもあります。信用残高の推移には目を離せません。

日本マイクロニクス(6871)の株価チャート

信用残高の推移(抜粋)  日本マイクロニクス(6871)

日付 売残 買残 信用倍率
2013年11月15日 0 661,400 0
2013年11月22日 4,600 1,413,900 307.37
2014年2月14日 91,300 1,706,100 18.69
2014年4月4日 50,500 2,077,400 41.14
2014年5月16日 78,800 2,248,000 28.53
2014年5月23日 80,900 2,002,400 24.75
2014年6月6日 73,200 1,676,100 22.9
2014年6月13日 69,500 1,548,400 22.28

信用売り残高の増加は目先のリバウンドが近いことを示唆していた?

次にリブセンス(6054)をみてみましょう。以前のコラムでも取り上げましたが、昨年夏に高値をつけてからは株価が大きく下落し、特に今年に入ってからは一貫して下落を続けていました。

信用買い残高をみると、昨年11月以降、明らかに増加傾向にあることが分かります。11月1日時点で288,400株だった信用買い残高は、5月23日時点では1,472,600株と約5倍に増加しました。

この間、株価は大きく下落していますから、株価の大幅下落による値ごろ感からの逆張り買いや、信用取引のナンピン買いが大量に生じていたであろうことが容易に想像できます。こうなるとなかなか株価の反転は期待できなくなってしまいます。

しかし一方で注目したいのが、今年2月以降は信用売り残高も増加しているという点です。1月31日現在46,300株だったのが、5月23日現在は728,100株まで増加しています。信用倍率も約2倍まで低下しました。

このように、株価下落とともに信用売り残高が積み上がってくると、株価は底打ちして反発する可能性が高まります。実際、リブセンス株は5月21日の安値633円を底に反発に転じています。

信用売り残高が増加傾向にあることに気づけば、リバウンド近し、と判断して、信用売りを深追いせずに利益確定することもできますし、少なくとも底値付近で新規空売りをしてしまうことは避けられるはずです。

なお、リブセンス株は5月21日の底打ち後、信用買い残高、信用売り残高とも急速に増加し、6月6日時点では信用倍率が1倍まで低下しました。リバウンド狙いの買いとリバウンド終了を見越した売りとががっぷり四つにぶつかっている状況です。もし信用売り残高が今後も増加して信用倍率がさらに低下するようですと、空売りの踏み上げによる意外高もあるかもしれません。

リブセンス(6054)の株価チャート

信用残高の推移(抜粋)  リブセンス(6054)

日付 売残 買残 信用倍率
2013年11月8日 44,600 301,200 6.75
2014年1月31日 46,300 662,000 14.3
2014年2月28日 463,300 1,025,600 2.21
2014年5月23日 728,100 1,472,600 2.02
2014年5月30日 1,142,600 1,776,400 1.55
2014年6月6日 3,260,600 3,315,200 1.02
2014年6月13日 2,694,800 2,814,600 1.04

信用買いの整理が進んだ銘柄は株価の値運びが軽くなる

次に、株価指数が軟調だったころから株価の上昇が続いている銘柄の信用残高の推移をみて、何か特徴がないか探してみることにしましょう。

まずは安藤ハザマ(1719)です。最近の株価は着実に上昇を続け、6月20日には610円の高値をつけました。

信用買い残高をみてみると、売買高を伴って上昇した昨年11月前後に急増し、昨年12月13日時点では17,342,200株にまで達しました。ただ、株価は一旦調整したものの、信用買い残高がその後増えることなく順調に減少していったことから、調整は浅く済みました。その後も信用買い残高の減少は進み、4月以降は再び高値追いの状況になっています。4月以降は信用売り残高が増加したことで、ネットの信用買い残高はゼロに近い水準にまで減少、信用倍率も昨年12月のピーク時の16.89倍から、今年6月6日には1.11倍にまで低下しています。

このように、信用買い残高の整理が進んだ銘柄の株価は、需給面からみて上昇しやすいのです。信用買い残高減少の背景には、やはり実需の現物買いの可能性が考えられます。信用買いの返済売りを、現物買いが吸収していったことで、信用買いが現物買いに置き換わったのです。現物買いは信用買いと違って返済期限はありませんから、信用買いより格段に売り圧力が弱まることになります。

安藤ハザマ(1719)の株価チャート

信用残高の推移(抜粋)  安藤ハザマ(1719)

日付 売残 買残 信用倍率
2013年10月18日 1,136,000 11,400,200 10.04
2013年11月1日 1,734,100 16,158,700 9.32
2013年12月13日 1,056,200 17,342,200 16.42
2014年1月31日 1,255,400 10,202,100 8.13
2014年2月28日 1,004,600 7,255,300 7.22
2014年4月11日 1,276,000 4,740,700 3.72
2014年5月23日 1,722,300 2,633,300 1.53
2014年6月6日 2,220,600 2,474,700 1.11
2014年6月13日 2,292,500 2,567,400 1.12

「売り長」の銘柄は株価が上昇しやすい

最後はクラリオン(6796)です。今年の3月下旬以降順調に株価が上昇しています。3月下旬以降の信用残高をみると、買い残高は3月21日現在の7,674,000株から5月23日時点では3,824,000株とほぼ半減しています。一方、売り残高は3月21日時点で1,695,000株だったのが5月23日時点では4,931,000株と約3倍に増加しています。この結果、信用売り残高が信用買い残高を上回る「売り長」の状態になりました。3月21日時点で5.17倍だった信用倍率も、5月23日時点では0.78倍まで低下しました。

また、昨年9月からの信用買い残高の推移をみると、買い残高自体がずっと減少傾向にあることが分かります。もともと信用買い残高の減少により需給が改善してきたところに、信用売り残高の増加が生じて信用倍率が1倍を切る「売り長」の状態になったことで、上昇にはずみがついたことが読み取れます。

株価上昇とともに買い残高が減少する一方で売り残高が増加して「売り長」の状態になると、ネットで将来の買い需要が生じることになります。売り方による株価の踏み上げで上昇が加速することが期待できますし、そうでなくとも株価が下がりにくくなるという効果があります。

ただし、直近は信用買い残高が増加傾向にあり、信用倍率も1倍を超えてきています。株価が上昇を続けている分には問題ありませんが、信用買い残高の増加が続いているにもかかわらず株価の上昇が止まってしまった場合は、その後の株価の動きに注意が必要です。

クラリオン(6796)の株価チャート

信用残高の推移(抜粋)  クラリオン(6796)

日付 売残 買残 信用倍率
2013年9月6日 5,135,000 13,890,000 2.7
2013年12月20日 4,556,000 10,109,000 2.22
2014年3月21日 1,485,000 7,674,000 5.17
2014年5月23日 4,931,000 3,824,000 0.78
2014年6月6日 5,165,000 5,574,000 1.08
2014年6月13日 5,396,000 6,802,000 1.26

信用残高に目を向けると、違った切り口から個別銘柄の株価が下がり続ける、もしくは上がり続ける理由が見えてきて面白いと思いませんか?

これまで信用残高を気にしたことがなかった方も、今後は時々チェックしてみてはいかがでしょうか。

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足立武志

知って納得!株式投資で負けないための実践的基礎知識

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上場有価証券等のうち、レバレッジ型、インバース型のETF及びETN(※)のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。

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※「上場有価証券等」には、特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の上昇率・下落率に連動し1日に一度価額が算出される上場投資信託(以下「ETF」といいます。)及び指数連動証券(以下、「ETN」といいます。)が含まれ、ETF及びETNの中には、原指数の日々の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じて算出された数値を対象指数とするものがあります。このうち、倍率が+(プラス)1を超えるものを「レバレッジ型」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「インバース型」といいます。

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信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。

【株式等のお取引にかかる費用】

国内株式の委託手数料は「ゼロコース」「超割コース」「いちにち定額コース」の3コースから選択することができます。

〔ゼロコース(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSOR(スマート・オーダー・ルーティング(※1))注文 のご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)
ゼロコースをご利用される場合には、当社のSORやRクロス(※2)の内容を十分ご理解のうえでその利用に同意いただく必要があります。
※1 SORとは、複数市場から指定条件に従って最良の市場を選択し、注文を執行する形態の注文です。
※2 「Rクロス」は、楽天証券が提供する社内取引システム(ダークプール(※3))です。
※3 ダークプールとは、証券会社が投資家同士の売買注文を付け合わせ、対当する注文があれば金融商品取引所の立会外市場(ToSTNeT)に発注を行い約定させるシステムをいいます。

〔ゼロコース(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。
但し、原則として当社が指定するSORのご利用が必須となります。(当社が指定する取引ツールや注文形態で発注する場合を除きます。)

〔超割コース(現物取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
5万円まで 55円(税込)
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 115円(税込)
50万円まで 275円(税込)
100万円まで535円(税込)
150万円まで640円(税込)
3,000万円まで1,013円(税込)
3,000万円超 1,070円(税込)

〔超割コース(信用取引)〕
1回のお取引金額で手数料が決まります。
取引金額 取引手数料
10万円まで 99円(税込)
20万円まで 148円(税込)
50万円まで 198円(税込)
50万円超 385円(税込)

超割コース大口優遇の判定条件を達成すると、以下の優遇手数料が適用されます。大口優遇は一度条件を達成すると、3ヶ月間適用になります。詳しくは当社ウェブページをご参照ください。

〔超割コース 大口優遇(現物取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔超割コース 大口優遇(信用取引)〕
約定金額にかかわらず取引手数料は0円です。

〔いちにち定額コース〕
1日の取引金額合計(現物取引と信用取引合計)で手数料が決まります。
1日の取引金額合計 取引手数料
100万円まで0円
200万円まで 2,200円(税込)
300万円まで 3,300円(税込)
以降、100万円増えるごとに1,100円(税込)追加。
※1日の取引金額合計は、前営業日の夜間取引と当日の日中取引を合算して計算いたします。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定する銘柄の手数料は0円です。これらのお取引は、いちにち定額コースの取引金額合計に含まれません。

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