中国のニューエコノミー企業の新動向

現在の中国において注目すべき大きな流れは、国有企業がリードするオールドエコノミーから民間企業のイノベーションがリードするニューエコノミーへと変遷しているということです。
現在の中国では、アリババやテンセントのほかにも新しい技術を活用し新しいサービスを提供するユニコーン企業が数多く誕生しています。

この特集では、製造業、自動車、金融、三つの分野において、最近注目されているニューエコノミー企業を紹介していきます。

製造業

中国はこれまでの「製造大国」から「製造強国」にするという目標を掲げ、“中国版インダストリー4.0”といわれる「中国製造2025」の産業政策を2015年に打ち出してきました。

従来の中国の製造業は安価で豊富な労働力を使って、海外企業の下請けや受託生産を大量に行い、全世界の経済を支えてきました。しかし、「Made In China」の製品は値段は安いものの品質はなかなか信頼されない、また類似品が多く独自性のあるハイレベルな製品が少ないなど、あまり良い評価が得られてきませんでした。鍵となる重要部品は海外から輸入しなければならず、近年では人件費も高騰してきており、製造業の成長力は鈍くなっています。

一方、ニューエコノミー関連の製造業に関しては、クラウドサービス、ビッグデータ、インターネット、人工知能などの新しい技術を活用し、イノベーションを創出することで、付加価値の高い製品を次々と生み出しています。その結果、中国のニューエコノミー企業は高いスピードで業績を伸ばしています。

ここでは、そのような製造業の代表企業を2つご紹介します。

シャオミ(小米)(HK:01810)

中国の大手スマートフォンメーカーで、「中国のアップル」と言われるほど中国で人気を集めています。2010年に創立して以来、スマホの販売台数は2016年が5,542万台、2017年は9,141万台と急速に伸ばしており、スマホ市場で圧倒的な存在感を示す米アップルや韓国サムスン電子を脅かす存在となりつつあります。製品はスマホだけではなく、携帯周辺機器、IoT家電、日用品など様々なものを製造しており、シャオミの製品でエコシステムを構築しようとしています。海外では、東南アジア、南アジア、ブラジル、ヨーロッパにも進出しており、特にインドでは高い市場シェアを獲得しています。

AACテクノロジーズ(瑞声科技控股)(HK:02018)

主にスマートフォンなどに使われるスピーカーなどの音響部品を製造している精密機器メーカーです。米アップルの主要サプライヤーです。高い粗利益率が特徴で、2017年の粗利益率は41.3%でした。アップルに部品を供給している全世界のサプライヤーの中でもトップ水準の利益率という点で注目を集めいています。中核事業の音響部品が好調なことに加え、振動でものを触った際の感覚を再現するハプティクス(触覚技術)やRF(高周波)を使った各種機器の設計・製造を行っているハプティクス・RF機器部門も急速に成長しており、同部門の17年の売上は前年度より51%の増収となりました。

自動車

2017年の全世界の自動車販売台数は9,680万台、そのうち中国の販売台数は2,912万台で世界トップとなりました。(グローバルノートのデータより)。また、2017年中国で販売された中古自動車は1,240万台で、そのうち約16.7%がインターネットから購入されていました(BDRのデータより)。

しかし、この巨大な自動車市場における自動車ローンの利用率は僅か30%(2016年)ほどで、2021年末に60%までに上昇すると予想されていますが、米国の80%と比べると、中国の自動車金融市場はまだまだ伸びしろが大きいと言えます。

ここでは代表企業を1つご紹介致します。

イーシン・グループ(易キン集団有限公司)(HK:02858)

オンラインで新車・中古車の販売仲介を手掛ける中国国内大手企業です。消費者と自動車メーカー、ディーラー、金融機関、保険会社などを結ぶアプリやウェブサイトを展開しており、オンライン上で自動車販売の仲介を行うだけでなく、そのサイト内で自動車ローンや自動車保険の審査なども同時に行うことができる点で強みを持っています。2017年の自動車販売やその他関連取引の件数は49万件で、自動車販売のオンライン・プラットフォーム事業の売上高は前年比354%増の9.64億元、自動車金融事業は131%増の29.42億元と急速に業績を伸ばしています。

フィンテック

中国はフィンテックの先進国として注目を集めています。

ここでは代表企業である中国平安保険集団とその傘下企業をご紹介致します。

ピンアン・インシュランス(中国平安保険集団)(HK:02318)

中国で保険、銀行、投資事業を柱に金融サービスを幅広く手掛ける大手金融グループです。中国平安保険集団は従来型の金融機関ですが、新しいフィンテック企業へ積極的に投資を行っています。アリババやテンセントと共に、中国のフィンテック業界をけん引しています。最近では個人の間の融資仲介プラットフォームを提供するルファクス(陸金所)(未上場)及びピンアン・ヘルスケア・アンド・テクノロジー(HK:01833)へ出資を行い、平安保険集団の傘下としました。

ジョンアン・オンライン・ピーアンドシー・インシュアランス
(衆安在線財産保険)(HK:06060)

中国初のネット専業保険会社。ビッグデータ、AI、クラウドなど先進IT技術を活用することで、顧客管理、リスク分析、マーケティング、契約から保険金支払いまでのプロセスなど、保険に関わる一連の業務効率を改善しました。2013年にアリババ、テンセント、中国平安保険が出資して設立しました。2017年の顧客数は4.32億人と、設立から4年で大きく拡大しました。2017年9月に香港市場で初のフィンテック銘柄として上場、調達額は115億香港ドル(約1,600億円)でした。

健康保険、車険、旅行保険はもちろん、ペット保険、ドローン保険、スマホスクリーン保険、 子供の迷子保険、タイヤ保険などユニークな保険も沢山ラインナップしています。スマホスクリーン保険では自社研究開発の画像認識とマシーンラーニング技術を使い、スクリーンが壊れたかどうかを判断します。また、旅行保険と健康保険には、賠償をもらうための資料提供も全てネットでの手続きで完結します。データ処理のスピードにおいても他社と一線を画しており、毎日2000万件もの取引を処理しています。

この特集に取り上げられた銘柄(楽天証券取扱い済み)の一覧

現地
コード
上場
市場
銘柄名 業種
01810 香港 シャオミ(小米集団) 電気・電子機器
(総合電機)
02018 香港 AACテクノロジーズ(瑞声科技控股) 精密機器
02858 香港 イーシン・グループ(易キン集団有限公司) 金融・保険業
(その他)
02318 香港 ピンアン・インシュランス(中国平安保険集団) 金融・保険業
(その他)
06060 香港 ジョンアン・オンライン・ピーアンドシー・インシュアランス
(衆安在線財産保険股フン有限公司)
金融・保険業
(その他)
01833 香港  ピンアン・ヘルスケア・アンド・テクノロジー
(平安健康医療科技有限公司)
サービス業
(ソフトウェア・情報処理)

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