第八話 「途中のリスク」と「最後のリスク」

「途中のリスク」と「最後のリスク」

では少し照れるが今日も始めますか。投資信託の仕事で32年目の僕が、父親の最後のアドバイスとして結婚した娘とその夫2人にこんな話ができるのは、まぁありがたいことだよね。

●「直線をあきらめて、曲線を受け入れる」のが資産運用

前回は株式100%の投資信託にすればいいよ、って話をした。なぜそんな決めつけを、責任も取れないくせに言うのか。それを今日は話してみたいと思う。

2人にはぜひリスクを「途中のリスク」と「最後のリスク」の2つに分けて考える、という理解を持ってほしい。これは、確か僕が日興アセットに転職した直後くらいに思いついたものなんだけど、それ以来、実は資産運用で一番大事な考え方なんじゃないかと思ってて、あちこちで言いふらしている自分史上最大級の自画自賛ワードなんだよね(笑)。

まず、この絵を見て。

投資信託の基準価額でもいいし、その中身である株式の値動きでもいいんだけど、とにかく資産運用って、この絵の通りに曲線なんだよ。当たり前じゃんと思うかもしれないけどさ。

本当は直線がいいよね。直線ってつまり預貯金だよね。スタートからゴールまで直線で推移するからノーストレス、下に曲がることはないということは、元本割れはない。最高ですよ。

でも今の預貯金金利はメチャ低いから、この絵みたいな角度の直線のはずは絶対なくって、地を這うほぼ真っ平の線になるわけ。

それが嫌だから、それでは将来を描くことができないから僕や君たちはこの「直線の世界」を捨てるわけだ。直線にこだわっていたら未来は無いから、嫌だけど曲線を選ぶわけ。自らの目的のために「直線をあきらめて、曲線を受け入れ」ているわけ。これが、リスクのあるもので資産を運用することの本質なんだと思う。

曲線を使って遊ぶのが好きな人もいますよ。曲線の振幅が大きいとギャンブル的な売買には確かに面白いだろうね。ギャンブルって言うと悪く聞こえちゃうけど、趣味としての投資と考えれば全然悪いことじゃない。でも僕らはそういう目的ではないわけだ。している「ゲームの種類」が違うわけだ。

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