信用取引を行うにあたってのご注意

目次

折りたたむ

保証金余裕額

保証金余裕額とは、新規に建玉を建てるときに充当することができる保証金の余裕額です。
おおむね次の考え方に基づいて算出されます。

保証金余裕額は、受入保証金合計(代用有価証券を含む)から必要保証金合計を差し引いて算出されます。自動振替(米国株)の新規発注時の自動振替機能を利用している場合は、受入保証金合計に預り金(米ドル・円)の残高を加算して算出します。なお、受入保証金合計額が、30万円相当額(当社が指定する計算方法により算出)を下回っている場合は、保証金余裕額は算出されますが、新規建てはできません。

信用新規建余力(保証金余裕額÷50%)の範囲内で取引ができます。

増担保規制銘柄

増担保規制銘柄を新規建てする際は、次の点にご注意ください。

自動振替(米国株)

自動振替機能(米国株)を設定していただくと、以下の振替処理が自動的に行われます。

その他、以下の場合には、当社で自動的に振替処理を行います。

また、信用建玉の決済により損失が発生し、受渡日の前営業日13:30の時点で、受渡日当日の預り金(米ドル)と米国株式信用取引の保証金現金(米ドル)の合計額が決済損金に満たなく、かつ、保証金現金(円)に残高がある場合は、同日の14:00に約定する定時為替取引で保証金現金(円)を保証金現金(米ドル)に交換します。
なお、充当される金額は、保証金現金から預り金への振替限度額が上限となります。

新規買建(成行)・新規売建(指値・成行)の余力計算方法

  1. 信用新規買建注文(成行)または信用新規売建注文(指値・成行)を行う際は、発注する時間帯によって以下の計算式で概算の約定代金を算出して、必要な保証金を拘束します。

    • 8:00~18:00(サマータイム期間中は17:00):米国市場の直近の営業日の終値×1.1×株数
    • 18:00~23:30(サマータイム期間中は17:00~22:30):気配値×1.1×株数
    • 取引時間中:現在値×1.03×株数

    また、8:00~23:15(サマータイム期間中は22:15)までに受注した注文については、23:15(サマータイム期間中は22:15)時点の気配値が注文時に参照した株価または気配値から5%以上上昇している場合、保証金の再計算を行います。その結果、外国株式信用取引口座における余力(保証金)が不足した場合、①に該当する全ての注文は取り消されます。

  2. 信用新規買建注文(指値)は以下の計算式で概算の約定代金を算出して、必要な保証金を拘束します。なお、23:15(サマータイム期間中は22:15)時点で保証金の再計算は行ないません。

    • 8:00~18:00(サマータイム期間中は17:00):指値価格×株数
    • 18:00~23:30(サマータイム期間中は17:00~22:30):指値価格×株数
    • 取引時間中:指値価格×株数

現物買付可能額(現引余力)

米国株式信用取引口座をお持ちのお客様の現物買付可能額(現引余力)は、預り金(米ドル・円)、及び設定中の米ドルMMFの2営業日目以降の最小値となります。発注の際は、決済通貨(円または米ドル及び設定中の米ドルMMF)をご選択いただきます。

「期間指定」の注文の制限

以下のご注文については、「期間指定」でご注文いただけません。

  成行 指値
現物 不可
信用 新規買 不可
新規売 不可 不可

また、「期間指定」注文の繰越処理において、米国株式信用取引の委託保証金率が50%または最低委託保証金額(30万円相当額。当社が指定する計算方法により算出)を下回った場合、「新規建注文」の「期間指定」注文を取消させていただきます(自動振替(米国株)を設定されている場合、預り金(米ドル・円)から米国株式信用取引口座の保証金へ自動振替が行われます)。
委託保証金率が50%、ならびに最低委託保証金額(30万円相当額。当社が指定する計算方法により算出)を下回ると、新規に発注いただけません。

信用期日が設定された場合の通知について

米国株式信用取引の弁済期限は原則として無期限ですが、コーポレートアクション等により信用期日が設定される場合があります。
信用期日のご連絡については、ログイン後の建玉一覧画面上に最終返済日(信用期日の前営業日)を表示するとともに、信用期日の30営業日前、7営業日前、2営業日前に電子メール、ログイン後の「お知らせ」画面にて通知します。

なお、コーポレートアクション(株式併合等)が急遽発生することがあり、その場合は上記のとおり通知されないことがあります。

株式分割の際の信用建玉の取扱い

分割比率が整数倍(1:2や1:3など)の場合 【例1】~【例3】

分割比率に応じて建株数が増加し、建単価も調整されます。

【例1】 分割比率が整数倍(1:2や1:3など)で、建単価を分割比率で除した額が整数の場合

銘柄Aは米国現地4月25日を権利付最終売買日(権利落日4月26日)として 1:2の分割を行いました。仮に、銘柄Aを分割前に100米ドルで1株建てている場合、 分割後の建玉数は、新株1株が増加し合計2株となります。
建単価は分割比率に応じて計算し、旧株・新株とも、100米ドル ÷ 2 = 50米ドルになります。

権利付最終日(4月25日)時点

建玉一覧 建玉数量 建単価 現地約定日 建日(国内約定日) 信用期日
A銘柄 1株 100米ドル 4月1日 4月2日 無期限

権利落日(4月26日)の早朝システムメンテナンス以降

建玉一覧 建玉数量 建単価 建日(国内約定日) 信用期日
旧株分 A銘柄 1株 50米ドル 4月2日 無期限
新株分 A銘柄 1株 50米ドル 4月27日 無期限
  • 建玉金額(建玉数×建単価)の合計は、分割前後とも変わりません。
    (上記例では建玉金額の合計は分割前後ともに100米ドル)
  • 分割後の返済・現引・現渡注文は、旧株分・新株分とも権利付売買最終日の米国市場取引終了後のシステムメンテナンス明けより承ります。
  • 新株建玉の建日は権利落日(国内営業日基準)となります。
  • 諸経費は、権利確定日までのものは旧株分に計上され、権利落日以降は、旧株分と新株分にそれぞれ計上されます。

【例2】分割比率が整数倍(1:2や1:3など)で、建単価を分割比率で除した額に0.01米ドル未満の端数が生じる場合

銘柄Bは米国現地4月25日を権利付最終売買日(権利落日4月26日)として1:3の分割を行いました。
仮に、銘柄Bを分割前に100米ドルで1株建てている場合、分割後の建玉数は、新株2株が増加し合計3株となります。
新株分の建単価は分割比率に応じて計算します(100米ドル÷3=33.333...より 33.33米ドルになります)。旧株分の建単価は、分割比率に応じた上記計算の端数分を考慮し、33.34米ドル(100米ドル -(33.33米ドル × 2) =33.34米ドル)となります。

権利付最終日(4月25日)時点

建玉一覧 建玉数量 建単価 現地約定日 建日(国内約定日) 信用期日
B銘柄 1株 100米ドル 4月1日 4月2日 無期限

権利落日(4月26日)の早朝システムメンテナンス以降

建玉一覧 建玉数量 建単価 建日(国内約定日) 信用期日
旧株分 B銘柄 1株 33.34米ドル 4月2日 無期限
新株分 B銘柄 2株 33.33米ドル 4月27日 無期限
  • 分割後の返済・現引・現渡注文は、旧株分・新株分とも権利付売買最終日の米国市場取引終了後のシステムメンテナンス明けより承ります。
  • 新株建玉の建日は権利落日(国内営業日基準)となります。
  • 諸経費は、権利確定日までのものは旧株分に計上され、権利落日以降は、旧株分と新株分にそれぞれ計上されます。

【例3】分割比率が整数倍(1:2や1:3など)で、建単価を分割比率で除した額が0.01米ドル未満になる場合

銘柄Cは米国現地4月25日を権利付最終売買日(権利落日4月26日)として1:100の分割を行いました。仮に、銘柄Cを分割前に0.5米ドルで1株建てている場合、建株数は新株99株が増加し、合計100株となります。
建単価は分割比率に応じて計算すると、旧株・新株とも、(0.5米ドル÷100) =0.005米ドルと計算されますが、システム上0.01米ドル未満はお取扱できないため、0.01米ドルとします。
この状況では建玉の合計金額(建株数×建単価)が、分割前(1株×0.5米ドル=0.5米ドル)と分割後(0.01米ドル×100株=1.00米ドル)で相違してしまいます。
このため、建玉の合計金額の差額(1.00米ドル-0.5米ドル=0.5米ドル)は、権利落差金として預り金にて金銭決済(買建玉の場合はお客様のお受取り、売建玉の場合はお客様のお支払い)を行います。

権利付最終日(4月25日)時点

建玉一覧 建玉数量 建単価 現地約定日 建日(国内約定日) 信用期日
C銘柄 1株 0.5米ドル 4月1日 4月2日 無期限

権利落日(4月26日)の早朝システムメンテナンス以降

建玉一覧 建玉数量 建単価 建日(国内約定日) 信用期日
旧株分 C銘柄 1株 0.01米ドル 4月2日 無期限
新株分 C銘柄 99株 0.01米ドル 4月27日 無期限

預り金の授受

  • 買建のお客様 建玉の合計金額の差額(1.00米ドル-0.5米ドル=0.5米ドル)のお受取り
  • 売建のお客様 建玉の合計金額の差額(1.00米ドル-0.5米ドル=0.5米ドル)のお支払い
  • 分割後の返済・現引・現渡注文は、旧株分・新株分とも権利付売買最終日の米国市場取引終了後のシステムメンテナンス明けより承ります。
  • 新株建玉の建日は権利落日(国内営業日基準)となります。
  • 諸経費は、権利確定日までのものは旧株分に計上され、権利落日以降は、旧株分と新株分にそれぞれ計上されます。

分割比率が整数倍でない(2:3など)場合

信用期日が繰り上げになり、権利付最終日(米国現地基準)が信用期日となります(お客様ご自身での決済は信用期日の前営業日の米国現地取引時間終了までとなります)。ご注意ください。

■代用有価証券のご注意
現物株式において、複数の異なる預り区分(保護預り口座・米国株式信用取引口座・NISA口座)で保有している銘柄が、分割比率が整数倍ではない株式分割等が行われた場合、以下の例のように預り区分ごとに発生した端株(1株未満の株)は、保護預り口座(一般口座)に入庫されます。
結果として、代用有価証券の1株未満の株数に相当する金額が保証金から減額となり、保証金率が低下することがありますのでご注意ください。

保有銘柄 保有口座 分割前の保有株数 分割後理論株数 分割後の保有株数
D銘柄 信用口座(代用) 7 10.5 10
D銘柄 保護預り口座(特定) 5 7.5 7
D銘柄 保護預り口座(一般) 0 0 1
  • 1株未満の株数が発生する場合は原則として現金精算となります。

委託保証金(代用有価証券)の差換えについて

委託保証金の差換えとは、委託保証金として差し入れられている金銭又は代用有価証券をそれに相当する額以上の金銭又は代用有価証券と同時に交換することを言います。
米国株式信用取引では主に代用に差し入れている有価証券を売却した場合に行われます(保証金を使用して代用有価証券の買付はできませんので、買付による差し換えは行われません)。

委託保証金代用有価証券を売却し、委託保証金(現金)として差し入れる場合

代用有価証券として差し入れられているA銘柄を外貨決済で売却し、受渡日において売却代金がA銘柄の評価額(差し換えを行う日(受渡日)の前営業日※の終値×70%)以上の場合には、A銘柄と売却代金との差換えが可能です。

保証金(米ドル)を為替取引した場合

円で差し入れた保証金は、当社が指定する為替レートで米ドルに換算した金額の95%の価額で評価されます。
リアルタイム為替取引で保証金(米ドル)を保証金(円)に交換した場合、受渡日に円(95%)で評価されます。リアルタイム為替取引が約定後、受渡日が到来するまでの間に信用建玉の評価損が拡大したり、代用有価証券の株価の値下がり等の事由により保証金率が50%未満に低下すると不足金が発生いたしますのでご注意ください。
なお、保証金を預り金に振り替えた後に、リアルタイム為替取引で円に交換した場合は、上記の事由による不足金は発生しません。

現引・現渡取引後の信用新規建余力について

現引・現渡注文は、受渡日に建玉金額、必要保証金が減額され、信用新規建余力や保証金率が回復します。このため、受渡日までの間に株価変動等により保証金率が低下した場合、追加保証金が発生する可能性がありますのでご注意ください。

建玉金額 必要保証金 信用新規建余力 保証金率
現引・現渡 受渡日に減額 受渡日に減額 受渡日に回復 受渡日に回復
返済(売埋・買埋) 約定時に減額 約定時に減額 約定時に回復 約定時に回復

【例】現引取引

200の建玉のうち100を現引すると、

  1. 買建玉は受渡日に減額(200 → 100)になります。
  2. 必要保証金についても、受渡日に減額(100 → 50)になります。
  3. 約定日時点の保証金余裕額は現引後最小値である30を適用し、受渡日に建玉が減るため保証金余裕額が回復(30 → 80)します。

【例】現渡取引

200の建玉のうち100を現渡すると

  1. 売建玉は受渡日に減額(200 → 100)になります。
  2. 必要保証金についても、受渡日に減額(100 → 50)になります。
  3. 約定日時点の保証金余裕額は現引後最小値である170を適用し、受渡日に建玉が減るため保証金余裕額が回復(170 → 220)します。

クロス取引について

現物取引または信用取引に関わらず、同一銘柄の買いと売りのご注文を同時に行う取引のことをクロス取引といいます。
楽天証券では、クロス取引となる注文が米国現地の法令諸規則・取引制度等に抵触することを防止する観点から、指値注文同士の高い「売り」注文と安い「買い」注文の場合に限りクロス取引を受注いたします。

なお、クロス取引を行うにあたっては以下の点にご注意ください。

クロス取引を行う場合、その取引状況(取引の回数や出来高など)によっては、他の投資者に現実の需給に基づいて取引が頻繁に行われていると誤解を生じさせるものとして、不公正取引と見なされるおそれがあります。また、株価を変動させるようなクロス取引は、株価操作に該当するものとして、不公正取引と見なされる場合があります。
なお、他の証券会社を併用したクロス取引に関しても同様に不公正取引と見なされる場合があります。

上記に限らず、市場の価格形成に影響を及ぼす可能性が高いと判断したお取引を行った場合、当社からお取引の目的などについて確認等をさせていただく場合があります。

米国株式信用取引の売建玉について

米国株式信用取引は、信用取引(国内株)と異なり証券金融会社から株式の調達をすることができないことから、証券会社等から株式を調達しており、売建玉に充当する株式の数量には限りがあります。このため、当社保有残高の不足等の事由で米国株式信用取引の売建玉に信用期日を設定させていただいたり、新規の売建を停止する場合があります。
信用期日が設定されると、最終返済日(信用期日の前営業日※)までにお客様ご自身で建玉を返済していただく必要があります。最終返済日までに返済していただけなかった場合、信用期日に当社にて強制返済させていただきますので、ご注意ください。

コーポレートアクションが発生した際の振替制限

コーポレートアクション(※)の種類によっては、権利落ち日の日本時間の夕方頃まで、保護預り口座と米国株式信用取引口座との間の振り替えを制限させていただくことがあります。なお、コーポレートアクションの種類によっては、制限期間が延びる場合があります。

外国株式のリスクと費用について