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第345回 波乱の5月相場がスタート、夏相場の半年間売買は何が有効か?

2014年5月1日

「10月末買い・4月売り」(2013年10月~2014年4月期)の運用結果

4月相場が終わった。筆者は「10月末買い・4月末売り」というポートフォリオ運用をずっと提案してきたので、ここで簡単に2013年10月~2014年4月期の運用結果について述べておきたい。「10月末買い・4月末売り」という半年運用は株式市場の最高の6カ月循環をクロス円相場に転用したものである。

主要通貨ペアの「10月末買い・4月末売り」の騰落率をみてみよう。今年はポンド/円が最高のパフォーマンスとなり9.31%の上昇となった。利上げサイクルに入ったNZドル/円も8.38%の上昇を記録したが、同じオセアニア通貨の豪ドル/円は(スティーブンス豪準備銀行(RBA)総裁の執拗な通貨高牽制の影響で)例年ほど上昇しなかった。残念ながら、カナダドル/円と南アランド/円はともに1%程度の下落となったが、クロス円の「10月末買い・4月末売り」は今年も概ね好調に推移したと言ってよいだろう。

この運用のポイントは「分散投資」である。一つの通貨ペアに集中投資するのではなく、複数の通貨ペアに投資するポートフォリオ運用をすると、毎年のパフォーマンスに安定感が加わる。

主要通貨ペア 「10月末買い・4月末売り」 2013年10月末~2014年4月末の騰落率


(出所:石原順)

NZドル/円(日足)「10月末買い・4月末売り」(赤は失敗の年)

2013年10月末~2014年4月末のパフォーマンスは+8.38%のリターン


(出所:石原順)

株式インデックスの「10月末買い・4月末売り」は、NYダウ(15545→16580=+6.65%)や独DAX(9033→9603=+6.31%)が例年通りの好パフォーマンスとなった。しかし、期待された日経平均(14327→14304=-0.16%)は23円のマイナスパフォーマンスであった。もっとも上がる時期に上がらなかった日経平均をみて、複数のファンドの運用者が「アベノミクス相場が失速している明らかな兆候だ」と述べている。

日本の当局は「日銀の追加緩和」・「法人税減税」・「GPIFの改革」といった株価PKOの手を温存している。消費税の10%への引き上げが決定するまでアベノミクス相場(昨年の5月で終わったという説もある)は終わらないだろうが、『戦後64年のうち前年10月末から4月末にかけて下落した年は16回あり、うち11回は4月末から10月末にかけても下落していた』(日経新聞 マーケット反射鏡2014/4/30 『買いにくい夏相場に潜む銘柄選別の好機』前田昌孝)のが気になるところだ。筆者の感触では、今後半年間の相場は高値を買い上がっても報われず、逆張りを基本戦略に据えないと儲からないのではないかという気がする。

NYダウ(月足)「10月末買い・4月末売り」(赤は失敗の年)

2013年10月末~2014年4月末のパフォーマンスは+6.65%のリターン


(出所:石原順)

日経平均 (月足) 10月末買い・4月末売り(赤は失敗の年)

戦後64年のうち前年10月末から4月末にかけて下落した年は16回あり、うち11回は4月末から10月末にかけても下落している


(出所:石原順)

憂鬱な5月相場

この季節になると「5月病」という言葉をよく聞くが、運用者にとっても5月は憂鬱な季節である。昨年5月の日経平均の急落や「フラッシュ・クラッシュ」(2010年5月6日に起きたNY株の瞬間的暴落)など理論的に説明できない予期せぬ動きがあるのが5月相場だ。ドル/円も昨年の5月相場は、97円27銭→103円73銭→98円86銭と“往って来い”の乱号下相場となった。

ドル/円(日足)と昨年5月の相場 

上段:21日移動平均線(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3


(出所:石原順)

「Sell in May, and go away(5 月に売り抜けろ)」という格言は、説明のつかないアノマリーと言われている。しかし、5月売り・11月買いの循環は<ファンドの決算>(中間決算5月・本決算11月)が大きな影響を与えていることは間違いないだろう。

米国株式市場のベンチマークとなっているS&P500の近年のパフォーマンスをみても、5月~6月相場は下落基調が続いている。日経新聞の前田編集委員が分析した『世界22市場の代表的株価指数の2001年4月以降の夏相場と冬相場の違い』によると、「世界の株価指数の動向を4月末と10月末を境に夏相場と冬相場に分けると、ほとんどの国・地域でなぜか夏相場のほうが冬相場に比べて成績が悪い」という結果が出ている。

S&P500(日足) 2010年~2014年(5月~6月期の相場=黄色のゾーン)

5月から6月の相場は下落基調となることが多い


(出所:石原順)

世界22市場の代表的株価指数の2001年4月以降の夏相場と冬相場の違い

世界の株価指数の動向を4月末と10月末を境に夏相場と冬相場に分けると、ほとんどの国・地域でなぜか夏相場のほうが冬相場に比べて成績が悪い


(出所:日経新聞「マーケット反射鏡」)

4月末から半年間と10月末から半年間のリターンの違い(2001年4月以降の平均値)


(出所:石原順)

「4月末売り・10月末買い」はどうか?

5月から10月までの夏相場がさえない結果となっているのなら、クロス円を売っても儲けようという衝動にかられてもおかしくない。「10月末買い・4月末売り」の逆の戦法である「4月末売り・10月末買い」が有効ではないかという仮説が成り立つ。

2000年以降の相場をみてみると、「4月末売り・10月末買い」はドル/円が10勝4敗、豪ドル/円が9勝5敗、NZドル/円が6勝8敗、ユーロ/円が6勝8敗となっており、「10月末買い・4月末売り」のような優位性は感じられない。ただし、ドル/円に関してはある程度有効な戦略かもしれない。(もちろん、ストップロス注文は必須であるが・・)

ドル/円(月足) 4月末売り・10月末買い(赤は失敗の年)

2000年以降10勝4敗だが・・


(出所:石原順)

夏相場の大きな買い場はどこか?

筆者が為替の売買で見ている<指標>はNYダウやS&P500の動きである。ドル/円とS&P500は相関関係の高い動きを続けている。アベノミクス相場の失速で2014年2月以降の感応度は落ちているが、基本的な動きは同じである。

S&P500(赤)とドル/円(青)の日足

ドル/円の米国株に対する感応度は低下しているが・・


(出所:石原順)

上記の理由から、筆者がドル/円やクロス円の大きな買い場や売り場(相場の転換点)を探すのに使っている指標は、NYダウの18日移動平均線±3%乖離水準である。18日移動平均線±3%乖離と21日ボリンジャーバンド±2シグマが重なる水準(チャート黄色の部分)が相場の転換となりやすい。現在は21日ボリンジャーバンド±2シグマの中の往来相場となっているが、相場がこの水準まで下落すれば大きな買い場と判断し、ストップを置いて買うというのが筆者の手法の一つだ。

NYダウ(日足) レンジと相場の転換点の計測

18日移動平均線±3%乖離(緑)・21日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)


(出所:石原順)

先週のレポートで取り上げた「POMOによる米国株の火曜日高」が、7週連続で続いている。ドル/円はこう着相場となっており、収益機会の少ない相場環境ではこうした手法も継続して行っていきたい。

NYダウ(日足) 2014年のPOMOによる火曜日高(赤の矢印は失敗=下落した日)

現在火曜日高が7週連続続いている


(出所:石原順)

NZドル/円(日足) POMOでクロス円買い(赤の矢印は失敗=下落した日)

2014年相場で10勝7敗だが、収益は5円の値幅


(出所:石原順)

ドル/円(日足) 長い保合相場が煮詰まり、直近の相場は収益機会がない状態に・・

上段:21日ボリンジャーバンド2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3


(出所:石原順)

5月2日の米雇用統計は相場の転機となるか?

相場の材料難の中、明日は米雇用統計の発表がある。現在、アナリスト見通しの中央値は失業率が6.6%、非農業部門雇用者数が21.5万人となっている。非農業部門雇用者数の予想値は17.5万人~25万人とテールが短く、今回は楽観的な予想が多いようだ。

雇用統計の数字ばっかりは出たとこ勝負となるが、5月8日のECB理事会との合わせ技で相場の方向性を期待する声は多い。問題は来週の火曜日以降も上昇が続くようなインパクトのある数字が出るかどうかだ。

米雇用統計の推移(2000年~2014年)

失業率6.6%、非農業部門雇用者数21.5万人が市場予想の中央値


(出所:石原順)

日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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