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第337回 3月・4月相場に賭けるファンド勢、黒田マジックはあるか?

2014年3月6日

マクロファンドはウクライナ問題をどうみているのか?

ウクライナ情勢をめぐって市場が騒がしくなった。3月3日にロシア株が急落したからである。英フィナンシャルタイムズはオバマの弱腰を批判し、ニュース番組からは「第3次世界大戦の可能性」というセンセーショナルな言葉が飛び出しているという。

ロシアRTS指数 3月3日に急落

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ウクライナ問題についてはいくつかのファンドとミーティングしたが、「米露の衝突はありえない」というのが結論だ。この問題はオバマもプーチンもさわりたくない問題なのである。

クリミア半島は現在も事実上ロシアの支配下にあり(仮にクリミアが分離独立しても現状と変わらない)、ロシアの実効支配の中で問題をうやむやにしていくというのが、この問題の落としどころである。

スイスやロンドンの銀行にも巨額の資産を預けているプーチンの資産は400億ドルから700億ドルと言われている。オバマはロシア企業やロシア首脳に対するターゲットを絞った経済・金融制裁を検討すると<OFAC規制>で脅しているが、プーチンも経済制裁の発動は避けたいし、世界の警察官をやめたオバマもこの問題には関わりたくない。やはり、うやむやに持っていくのが「もっともありそうなシナリオ」だ。

黒田マジックはあるか?アベノミクスの成否は3月・4月の日銀金融政策決定会合次第?

アルゼンチンショック(その後どうなったのだろう?)、ウクライナショックと危機のオンパレードだが、日本株が下げているのは、日銀の追加緩和観測が後退している影響が大きい。

昨年9月頃から日銀の追加緩和観測は何度となく浮上していた。昨年11月から12月にかけて、海外投資家が日本株を買い上げたのは日銀への追加緩和期待があったからだ。当時、筆者は「現状の株価と円安の位置を考えると早期の追加緩和はない」と考えていたが、今年の1月22日に黒田日銀総裁が追加金融緩和に消極的な発言をしたことで、追加緩和期待は急速にしぼんでいる。

日銀の追加緩和の時期に関しては、「4月から6月説」「7月から9月説」「追加緩和は当面ない」など、エコノミストによって意見が割れているようだ。「アベノミクスはもう飽きた」という報道が増えている中で、日本国内では3月11日の日銀金融決定会合に対する関心も薄れてきている。

だが、マクロファンド勢の話を聞くと、「日銀が追加緩和を実施する絶好のチャンスは今だ」という意見が多い。

「消費税後に景気が悪化し、市場に催促されて追加緩和をやっても、Too Little Too Lateの白川日銀の轍を踏む。おそらく、なんの効果もないだろう。しかし、3月11日や、遅くとも4月8日・30日(4月の日銀会合は2回ある)に追加緩和を実施すれば、それはサプライズ緩和となり、8週間程度は円安・株高が進行するだろう」という見立てだ。

「安倍政権もここが正念場だ。安倍総理は集団的自衛権の行使について解釈改憲で認めようとしており、昨年末の靖国参拝以来、自分の本来やりたかった政策に邁進している。だが、それを実現するには高い支持率が必要であり、それには日本株高が必要だ。安倍政権に経済政策を出し惜しみしている時間はない。黒田日銀にもプレッシャーをかけてくるだろう。財務省も2015年10月に予定されている消費増10%を盤石にするために、それに協力するはずだ」「追加緩和は国債ではなく、ETFやリートの買いが望ましい。それで、日本の景気が良くなるとは思わないが、消費増税後のGDPの落ち込みについては、安倍政権は追加の財政出動で対応するだろう」と、マクロファンドの分析はさらに続く。

要するにアベノミクスの成否は、3月11日、あるいは4月8日・30日に日銀が追加の緩和を実施するかどうかにかかっているとみているようだ。

一方、日銀も2月5日には日経平均が14000円を割り込んだことで、顔色が変わってきたようだ。先進国の中では日本株だけが大きく下げているからである。日経平均は2月末までの年初来下落率が8.9%となり、世界の株式市場のなかではロシア、イランに続いてワースト3と考えにくい下げを演じている。

日経平均(日足) 3月11日にサプライズ緩和はあるか…?


(出所:石原順)

米国のSP500株価指数(青)と日経平均株価(青)の2013年1月を100とした変化率の推移 2014年に入り日本株の弱さが際立っている


(出所:石原順)

急落時の押し目買い

3月3日のウクライナ騒動の中で、ドル/円は日足が21日ボリンジャーバンド-2シグマ、1時間足が13時間移動平均線±0.6%乖離に到達した。筆者の周辺のファンドは、このポイントでドル/円やクロス円、株価指数などの押し目買いを行った。今年の前半の相場方針が「急落時の押し目買い」だからだ。

ドル/円(1時間足)

上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間移動平均線±0.6%乖離(赤のバンド)


(出所:石原順)

ドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
中段:21日ボリンジャーバンド2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3


(出所:石原順)

2月20日のレポート『もっともシンプルな逆張りポイントの見つけ方』で、1時間足の動く範囲を取り上げた。それ以降の相場でも概ね通貨の1時間足相場は、13時間エンベロープ0.6%(13時間移動平均線±0.6%乖離)の範囲で推移しているのが確認できる。

豪ドル/円(1時間足)

上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間移動平均線±0.6%乖離(赤のバンド)


(出所:石原順)

NZドル/円(1時間足)

上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間移動平均線±0.6%乖離(赤のバンド)


(出所:石原順)

ユーロ/円(1時間足)

上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間移動平均線±0.6%乖離(赤のバンド)


(出所:石原順)

円相場は久しぶりの円安トレンドが発生してもおかしくないチャートの形状

クロス円相場は2月以降レンジ相場が続いてきたが、日足の標準偏差ボラティリティやボリンジャーバンドを観察すると、相場はかなり煮詰まってきている。上下どちらかに離れるタイミング待ちの状況だ。

クロス/円はほとんどの通貨ペアが21日ボリンジャーバンド+1シグマを上抜いてきており、久しぶりの円安トレンドが発生してもおかしくないチャートの形状となっている。

円安トレンドが発生するかどうかは、上に書いた黒田日銀のサプライズ緩和の有無が焦点となりそうだ。

主要なクロス円通貨の中で、唯一、10月末買い・4月末売りの循環から取り残されている豪ドル/円も93円を伺うところまで戻してきた。ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)発表の企業景況感指数は、昨年9月から今年1月まで5か月連続で上昇しており、豪州経済も徐々に回復してきている。

ユーロ/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

ポンド/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

NZドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

豪ドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)


(出所:石原順)

雇用統計、日銀、フィッシャー、イエレン…3月は大きく相場が動く?

明日3月7日に発表の2月米雇用統計の市場予想は、ブルームバーグの調査によると失業率が6.6%、非農業部門雇用者数が+15万人(テールは24.5万人から10.5万人)となっている。数字が悪ければ「寒波のせい」となりそうだが、良い数字が出た場合はリスクオン相場が走る可能性がある。

米雇用統計の推移 2000年~2014年


(出所:石原順)

先週のレポートで取り上げたスタンレー・フィッシャーの公聴会は寒波の影響で3月13日(日本時間23時)に延期された。3月19日にはFOMCとイエレンの記者会見もある。3月は大きく相場が動きそうだ。

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