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第264回 豪ドル/円の買い場はどこか? ダマシを避けて押し目買いを狙う

2012年10月11日

ファンドの手仕舞いと高速売買以外に動きがない

9月27日のレポートで「米国投信は損益通算から株の10月に損切りを行なうことが多い。ファンド勢は解約に備えて現金確保のためのポジション解消を行なう。つまり、9月同様、10月も手仕舞いの月と見ておく必要があるだろう」と述べたが、現在の金融市場は米国投信の売りやファンドの45日ルールに向けた手仕舞いが出ており、9月半ばから継続している決算対策の売りに押されて相場は軟調である。

この動きは予想通りではあるが、あまり有り難くない。9月半ば以降は為替相場もトレンドが明確な商品がほとんどなく、筆者も小さいポジションで様子見売買を続けているに過ぎない。ナノテクの高速売買を除くと、どこの株式市場も参加者が少ない。

ブラジルボベスパ指数(左)・NYダウ(中央)・日経平均(右)の日足


(出所:石原順)

QE3で資金が向うはずの商品市場も、欧州の金融危機やボルカ・ルールの影響でファンドに新規資金が入っておらず、ゴールドの上昇は「ゴールドETF」の買いが支えている格好だ。直近の相場で大豆先物が16%も下落したため、ファンドが損の穴埋めにゴールドも売却しているのが今の相場である。

ゴールド先物(左)と大豆先物(右)の日足


(出所:石原順)

新興国経済も失速している。中国はともかく、期待の星であったブラジルも政策金利が0.25%引き下げられ7.25%の過去最低金利となった。現在、サンパウロのブランド・ショップはガラガラで、高級品を買っている人を見かけないと聞いている。しかし、ブラジルはCクラスと呼ばれる低所得者層の賃金が毎年上がっているので、ショッピングモールなどは大混雑(クレジットカード消費が多い)しているらしい。

ブラジルのCクラスの年収は概ね120万円程度である。ブラジルの土地はこの10年で10倍以上になったが、それでも郊外ならCクラスの年収の3倍程度で家が買えるので(30年ローンも組めるようになった)、ファンドは5~8万人規模の人口の街をターゲットに不動産投資を拡大している。サンパウロの中心街の1億円程度の富裕層マンションは何とか埋まるが、4,000万円程度のミドルクラスの住宅は全く売れないそうである。

現在、景気が明るくなりつつあるのは米国である。不動産市況に少し回復の兆しが出ているからだ。セントラルパークの見えるNYの高級マンションやフロリダのビーチ付きの住宅などはリーマンショック前の価格に較べて7割方戻しているが、地方の高級物件は5,000万円の家が2,000万円まで下がり、今3,000万円程度というのが現状である。米国不動産のジリ高が続くかどうかは不透明であるが、QEの時間稼ぎ効果はジワリと効いてきているといえよう。

海外ファンドの話を聞いていると、「活発に動いているのは不動産ファンドだけ」というのが現在の状況である。

豪ドル/円はトレンドの出にくい通貨

豪ドル/円が80円を割り込んだことで、豪ドル/円相場に対する照会が増えている。中国情勢や連続利下げ観測で投資家に不安が拡がっているようだ。「絶対金利差」はまだあるので、筆者は「ストップを置いて押し目買い」を提案している。問題はどこで買うかである。今回のレポートでは新しいトレードアイデアを紹介したい。

豪ドル/円(日足) 直近の相場は-2シグマレベルで反発

21日ボリンジャーバンド2シグマ(赤)・13日移動平均線±3%乖離(青)


(出所:石原順)

日本のFX市場は豪ドル/円・ドル/円・ユーロ/円という3通貨のシェアが圧倒的に大きく、なかでも豪ドル/円の人気が高い。豪ドル/円の個人投資家人気が高い理由は「金利差がある」からだ。

一方、トレンド・フォロー(順張り)系の通貨ファンドにとって豪ドル/円や豪ドル/ドルはとても取引のしにくい通貨である。豪ドルは金利差を持っているので売りにくく、相場の下方硬直性(下値が堅い)を持っている。そのため、きれいなトレンドがなかなか発生しない。

トレンドが発生しにくいということは、豪ドルはポンド同様に逆張りに向いている通貨であろう。過去3年間の日足チャートに回帰線を引いてみても豪ドル/円は横這い推移であり、その変動幅は概ね88円~75円のレンジに収まっている。

豪ドル/円(日足) 2010年~2012年 豪ドル/円は横這い推移

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:回帰線(標準偏差チャネル)


(出所:石原順)

下のシカゴIMMの豪ドルポジションを見ればわかるように、豪ドルが売り越しになることはほとんどない。いつも「買い」が溜まっているので、年に1~2回は「買い方の総投げによる急落」が起こるのが豪ドルの特徴である。

シカゴIMMの豪ドルポジション ファンドの手仕舞い売りは買いのチャンス?


(出所:石原順)

RBAの連続利下げ観測

10月2日にRBA(豪中銀)は半年で3度目となる利下げを決定し、豪州の政策金利は3年ぶりの低水準となる3.25%となった。また10月3日の貿易収支や10月4日の小売売上高も市場予想より弱い経済指標が続いている。このため、今後の11月と来年2月か3月には0.25%の利下げが行なわれる観測となっている。豪ドル/円相場は豪政策金利と必ずしも連動していないが、今後上値が重くなることは否めない。利下げサイクルの中での豪ドル/円買い投資は、上値は買わずストップ・ロス注文を置いて逆張り的な押し目買いを狙うしかないだろう。

豪政策金利と豪ドル/円の推移


(出所:石原順)

「ストキャスティクス」を使った押し目買い戦略

今回は個人投資家の認知度が高いテクニカル指標であるストキャスティクスを使って、「豪ドル買いポイント」について言及したい。なお、ストキャスティクスのパラメーターは通貨取引の標準設定? と言われる「5・3・3」を使っている。

筆者が逆張り手法をあまり紹介しないのは、説明が難しいからである。今回も逆張りの買い場については説明するが、その手仕舞い売りのポイントについては詳しく述べられない。手仕舞いポイントはケースバイケースで、ロジックを簡単に説明できないのである。

一応、手仕舞い売りの目安となるのは、「21日ボリンジャーバンドの-1シグマライン・21日移動平均線・21日ボリンジャーバンドの+1シグマライン・21日ボリンジャーバンドの+2シグマライン」であるが、手仕舞いポイントは14日ADXや26日標準偏差ボラティリティの形状によって決めているということだけ述べておく。

さて、下の豪ドル/円日足チャートをみると、トレンドのないノーマル相場ではストキャスティクスの20近辺が底値圏到達の目安となりそうだ。しかし、ストキャスティクスの20近辺を毎回買っていたら、さらに売り相場が進展した場合(チャートの黄色の部分)、ストップ・ロス注文を置かない限り大きな損失を被ることは間違いないだろう。

では、どうすればよいのか? それは教科書通りではあるが、「ストキャスティクスの20以上への反発を確認してからエントリーする」しかない。

下のチャートの20以下ゾーンでストキャスティクスが推移している時(黄色の部分)の押し目買いは厳禁であると考えている。ストキャスティクスの反発が20のラインを超えてこない相場は、「売りトレンド相場」に発展する。

豪ドル/円(日足) 2012年 黄色のゾーンでの押し目買いは厳禁

青の矢印(牛のポイント)が逆張りの豪ドル買いポイント
上段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)・2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス(パラメーター5・3・3)


(出所:石原順)

豪ドル/円(日足) 2011年 黄色のゾーンでの押し目買いは厳禁

青の矢印(牛のポイント)が逆張りの豪ドル買い準備ポイント
上段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)・2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス(パラメーター5・3・3)


(出所:石原順)

逆張りは「相場の転換点を当てるゲーム」であるが、相場の流れに逆らってポジションをとる以上、場合によっては壊滅的な損失を被る可能性がある。ストキャスティクスなどのオシレーターが最も有効な時は、相場にトレンドのない時であることに留意すべきである。相場は何が起こるかわからない。かならず事前のストップ・ロス注文を置いておきたい。

下のチャートはリーマンショックの2008年に、豪ドル/円が55円まで急落したときのチャートである。ストキャスティクスの反発が20のラインを超えてこない相場は「売りトレンド相場に発展する」(ストキャスティクスの黄色の部分)という典型的なパターンである。

豪ドル/円(日足) 2008年8月~2009年1月 黄色のゾーンでの買いは厳禁

上段:21日ボリンジャーバンド1シグマ(緑)・2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス(パラメーター5・3・3)


(出所:石原順)

豪ドル/円の動く範囲とフィボナッチのファンライン

もう20年以上前の話になるが、筆者にフィボナッチ・エリオット波動・ペンタゴンチャート・ギャンアングル・HALサイクルなどの米国系テクニカルを教えてくれたのは、外銀の債券トレーダーをやっていたA君であった。

そのなかで、今でも使っているのがフィボナッチのファン(扇型38.2%・50%・61.8%)ラインである。A君のファン(扇型)ラインの引き方は独特で、通常の特出した天底から引いたものではない。

下のチャートは豪ドル/円のフィボナッチのファン(扇型)ラインであるが、筆者は相場のファンラインからの逸脱をトレンドの転換点ととらえている。現在、豪ドル/円は灰色のファンラインの範囲から逸脱し、紫のファンラインの中での変動がメインシナリオとなっている。目先の相場は下方向が水色、上方向は黄色の変動範囲に留まると見ている。

豪ドル/円(日足)とフィボナッチのファンライン


(出所:石原順)

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