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第221回 外国人投資家の日本を見る目

2011年12月21日

この12月に米国・ブラジル・シンガポール・ロンドンのファンドマネージャー達と話をする機会があった。彼らの日本市場を見る目は厳しい。どのファンドも「成長期待がないので日本には投資したくない」と言っている。「日本の政治家やメディアから発信される情報は増税の話ばかりであり、成長戦略は何も見えてこない」と言い、「増税が決まる前に経済が成長すると日本はまずいのか?」と質問される有様である。

為替については、「ドルベースでみてもユーロベースでみても日本への投資はコストが高すぎる」「日本経済は良くないのに、なぜこんなに円高なのか?」「なぜ、日銀はもっと緩和しないのか」という日本円への質問が多く、「日本は金融緩和が足りない」「円高がデフレを牽引している」という意見が多かった。

「政府や日銀がインフレを恐れているなど冗談だろう。1$=100円くらいになったって、日本がインフレになるわけがない。米国は通貨安で輸出の回復とインフレを誘導している。馬鹿でかい負債はインフレで減価するしかない。なぜ、日本はデフレ政策を続けているのだ?」などと突っ込まれて筆者も困ったが、「日本の官僚や政治家は円高が好きなのだ。政治家や役人は金融政策で非伝統的な手段をとって批判されたくないし、円高になろうが不況になろうが給料は下がらない。対外交渉をするにしても政府開発援助をするにしても、円高であればドルに換算したとき金額が増える。ということは、国際会議などの場で大きな顔ができる。政府・日銀は円高が自分たちの力の源泉であり、日本の発言力の大きさでもあると思っている」と答えると、「日本は社会主義の国なのか? 日本の家電メーカーが韓国企業とマトモに競争できる為替レートは1ドル=200円くらいだ。70円台の円ではどうしようもない。うちの家のTVはLGだ。オバマ政権はドルを安くして貿易を伸ばそうという政策をとっている。何で日本はやらない?」と返してくる。

構造改革も全く進まず、通貨安競争にも負けて、出てくる話は増税ばかり。日本は国内空洞化(日本全体のシャッター商店街化)に向かっているが、日本がいっこうに「脱デフレ・超円高是正策」をとろうとしないのが理解できないようだ。

下のグラフはフィナンシャルタイムズのブログに載っていた「主要中央銀行の流動性供給予測」である。これをみると、FRB・BOE・ECBは金融緩和に動くという予想になっているが、2012年も日銀は何もしないという予想になっている。

主要中央銀行の流動性供給予測


(出所:フィナンシャルタイムズ)

昨今の株やクロス円の動向は各国の中央銀行の政策に大きく左右され、なかでも世界の中央銀行であるFRBの政策が世界のマネーの動き(バブルの運動)を決定する。来年も政府・日銀は何もしないと投資家が思っている以上、日本に投資しようという人が少なくなるのは当たり前のことだ。

NYダウ(週足)と米国の量的緩和政策


(出所:石原順)

「量的緩和政策などやっても無駄だ」という意見が日本では多い。日銀が2001年から5年間にわたり量的緩和政策を続けたが、デフレは解消しなかったからだ。しかし、海外のファンド勢は「日本の量的緩和は規模が小さい上に小出しだったため、通貨安も進まず経済のカンフル剤にならなかった」との見方をしている。リーマン危機後の日本の量的緩和の比率も米国の300%の10分の1である33%に留まっている。マネーの量が相場を決める昨今の市場では、円高になるのは当たり前だ。

ここで量的緩和策が良いとか悪いという議論をするつもりは毛頭ないが、危機を緩和し景気回復までの時間稼ぎをするには仕方がないのである。量的緩和政策に効果があるかどうかは答えが出ている。大胆な量的緩和を続けている米・英の株価と日本の株価を比較すればわかるだろう。株価の安い高いはともかく残念なことは、多くの日本人は株に興味を失っていることである。

NYダウ(上)と日経平均(下)の日足


(出所:石原順)

日本が本気で景気のテコ入れをするには、バーナンキ的な大胆な量的緩和策を考えるべきである。2012年の日本経済の行方はマネーの量で決まるだろう。日本経済が手遅れになる前に、政府・日銀が方針を変えてくれるのを願うばかりだ。しかし、正直なところ、そうはならないと思われる。そうなると来年の日本経済は新興国の経済成長頼みとなるだろう。新興国の景気が現状維持できるかどうかは、FRBとECBの政策にかかっている。結局、中央銀行頼みということだ。

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