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第144回 カネ余りと運用難・年後半相場の展望

2010年7月23日

相場のトレンドが発生する可能性のある局面は、標準偏差ボラティリティとADXが共に上昇し、ボリンジャーバンドの1σをブレイクしたときである。当然ダマシもあるが、年2回程度は大きなトレンドに発展する確率が高いので、リスクを取るに値する局面といえよう。

この売買手法については、7月21日発売の『日経マネー9月号』の「大人ビギナーのための日本一やさしいFX入門」で、やさしい解説がされているので参照されたい。

この手法を使う上での注意点は、標準偏差ボラティリティやADXの位置が高いときは、相場が再度ボリンジャーバンドの1σをブレイクしてもリエントリー(再度ポジションをとる)しないほうが良いということだ。ブログ『石原順の日々の泡』でも取り上げているが、筆者の経験で言えば、ボラティリティ(相場変動率)レベルが高い局面は、リスク/リターン比が合わないことが多い。即ちリターンを得るのに大きなリスクをとる必要があるということだ。

直近のドル/円相場が良い例で、標準偏差ボラティリティやADXがピークアウト(天井を付けた)後に、再度、標準偏差ボラティリティやADXが上昇し、相場が1σの外に飛び出す局面があったが、筆者はポジションを取らなかった。(このような局面でもポジションを取ることはあるが、ポジション量はボラティリティレベルにあわせて小さくなっている)

相場の美味しいところは、標準偏差ボラティリティやADXや低い位置から上がっていく局面で、これを相場用語では「もちあい離れ」・「レンジ・ブレイク」・「ボラティリティ・ブレイクアウト」などと呼んでいる。

ドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ


(出所:石原順)

現在、個別企業の決算などのミクロの数字は悪くないのであるが、米国の経済指標等のマクロデータが弱いので、投資家は売っていいのか、買っていいのかの判断に苦しんでいる。また、リーマン危機後の対策でカネ余りが続いているものの、金融機関はボルカールールによってレバレッジを縮小するニューノーマル運用に傾斜しつつある。

リーマンショック後の金融機関は、「カネは貸さない・リスクはとらない」といった有様で、存在意義は決済機能しか残っていない。カネ余りと運用難の狭間で、リスクを取らなくなった金融機関のカネの行き場は国債しかないのである。これは日本の銀行と同じで、日本は“ニューノーマルの先進国”などと変な評価を受けている。

米10年国債金利(日足)ソブリンバブルの象徴

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ


(出所:石原順)

カネ余りと2番底懸念の不透明感のなかで、外為市場も気迷い商状だ。ユーロ/円も豪ドル/円も標準偏差ボラティリティやADXが低下中で典型的なレンジ相場となっている。このような局面で儲けるのはオプションの売り手であり、彼らは標準偏差ボラティリティが低下中は、相場が上がるとコールを売り、下がるとプットを売っている。それでますます相場がレンジ推移となってしまう。

ユーロ/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ


(出所:石原順)

豪ドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ


(出所:石原順)

一方で、今年のユーロ/ドルは最高の相場が続いているが、今週ボリンジャーバンドの1σの内側に相場が入ったので、筆者はポジションを手仕舞った。(ストレステスト後に再度ポジションをとる可能性はある)

ユーロ/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ


(出所:石原順)

5月以降、ヘッジファンドなどもリスク資産を圧縮する動きに出ている。ファンド勢はユーロの美味しい相場が終わり、株もあまり儲からないので、次の儲け話を探しているが、一部のファンドは原油のレンジ・ブレイクを待っているという。下のチャートの黄色の帯の外に相場が飛び出すと、大きな動きに発展する可能性がある。

原油先物(週足)


(出所:石原順)

ゴールド市場は典型的な強気相場を展開中だが、市場では上昇トレンドラインの攻防(ブレイク)が注目されている。

ゴールド先物(週足)


(出所:石原順)

不透明感の強い年後半相場だが、筆者はやや慎重に相場をみている。相場を年前半・年後半という括りで分けると、ドル/円は年前半(6月)までに年間高値(黄色の○)をつけるパターンが非常に多い。これはドル/円の周期特性である。1990年~2009年までの過去20年間で“明らかに”年後半ドル高のパターンになった年は1995年、1996年、1997年、2001年、2005年の5回しかない。

ドル/円(月足)

上段:年前半にドルの高値をつけるパターンの年(黄色の○)年後半ドル高パターン(緑の年)
下段:ドル/円相場のハイ・ロー・ウエーブ(高値波動=赤・安値波動=青)年末・年始相場はトレンドの転換が起こりやすい


(出所:石原順)

日経平均株価も年前半(6月)までに年間高値(黄色)をつけるパターンが非常に多い。ドル/円と同様の周期特性と言ってもいいだろう。1990年~2009年までの過去20年間で年後半株高のパターンになった年は1995年、1999年、2003年、2005年、2009年の5回しかない。今年の相場はまだ強気パターンをどうにか維持しているが、相場が9,000円を割れると年後半は弱気パターンとなる可能性が高くなる。

日経平均株価(月足)

年前半に株の高値をつけるパターンの年(黄色の○)年後半株高パターン(緑の年)


(出所:石原順)

カネ余りは続いているので、何かのきっかけでまたバブル相場になるかもしれない。7月以降の相場で、日経平均株価の11,400円ブレイク、ドル/円の95円ブレイクが実現されると、その可能性は高まる。しかし、確率論で言えば、「年後半相場のドル/円や日本株は買っても報われないことのほうが多い」ことを、頭の片隅に置いておきたい。相場とは確率に賭けるゲームである。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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