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第135回 市場対国家という大変動相場

2010年5月21日

ブログ『日々の泡』にも書いたが、現在のユーロ相場は1992年のポンド危機(G・ソロス対イングランド銀行)の構図を想起させるものがある。市場が催促し、政府に規律を迫るという構図だ。ユーロ圏の抱えている矛盾や問題は発足当初からの事であり、「何をいまさら」と行った感があるが、それが10年経った今になって大きなマーケット・テーマに浮上してきた原因は、昨年までユーロが買われすぎたということであり、現在、ユーロが売られている最大の要因である。

昨年までは、経済の多極化と弱いドルの影響でユーロが基軸通貨の代替であるかのような扱いをされていたが、軍事力を考慮した通貨の実力からいって、ドルとユーロは1:1(パリティ)が本来の実力と思われる。また、ユーロが基軸通貨的な魅力をもつには英国がユーロに参加することが絶対条件である。

日本経済研究センターの研究員の方が「CDS・S&P(格付け機関)・ゴールドマン」という3つのキーワードが揃うと危機が起きると言われていたが、この3つが資本筋や投機筋の金融兵器となっているようだ。現在、ギリシャ問題やユーロ安が株式・商品市場などにも波及してきて、第二のリーマン危機との見方も増えているが、相場は所詮、循環である。上がり続ける相場も下がり続ける相場もない。投機筋のポジションはかならず返済(買い戻し)されるので、そのタイミングに注意したい。現在の相場は下落リスクも大きいが、一方で上昇リスクも半端ではない。防戦に動くのは国家(政府)だからだ。

さて、注目のユーロ相場であるが、筆者は日足ベース取引で売りポジションを放置していたユーロ/ドルを昨日手仕舞った。相場が終値で21日ボリンジャーバンドの内側に入ったからである。5月19日安値1.2145は2000年から2008年までのユーロの上げ幅の半値(50%)押しという重要なチャートポイントであり、またこの水準は60ヶ月移動平均線の-10%乖離の水準である。ユーロ売りの先陣を切っていたユーロ/豪ドルもようやく週足で大陽線が立った。通貨は国家主権なので、それを放棄しているユーロ各国は今回のように話がこじれると、各国が保護主義的な方向に動きやすい。したがって、ユーロ/ドルが大底的な重要な安値をつけたとは思っていないが、目先の底は付けた可能性はあるだろう。

ユーロ/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青・ピークアウトするか?)
下段:21日ボリンジャーバンドの1σ(緑)とフィボナッチの支持・抵抗線


(出所:石原順)

ユーロ/ドル(月足)

60カ月移動平均線(青)・±10%乖離(赤)・±20%乖離(緑)
20カ月移動平均線(茶)


(出所:石原順)

ユーロ/豪ドル(週足)

上段:26週標準偏差ボラティリティ
下段:移動平均リボンとMACDのシグナル


(出所:石原順)

ユーロ相場が一息ついたと思ったら、昨日はストップロスハンティングの円高が加速し、豪ドル円が6円超下落するなど、波乱相場は終わっていない。4月16日のレポートで言及した『VIX指数はもう1年半も下がっている。筆者は年央まではとりあえず強気相場が続くとみているが、年後半はボラティリティの上昇を警戒している。「ありえないなんてありえない」のが相場なので、「ある日突然」に備えて準備を怠らないようにしたい。投資家を守ってくれるのはストップロス注文だけである』という事態が現在起こっているが、VIX恐怖指数が40を超えてきており、金融市場は動揺している。現在の市場参加者はリスク管理をより徹底する必要がある。

VIX恐怖指数(日足)


(出所:石原順)

NYダウ1000ドル安以降、市場間の相関が大きく崩れている。それ以降、リパトリエーション(海外資産を売却し自国に資金を戻すこと)の動きが活発化しており、大口の売り注文の話がよく聞かれる。6月に決算を控えた金融機関やファンド等のポートフォリオも痛んでおり、突発的な売り注文から起きる負の連鎖には引き続き注意が必要だろう。

クロスボーダー融資が多く、新興国に多額の融資をしている欧州の銀行がおかしくなると、新興国からも資金を引き揚げる事態も予想される。注意すべきは、新興国市場の流動性である。過去のヘッジファンドや金融機関の大損失というのは、投資するものがなくて流動性のない市場に入っていった数年後に大抵起こっているからだ。

NYダウ(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ
下段:26日ボリンジャーバンドの1σ


(出所:石原順)

NYダウ1000ドル安の原因については、CTAの売り等、様々な話が出ているが、ここで書くと長くなるので、5月26日のセミナーで言及したい。このような相場は2008年9月22日の原油市場でも起きたが、バタフライ効果は予測不能なので、投資家を守ってくれるのはストップロス注文しかない。相場で最重要なのは資産管理である。

2008年9月22日の原油相場 バタフライ相場「ありえないなんて、ありえない!」


(出所:石原順)

筆者の感触では日経平均株価も豪ドル/円も目先の相場は売られすぎており、反発もあると思われるが、トレンド指標(ADX・標準偏差ボラティリティ)が上昇しており、相場が1σの外にある時の逆張りは危険だ。現在の環境でリバウンドを狙うのは、「1時間足」等の短期の時間枠での順張りに留めておきたい。

日経平均株価(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ
下段:26日ボリンジャーバンドの2σ(赤)・18日移動平均線±5%乖離(赤)


(出所:石原順)

豪ドル/円(日足) ATRの低下はキャリートレードの命綱・ATR上昇は円高警報!

上から
20日ATR
14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ
9日RSI(RSIをみると買いたくなるが…)
21日ボリンジャーバンド1σ


(出所:石原順)

ドル/円(日足)
日経平均株価(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ
下段:21日ボリンジャーバンドの2σ(赤)・21日移動平均線±3%乖離(緑)


(出所:石原順)

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