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第22回 サブプライムからインフレへ

2008年5月9日

この8週間のドルの反転の要因は、ドルの売られすぎという需給面の要因や米国の金利政策がサブプライム問題から徐々にインフレにシフトしてきていることがあげられよう。そして、最大の要因はベアスターンズの救済にある。たいがいのトレーダーは「ドルと株の上昇はベアスターンズのおかげ」と口をそろえて言っているのである。つまり、現在の市場は「今後危機が起きても、ベアスターンズの救済スキームが適用されるだろう」という楽観論を支えにリスクマネーが売られすぎた市場に流入しているというのが底流にある流れだ。

しかし、ここ数日は信用不安を呼び起こすような報道が相次いでいる。米証券取引委員会(SEC)が投資銀行に情報開示を義務付ける方針を打ち出したことを受けて金融機関の追加評価損失計上への警戒感が高まるなか、来週 AAA格付けのCDOの46%を格下げする可能性があるとFITCHが発表している。またS&Pは債務不履行率の急上昇を受け、オルトA住宅ローンを裏付けとする証券410億ドル相当を、格下げか格下げ方向での見直し対象としている。

こういった悪材料は今後も継続して出てくるだろうが、外為市場の参加者は悲観的な報道の分析をしてもあまり意味はないだろう。このような材料はすべて価格に織り込まれるため、相場は相場に聞けという姿勢でチャートをみながら相場についていくほうが確実である。なにより先進国の景況感は悪さ比べとなっており、どこも五十歩百歩の状況にある。

8日の金融決定会合はECB、BOEとも金利を据え置いた。このところの物価や賃金の上昇で欧州のインフレは目標圏を超えており当然の結果であるが、米国の金利政策も今後は徐々にインフレ警戒にシフトせざるを得ないと思われる。

5月6日にゴールドマンサックスは「原油価格は今後2年間で$150から$200まで高騰する可能性がある」とのレポートを発表した。(ゴールドマンのアナリストARJUN MURTI氏は2005年3月に原油が2009年までに$50から$105レンジで推移、「スーパーラリー」を行うと予想していた)現在、中国からの石油需要は、2001年11月19日に$16.70の安値をつけた時点から倍増しており、石油の余剰供給量のほとんどを中国が消費する構図となっている。シカゴ市場では、中国向けの輸出用ドライ貨物船のチャーター件数が急増し(船賃の上昇)BALTIC ドライインデックスが5ヵ月ぶりの高値をとってきていることが話題となっているが、中国の資源需要から物価の下落の可能性は少ないとみておいたほうがよいだろう。

原油先物(日足)と33日ボリンジャーバンド


(出所:石原順、ブルームバーグ)

外為市場でもインフレが忍び寄るなかで資源国通貨が投資家の注目を集めており、著名な投資家であるJIM ROGERS氏は「オーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの資源国の通貨を保有しており、これらの通貨を有望視している」と語っている。JIM ROGERS氏の現在の相場観は「ドル高・円高・資源通貨高」であるらしい。

ユーロ/ドル(日足)標準偏差ボラティリティと売買シグナル[買い=緑・売り=赤]


(出所:石原順、ブルームバーグ)

ドル/円(日足)標準偏差ボラティリティと売買シグナル[買い=緑・売り=赤]


(出所:石原順、ブルームバーグ)

現在、ユーロ/ドルはボリンジャーバンドの拡大をみながらユーロの下落トレンドが継続している。一方、ドル/円は標準編差ボラティリティの低下で一旦ドル買いトレンドは消滅している。21日移動平均線はまだ上向きでトレンドが反転したとの感触はないが、103円20銭を割り込めば(高値から2円50銭の反転)継続的な円高を警戒しなければならないだろう。

豪ドル/円とアベレージトゥルーレンジ(下段の緑のライン)


(出所:石原順、ブルームバーグ)

さて、今回はATRという指標を紹介しておこう。ATRはリスクリターンの計測や利食い・損切りの値幅を計算する場合の指標としてシカゴやNYのマーケットでは多くのトレーダーが活用している。「当日高値-当日安値」「当日高値-前日高値」「前日終値-当日高値」の3つのうち最大の値幅を当日の「真の値幅(トゥルーレンジ)」と呼び、「真の値幅」の20日間の移動平均線が上のチャートの緑のライン=ATR(アベレージトゥルーレンジ)である。

いわゆるキャリー通貨と呼ばれるドル/円や豪ドル/円などのクロス円の取引は、このATRが下がる過程で円安、上がる過程で円高となるケースが多い。円安相場はジリジリと進み、円高相場は値幅が増幅し急激に進むからだ。ドル/円やクロス円の相場はこのパターンの連続である。変動率の低い環境こそキャリートレード(金利取り)を行う要諦であり、スワップ狙いの投資家にとってATRは非常に有効な指標となると思われる。

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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