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2016年7月28日

第461回 「8月は円高の月?豪ドル/円は今年も8月安か?」

いかなる相場操縦も長期的には成功しない

相場操縦の達人のようなサプライズ緩和を続けてききた日銀のサプライズ政策も、2回連続の不発に終わっている。過去3年間はアベノミクスというPKO相場が功を奏して日本株も上がったが、円安(金融)政策の限界と米国の円安ドル高牽制で円安を維持することが難しくなっている。だから、何をやっても上値は限られるだろう。明日の日銀会合では、現在0.1%のマイナス金利の深掘り、年80兆円の国債購入量の増額、上場投資信託(ETF)の買い増しという3つの選択肢を組み合わせた案が想定されているが、それらはもはや気休め程度の政策であり、かえって、金融政策の限界が意識されてしまう可能性もあるだろう。

通常、相場は値幅か日柄(時間)のどちらかで調整する。大きく見ると、92年夏に宮沢蔵相が始めた株価PKO政策の継続で日本株は失われた25年(日柄調整)相場になっている。そして、いまだにPKOによって相場を維持しようとしている。PKO相場の答えはジリ貧(日柄調整)である。

日経平均(月足)
PKOによる延命相場の答えはジリ貧、92年夏の宮沢蔵相のPKOからずっと日本株は日柄調整相場を続けている

(出所:石原順)

8月の月初・月末の相場の下落には注意が必要

2016年の株式市場の予測では、米著名投資家のラリー・ウィリアムズの予測がずばぬけて精度が高く、筆者も彼の予測は傾聴に値すると思っている。ラリーは基本的に8月末まで米国株の強気を維持しているが、8月の月初・月末の相場の下落には注意が必要で8月中旬に米国株が反転する可能性があると述べている。先週のレポートにも書いたが、歴史的に株式相場が下がりやすい月というのは「5月」・「9月」・「10月」である。8月の月初・月末の相場の下落には注意が必要であろう。

S&P500(日足)買いトレンド相場だが、8月相場は荒れそう?
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)

(出所:石原順)

S&P500(週足)週足で9週RSIの売りシグナルが点灯

(出所:石原順)

日経平均(週足)円安相場と連動、8~9月の相場には要注意?
上段:14日修正平均ADX(赤)
下段:21日ボリンジャーバンド±2シグマ(緑)・±3シグマ(緑)

(出所:石原順)

日経平均先物(日足)200日EMAフィルター付きストキャスティクスの逆張りシグナル
上段:200日EMA(紫)・25日エンベロープ±5%(青)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

日経平均先物(日足)転換点売買のシグナル
上段:25日エンベロープ±5%(青)・±10%(赤)
下段:3日修正平均ADX

(出所:石原順)

8月は円高の月?

近年の相場を調べてみると、豪ドル/円の相場がプラスのリターンとなりやすいのは4月>12月>7月>2月>11月>3月の順で、マイナスのリターンとなりやすいいのは8月>5月>9月>10月>6月の順である。

豪ドル/円の上昇傾向がある月は日本の年度替わりの4月で、12月が4月の次に上昇しやすい。逆に8月の豪ドル/円相場は顕著な下落傾向があると思われる。

豪ドル/円(月足)2000年~2016年 豪ドル/円は8月が安く4月・12月が高い?
(赤は4月安・8月高となった失敗の月)

(出所:石原順)

豪ドル/円(日足) 200日EMAフィルター付きストキャスティクスの逆張りシグナル
7月19日に売りシグナルが点灯
上段:200日EMA(紫)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)・フィルター付き売買シグナル
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

8月というのは「円高の月」との印象が強い。8月は北半球が夏休みシーズンに入り市場の流動性が落ちるため、突発的な材料で相場の変動率が上がりやすい。円買いを狙う投機筋にとって「8月は仕掛け時」である。「現在、円を買っている」という運用者に理由を聞くと、散々ファンダメンタルズについて語った後、「8月だから」という結論になる。これは、毎年のことである。

相場とは一体何かと言うと、それは「確率に賭けるゲーム」であろう。筆者が心がけていることは、勝つ確率の高い局面で投資を行うということである。みなさん、ストップロス注文だけはお忘れなく!

今は良い円安のあとの悪い円高が到来している。悪い円高の次は悪い円安になりそうだが、悪い円安の到来はヘリコプターマネーの導入がきっかけとなろう。アデア・ターナー新経済志向研究所上級研究員は、「日本は5年以内にヘリコプターマネーの導入を余儀なくされる。日銀が保有する大量の国債を政府への無利子・無期限の預け金に切り替える」と予言している。

ドル/円(日足)200日EMAフィルター付きストキャスティクスの逆張りシグナル
7月21日に売りシグナルが点灯
上段:200日EMA(紫)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)・フィルター付き売買シグナル
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

ドル/円(日足)転換点売買のシグナル
上段:13日エンベロープ±2%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX

(出所:石原順)

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

石原順

「外為市場アウトルック」

海外のヘッジファンドを運用する現役のファンドマネジャーが、相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークを利用した「生」の情報を提供いたします。

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