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2015年6月25日

第405回 「押し目買いをするのもこわい断続的な急落相場に対処するには?」

今週は筆者トレードの根幹部分を紹介したい。具体的な実践トレードの説明である。今週のドル/円相場とユーロ/円相場の動きを振り返りながら、筆者の売買手法を説明していく。

相場に方向性があるのか、ないのか?

筆者が相場を見る場合、まずは、現在の日足相場に方向性があるのかないのかを判断する。トレンドの有無を判定するテクニカル指標は「標準偏差ボラティリティ(パラメータ26)」である。

相場に方向性が出てくると、標準偏差ボラティリティは上昇する。標準偏差ボラティリティが低い位置から上昇する場合は、相場が保ち合いを離れ、強い方向性をもつシグナルとなる。相場に大きなトレンドが発生する可能性のある局面は、標準偏差ボラティリティが上昇し、ボリンジャーバンドの±1シグマをブレイクしたときである。

方向性のある(トレンド)相場のパターン

この方向性のあるトレンド相場のパターンとなったのが、下のチャートの5月19日から6月9日までの相場である。

当然“ダマシ”もあり、1年を通した相場で筆者は何度も痛い目にあっているが、だまされても±1シグマラインで決済(損切り)するので、壊滅的な損はしていない。何度か痛い目にあってもこの手法を使うのは、年に2回程度は大きなトレンドに発展する確率が高いからである。

ドル/円(日足)
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

テクニカル設定と売買手法

  • 21日ボリンジャーバンドを表示させる
    (株式インデックスは±0.6シグマ・通貨は±1シグマ)
  • 26日標準偏差ボラティリティを表示させる
  • トレンドの発生(保ち合い離れの判定方法)
    26日標準偏差が上昇しはじめた時
  • 新規建玉のポイント
    エントリー(新規注文)は相場が21日ボリンジャーバンド±1シグマの外に飛び出した時
  • 損失を限定しつつ利益を伸ばす手仕舞いのポイント
    手仕舞い(エグジット)は相場が21日ボリンジャーバンド±1シグマの内側に入った時

相場の美味しいところは、標準偏差ボラティリティが低い位置から上がっていく局面で、これを相場用語では「保ち合い放れ」・「レンジ・ブレイク」・「ボラティリティ・ブレイクアウト」などと呼んでいる。

方向性のない(調整)相場のパターン

標準偏差ボラティリティがピークアウト(天井をつけ下落)すると、トレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった調整相場(横這いレンジ内での乱高下相場)となりやすい。

ドル/円日足の標準偏差ボラティリティは、誰の目にも明らかな形で6月の半ばころから下がっており、現在のドル/円相場はトレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった「横這いレンジ内での乱高下相場」となりやすい時期である。

ドル/円(日足)
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

筆者は今週のドル/円の調整相場で、相場が21日移動平均線と上値抵抗線を上抜けるか否かに注目していた。6月24日のブログ『ドル/円は21日MAを上抜け上値抵抗線の攻防へ』で、「ドル/円は昨日のNYクローズで21日移動平均線を上抜け、現在124円07銭付近を走っている上値抵抗線レベルの攻防となっています。上値抵抗線を上抜いてくるとフラットポイントの124円40銭レベルを目指すというのがチャートのパターンです」と申し上げたが、25日のNY時間に124円37銭まで上昇した。

いずれにせよ、ドル/円は6月18日に122円49銭まで下押し、昨日25日のNY時間に124円37銭まで上昇するという、典型的なジグザグ調整相場(横這いレンジ内での乱高下相場)のパターンである。

ドル/円(日足)
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

急落相場時の対処法

筆者は今年の相場で1時間足でのトレードを頻繁に行っている。<1時間足>でみると、通貨の変動は概ね13時間移動平均線の±0.6%乖離の範疇で動くといわれている。

0.6%まで動くのはトレンドが発生した場合で、低変動率相場、すなわち、ノーマル相場の動く範囲は、概ね13時間移動平均線の±0.6%乖離(赤のバンド)の半分である13時間移動平均線の±0.3%乖離(緑のバンド)の範囲に収まっている。

エンベロープ(移動平均線乖離)は決して万能な指標ではないが、自律的な相場の運動範囲で注目すべきことは、「長期にトレンドが発生するような大きな材料が出ない限り、相場が移動平均の乖離の限度を大きく飛び出しても、バンドの中で収斂することが多い」ということだ。

ドル/円(1時間足) 13時間エンベロープ
上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間エンベロープ±0.3%(青) ±0.6%(赤)・9時間RSI(鈍感バージョン)40-60 ピンク=買い相場・水色=売り相場

(出所:DVD 『相場で道をひらく ~標準偏差ボラティリティトレード~』 付録:トレードツール1)

さて、今週の相場はギリシャ問題に絡んでユーロ相場が大荒れとなった。筆者は6月23日の夜に、ユーロ/円を打診買いした13時間移動平均線-0.3%の水準でユーロ/円を買っていたのだが、相場は急落し、断続的な下げが続いた。

ユーロ/円(1時間足) 13時間エンベロープ
上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間エンベロープ±0.3%(青) ±0.6%(赤)・9時間RSI(鈍感バージョン)40-60 ピンク=買い相場・水色=売り相場

(出所:DVD 『相場で道をひらく ~標準偏差ボラティリティトレード~』 付録:トレードツール1)

筆者のポジションは当然評価損が膨らんだが、問題は「ここからどう対処するか?」である。

筆者は断続的な急落相場のなかで、26時間標準偏差ボラティリティがピークアウトするのを待っていた。そして、26時間標準偏差ボラティリティがピークアウトしたのを見て買い増しに動いたのである。相場がものすごい勢いで下げているとき、落ちるナイフを掴むのは危険だ。急落相場がいつ終わるのか、それは26時間標準偏差ボラティリティの動きで判断している。

26時間標準偏差ボラティリティがピークアウトしても、すぐにまた下げトレンドが発生して、さらに相場が下げることも珍しくない。急落・暴落への究極の対処はストップロス注文を置くしかない。

同じことは繰り返し起こりやすい。テクニカル分析とは徹底的に過去を分析し、チャートパターンの中に未来を見出す手法である。今回、筆者の紹介した手法も、当然100%当たるような手法ではない。そんなものがあったら、市場は成り立たず、それは市場の死を意味する。しかし、筆者にとって相場は、確率に賭けるゲームなのである。

標準偏差ボラティリティやエンベロープを使った売買手法については、6月末に出版する『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ──標準偏差ボラティリティトレード』(石原順) で解説している。興味のある方は、ぜひお買い求めください。

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日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

石原順

「外為市場アウトルック」

海外のヘッジファンドを運用する現役のファンドマネジャーが、相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や海外情報ネットワークを利用した「生」の情報を提供いたします。

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