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第15回 JAL問題から学ぶ個人投資家のとるべき投資行動とは

2010年1月21日

目まぐるしく変わる報道内容に翻弄された株主

日本航空(JAL)の経営再建問題が連日のように報道されています。ようやく会社更生法適用による法的整理+100%減資という方針が固まり、それを受けてJAL(9205)の株価は1月12日、13日と連続ストップ安、ついに13日には株価7円と一桁にまで落ち込んでしまいました。

JALの従業員の方ももちろんですが、JAL株を保有する個人株主も、「法的整理だ」「いや、私的整理になりそうだ」とか、「100%減資にはしない」「いや、やはり100%減資だ」と目まぐるしく変わる報道内容に一喜一憂させられ、すっかり疲れ果ててしまったのではないでしょうか。

テレビのインタビューで、「法的整理の可能性が高そうだから売ろう」と答えていた個人投資家がいましたが、その投資家が売れたのは1月13日の7円の株価だったはずです。
少なくとも、テレビ・新聞等の報道をみて「もうだめだ」と思って売りに出しても「時すでに遅し」なのです。

株価チャートは「逃げ場」を教えてくれていた

では、38万人近くいるといわれるJALの個人株主は、JALとともに沈んでしまう運命だったのでしょうか。いえ、決してそんなことはありません。少なくとも株価チャートは株主に対して「逃げ場」を教えてくれていましたし、JAL株への新規投資を検討する投資家に対しては「買い時」は来ていないことを示唆してくれました。

実際にJALのチャートを見てみましょう。
まず日足(3カ月)です。これをみると、おおむね25日移動平均線の下に株価が位置し、かつ25日移動平均線も下向きの状態が続いていることから、下降トレンドが続いています。株価自体も時々小さい反発をみせるものの、下落基調に変わりありません。明確な買い場はこの3カ月間で生じていないといえます。


(出所:株式会社マーケットチェッカー提供 マーケットチェッカー2

次に週足(1年)です。週足でも、26週移動平均線、13週移動平均線ともに下向き、かつ恒常的に13週移動平均線が26週移動平均線の下に位置しており、株価もこれらの移動平均線の下で推移していますから、明らかな下降トレンドです。


(出所:株式会社マーケットチェッカー提供 マーケットチェッカー2

最後に月足(5年)から、既存株主の「逃げ場」を探ります。月足でみると、2006年7月に197円の安値をつけていますが、2008年10月にはこの安値を割り込んで172円まで下げています。2006年7月安値を割り込んだこの時点で損切りすべきです。
なお、2008年10月以降は若干反発した後、2009年2月までの下落のときも2008年10月安値172円を守りましたので、2008年10月以降に買われた方もいたでしょう。しかし、その場合でも2009年7月に172円を割り込んだ時点で損切り・撤退すべきでした。


(出所:楽天証券 マーケットスピード)

「株主優待目的」の株保有はリスクも高い

JALの個人株主の中には、株主優待目的でJAL株に投資した人も多かったはずです。しかし、法的整理により株の価値がゼロになり、株主優待も受けられないとなれば結局は株主優待によるメリットを差し引いても大きな損が残ってしまうことになります。

破たん・上場廃止が理由でなくとも、最近株主優待を廃止する企業自体が増加傾向にあります。株主優待の魅力が高い銘柄ほど、それが廃止されたときのマイナスインパクト(株価値下がり圧力)は大きなものになります。
株主優待に対する思い入れが強すぎると、いくら株価が下がって「売った方がよい」というサインを出してくれていても、それに応じずに持ち続け、結局は株価も暴落、株主優待も廃止、というダブルパンチに遭ってしまう危険性が大いにあります。
このような状況を防ぐには、いくら株主優待目的で投資した株であっても、株価の動きを注視し、損切りを徹底することが求められます。そして、そもそも下降トレンド下では株主優待が欲しくてもその株は買わない、という姿勢が重要です。
株主優待があろうがなかろうが、下げ続けている株を買うということは非常にリスクが高い、下手をすれば大損をしてしまうということをぜひ念頭に入れて株式投資を行うようにしましょう。


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