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楽天証券ニュース[マーケット情報] 発行:2009年7月27日 楽天証券株式会社

楽天証券

楽天投信投資顧問 CEO兼最高運用責任者が、1週間のマーケットに鋭く斬り込む! 大島和隆からの手紙

7月第4週

マーケット概況

株式 週末終値
(7/24終値)
前週末比
(7/17比)
日経平均 9,944.55 +549.23 +5.85%
NYダウ 9,093.24 +349.30 +3.99%
金利・為替 週末終値
(7/24終値)
前週末比
(7/17比)
長期金利 1.380% +0.060%
ドル/円 94.79  
ユーロ/円 134.64  

やっぱりハイテク産業が面白くなってきた

前週の総括

■日米株式市場揃って上昇基調入り?!

 先週の主な市場の動きは上記の表の通りです。先週の日本市場、週初は祝日「海の日」で休場となったため4営業日の取引となりましたが、見事に4連騰、先々週から通算すると8連騰ということになり、これは3年8カ月ぶりの快挙ということになります。背景には米国株式市場が7月13日からほぼ休みなく連騰していることが背景にあり、あわせて為替動向も円高を意識するより円安感の方が対ドル、対ユーロ共に強かったことが背景にあると思われます。

 先週一週間の日米株式市場の動きで、最も気を吐いたのが日経平均株価でプラス5.85%なのは上記表に記載の通りですが、第2位は東証マザーズのプラス5.51%となり、第3位は米国ナスダックの4.21%となります。実はこの東証マザーズ、年初来(各市場の昨年末終値との比較)で見てもベスト・パフォーマンスとなっており、プラスの41.32%です。次が米国ナスダックの24.66%、日経平均株価はプラス12.25%ですので第3位、NYダウに至ってはプラス3.61%で最下位となっています。

 オバマ大統領が就任してからの新しい時代の中でというくくりで、1月20日の大統領就任式以来という引き直しをすると、東証マザーズが38.58%でトップなのは変わりませんが、ナスダックが36.44%と肉薄してきます。日経平均株価も23.29%とNYダウの同期間の14.39%を大きく引き離して第3位です。ということで、日本株投資で今現在注目すべきはNYダウではなく、ナスダックという状況は引き続き変わりません。

■ポイントはハイテク株

 今回の市場動向のカギを握ったのは、何といってもハイテク株。きっかけとなったのは前回ご案内の通り、インテルの決算が好調だったことで市場の目線が変わってきたことにあり、続いて米国市場ではプログラマブル・チップ大手のアルテラなどの半導体関連が好調だったこと、さらにはIBMも好決算を発表したかと思えば、とどめを刺すようにアップルがiPhone3Gの好調に支えられてやはり勢いのあるところを見せつけてくれたことにあると思われます。ゆえに注目はハイテク株!

■日本の政治は大きな材料にならなかった

 21日に衆議院が解散になりましたが、市場を牽引するような材料にはならなかったと言えます。添付のチャートは、年初来の日経平均株価(白)、NYダウ(緑)そしてナスダック(赤)を比較したチャートですが、7月初めまでは日経平均株価とナスダックが極めて高い相関性を示していました。その後約1週間、日経平均株価は独歩安をするわけですが、これがまさに政治停滞や空白化を嫌がった時期であり、21日解散が公然と語られるようになった段階から再び元の相関に戻りつつあるかに見えます。


(出典:Bloomberg)

■債券市場は引き続き冷ややかな対応

 前回、すなわち6月に日経平均株価が10,000円台をトライするような局面においては、景気回復期待が背景にあり、日本の長期金利の上昇も顕著で最高1.550%にまで6月11日に上昇(この時の日経平均株価は9,981.33円)していますが、今回は1.380%と低位に安定してしまったままです。前回ご案内致しましたが、この背景にあるのは国内の債券市場関係者、すなわち主として機関投資家ということになるのですが、極めて株価の上昇については冷静であるということです。つまり、今回の上昇は米国株式市場の好調に連動したもので、国内景気の回復を囃したものではないという理解です。もしくは、もっと悪く考えれば、機関投資家の国内アセット・アロケーションとしては株式のウェイトを上げる構えがないということの表れかも知れません。

■米国住宅市場には回復の兆し

 全米不動産協会が23日に発表した6月の中古住宅販売件数は、季節調節済みの年率換算で489万戸となり、市場予想の484万戸を上回りました。前回ご案内の住宅着工とあわせて、回復の兆しが明らかになりつつあります。ただ、在庫率の方は、販売実績の9.4カ月分と適正と言われる7カ月分よりは引き続きまだ多い水準にあり、2カ月連続で減少したとは言え、諸手を挙げて喜べる状態になっているとはまだ言えません。米国長期金利の方も、前回景気回復かと喜んだ時ほどには上昇しておらず、週末は3.66%程度の水準と、4%を睨んだ時に比べれば相当落ち着いた対応となっています。


(出典:Bloomberg)

<今週のチャートはナスダックの1年間分の日足です。-----昨年9月末の2,000ptsという水準が見えるところまで回復してきました。>

今週のポイント

■日本企業の決算発表が本格化

 米国企業の決算発表が峠を越えつつある中で、日本企業の4-6月期決算発表がいよいよ本格化し始めます。注目は米国で好調なハイテク企業の決算を受けるように、日本の関連銘柄も好調であるかということですが、ひとつのイメージとしてはクラウド・コンピューティングの雲の中と、それに繋がるデバイス類に日本企業がどこまで食い込めているかということになるだろうと思います。今の正に新しい流れ、インテルもアップルも、あるいはIBMもすべてこの絵の中で語れる存在なのですから。

■ハイテクだけじゃない、車も新技術で盛り返してきた

 「補助金のおかげ」「需要の先食い」などと揶揄されながらも好調を続けているプリウスの受注実績ですが、ついに補助金対象なる今年度末までの納車には間に合わない事態にまでなってきました。現状では生産が全く受注に追い付かない状況のようです。フェラーリの話をしているわけではなく、大量生産を得意とするトヨタ自動車の作る、クラスで言うなら中型セダンというようなレベルの車が9カ月待っても納車されません。人員の余剰など、いろんなことが取り沙汰されてきた中で、フル生産をしても追いつかないほどのニーズがあるということは、極めて良い話です。

■結論:国内企業の決算発表を冷静に見て行きましょう

 先週末はやや売買代金も持ち直したかに思われますが、市場がかなり枯れている事は変わりありません。6月初旬、中旬の時のような熱気はまだ伝わってきておりませんので、冷静に4-6月期の企業決算の状況を見て行く時間は充分にあるように思われます。


(作成:楽天投信投資顧問)

 週の前半には米国市場で注目の経済指標が発表されます。消費者信頼感指数や耐久財受注は米国GDPの約7割を占めると言われる個人消費の動向を見るのに役立ちますし、また新築住宅販売件数の動向で、とりあえず住宅着工、中古住宅販売、住宅価格指数と続いてこれで住宅市場がボトムアウトしたのかを確認することが出来ます。

 国内企業の決算発表で注目はいくつかありますが、29日以降にはとりわけ注目すべき企業のそれが集中しています。残念ながら、日本企業はクラウドのリーダーにはなれませんが、HDDのスピンドル・モーターやヘッドのように、デバイス向けの多くのキー・コンポーネント部品は日本が提供しています。

 トヨタ自動車の状況をみるなら、まずは直系の部品メーカーの決算は大いに参考となるところです。部品だけが飛び抜けることはありませんが、調べ慣れているファンドマネジャーやアナリスト達には、実際はどの程度余裕があるのかないのか(三味線を弾いている?)などはすぐわかるものです。市場に発信される彼らのコメントにも要注目です。

 今週もいろいろなことがあると思われますが、素晴らしい一週間になることを願っています。

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PROFILE

大島和隆

楽天投信投資顧問株式会社 CEO兼最高運用責任者
約20年間にわたり、欧米の企業も自ら訪問調査するファンドマネージャーとして活躍。日本企業を外から見た目線で評価する独自の判断にこだわってきた。
2008年6月、楽天証券経済研究所チーフストラテジストに就任。2009年4月から現職。運用サイドからの投資情報を発信。

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