ファンドアワード

日本株の代表的な指数である「日経平均トータルリターン・インデックス（日経平均株価（日経225）（配当込み））」の動きに連動する成果を目指すインデックスファンドです。日本株の指数には、日経平均とTOPIX（東証株価指数）がありますが、長期の実績では日経平均に軍配が上がります。今回ノミネートの2本のアクティブ投信にはリターンが及びませんが、多くのアクティブファンドや分類平均を効率的に上回る成績を残しました。

経営者が大株主である「オーナー企業」に投資するアクティブファンドです。経営者のリーダーシップに注目し、企業の成長性・収益性と比較して割安な銘柄を厳選します。何と言っても圧倒的な実績で同分類のファンドに大きな差をつけました。過去3年間のトータルリターンは120.49%と、分類平均を約98ポイント上回りました。サービス業や小売業など景気の影響を受けにくい業種の銘柄が多く、底堅さも見せました。

競争力のあるビジネスモデル、良好な事業環境、優秀な経営陣を備えた景気変動の影響を受けにくい企業のなかで、利益成長性が高い銘柄またはその上昇が見込まれる銘柄に集中投資するアクティブファンドです。過去3年間の日本株市場は良好な市場環境であった半面、米中貿易摩擦問題などの不安定な局面もありました。そうした環境のなか、「質の高い企業」に投資する当ファンドの底堅さが光り、トータルリターンは46.58%と分類平均を約24ポイント上回りました。

日本を除く先進国の株式の代表的な指数である「MSCIコクサイ・インデックス（円換算ベース、配当込み）」に連動した投資成果を目指すインデックスファンドです。そもそも先進国株式は、市場平均を上回るリターンを獲得し続けることが難しいカテゴリーです。直近1年は特に、多くのアクティブファンドが苦戦を強いられた中、当ファンドを含むインデックスファンドの優位性が目立ちました。

日本を含む先進国の株式の中から、グローバルな視点で投資魅⼒のある中⻑期の成⻑テーマに基づいて関連銘柄を選定し、運用を行うアクティブファンドです。「消費の多様化」や「高齢化社会」といった社会構造の変化にまつわるテーマのほか、「AI/クラウドサービス」や「フィンテック」など、最新技術に関連するテーマと銘柄も網羅していたことで、米国株式市場上昇の恩恵を受けることができました。過去3年間のトータルリターンは52.27%で、分類平均を約25ポイント上回りました。

日本を含む先進国の株式の中から、日常生活に不可欠な「情報・身体・移動等の安全（＝セキュリティ）」を支える製品・サービスを提供する企業の銘柄を選定し、運用を行うアクティブファンドです。「IT」、「環境」、「健康」、「防犯」、「輸送」の5つのテーマに応じた銘柄を組み入れた結果、保有資産全体の6割超を占める米国株式上昇の恩恵を受けることができました。過去3年間のトータルリターンは55.47%と、分類平均を約28ポイント上回りました。

日本債券の代表的な指数である「NOMURA-BPI（総合）」の動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。日本債券は、総じて運用コストが低いインデックスファンドが有利なカテゴリーです。当ファンドは、相対的に運用コストが低く、また純資産残高も大きいことから、高い連動性が期待されるほか、分類平均を上回る成績を残しました。

日本債券に投資するファンドのなかでも、多彩な戦略を駆使するアクティブファンドです。投資魅力度の高い社債への投資、より高いリターンが期待される期間の銘柄選別、金利変動リスクのコントロールなど、運用戦略の多彩さとバランスが光ります。債券ファンドは、総じてインデックスファンドが好成績の傾向がありますが、今回ノミネートされたファンドのなかで、最も高いリターンを獲得しました。過去3年間のトータルリターンは4.57%と分類平均を約3ポイント上回りました。

日本債券に投資するファンドのなかでも、機動的な運用が魅力のアクティブファンドです。投資魅力度の高い社債に積極的に投資することで安定的な利子収入の獲得を目指すほか、金利変動に伴う債券価格の変動を機動的にコントロールすることに長けています。当ファンドは、ファンドアワード創設以来、5年連続で優秀ファンドを受賞し、今回ノミネートされたファンドのなかで最も効率的にリターンを獲得しました。過去3年間のトータルリターンは4.35%と分類平均を約2.8ポイント上回りました。

日本を除く世界主要国の公社債の代表的な指数である「FTSE世界国債インデックス（除く日本、円換算ベース）」に連動した投資成果を目指すインデックスファンドです。先進国債券もまた、先進国株式と同様、分類平均を上回るリターンを獲得し続けることが難しいカテゴリーです。相対的に運用コストが低い当ファンドは、アクティブファンドと比べて安定した成績を3年間にわたって収めることができました。

世界主要国の中でも、信用力が高く、かつ、相対的に利回りが高い国の債券に投資を行うアクティブファンドです。投資対象国の選定と配分比率は毎月見直しを行います。機動的な投資対象債券の見直しが功を奏し、過去3年間のトータルリターンの上昇率は8.98%と、分類平均を約4.8ポイント上回りました。具体的には、2019年2月までは米国とオーストラリア、同3月以降は米国とシンガポールの2カ国で運用しました。

日本を除く世界主要国の公社債に投資を行い、ベンチマークである「FTSE世界国債インデックス（除く日本、円換算ベース）」を上回る運用成果を目指すアクティブファンドです。米国（米ドル）50%弱、ユーロ圏40%弱という構成比率は、インデックスファンドと大きく変わらないものの、メキシコ・ペソや豪ドルの配分はインデックスよりも高くなっています。この結果、過去3年間のトータルリターン上昇率は5.04%と、分類平均を0.85ポイント上回りました。

国内リートの代表的な指数である「東証REIT指数（配当込み）」の動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。今回ノミネートの2本のアクティブファンドには及びませんが、3年以上の実績があるインデックスファンドのなかで、最も効率的なリターンを残し、分類平均を上回りました。

国内リートに投資するファンドのなかで、あらゆる市場環境においても安定的に分類平均またはインデックスファンドを上回る成績を残しているアクティブファンドです。刻々と変化する市場のなかで、コツコツと勝ちを積み上げる精度の高い運用が最大の魅力です。Jリート市場は、60数銘柄という少ない銘柄数で構成され、差別化が図りにくい市場です。そのような市場で、当ファンドは最も効率的かつ最も高いリターンを残しています。過去3年間のトータルリターンは34.84%と分類平均を約7ポイント上回りました。

今回ノミネートの2ファンドと同様に野村アセットマネジメントが設定していますが、こちらは野村不動産投資顧問が独自に開発した不動産価値評価モデルによる助言に基づき割安な銘柄を選定するアクティブファンドです。過去3年間のトータルリターンは33.36%と分類平均を約5.5ポイント上回りました。今回ノミネートの2本のファンドと比較すると、リターンではインデックスファンドを上回るものの、効率的なリターンが得られたかという点で、やや見劣りする傾向があります。

海外リート市場の代表的な指数である「S&P先進国REITインデックス（除く日本、配当込み、円換算ベース）」に連動した投資成果を目指すインデックスファンドです。当ファンドを含む先進国リートのインデックスファンドは、米国の配分比率が70%超と高いのが特徴で、米国リート市場上昇の恩恵を受けることができました。ただし、投資対象地域に日本は含まれないため、3年間のトータルリターン上昇率は、「EXE-i」をわずかに下回りました。

日本を含む世界のリートの中でも、高齢者向け施設、医療用ビル、病院、看護施設、ライフサイエンスの施設などのヘルスケア関連銘柄に投資を行うアクティブファンドです。各国のヘルスケア関連の業界動向のほか、流動性や配当利回りなども勘案して銘柄を選定します。組入れ全体の約8割を占める米国市場全体の上昇に加え、入念な銘柄選定が功を奏し、この結果、過去3年間のトータルリターン上昇率は18.88%と、分類平均を1.4ポイント上回りました。

日本を含む世界のリートに投資を行い、参考指標である「S&Pグローバルリート指数（円換算ベース）」と同程度の運用成果を目指します。実質的な配分比率は、米国が約60%、米国以外が約40%です。完全なインデックス連動型ではないものの、ETFを活用することで運用コストを抑え、効率的な成績を収めました。過去3年間のトータルリターン上昇率は19.61%と、分類平均を2.13ポイント上回り、今回選出の3ファンドのなかで最も高い成績を残しました。

国内外の株式、債券、リートなど8つの資産に分散投資するアクティブ運用のバランスファンドです。基本配分比率は、株式20%、債券60%、リート20%です。投資先のマザーファンドは、各資産の運用を得意とする運用会社が運用を行います。過去3年間の実績は、固定配分のバランスファンドのなかで、相対的に効率の高いリターンを残しました。国内債券の比率が40%と高いこと、円建て資産が60%を占め、為替の影響を受けにくいことが奏功しました。

国内外の株式、債券、リートなど7つの資産に分散投資するインデックス運用のバランスファンドです。基本配分比率は、株式、債券、リートを1/3ずつ配分します。特徴は、為替ヘッジを行うことで為替変動リスクを抑制しながら、国際分散投資ができる点です。過去3年間の実績で最も効率的なリターンを残しました。株式、債券、リートそれぞれが上昇するなかで、特に債券とリートが効率よく上昇したため、他ファンド比べて、債券とリートの比率が高い配分が奏功しました。為替変動が抑えられていることも投資効率を上げました。

国内株式、海外債券、国内リートに分散投資するインデックス運用のバランスファンドです。基本配分比率は、株式25%、債券50%、リート25%です。株式とリートは国内の円資産、債券は海外の外貨建て資産に投資します。過去3年間の実績は、固定配分のバランスファンドのなかで、相対的に効率の高いリターンを残しました。過去3年間で最も効率的に上昇した国内リートの比率が高いことが奏功しました。

年率リスク（基準価額のブレ幅）を4%以内に収めることを目標に掲げ、国内外の株式や債券に分散投資を行います。投資環境の変化を速やかに察知し、日ごとおよび月ごとの両方で、資産配分を機動的に見直します。相場環境急変時のリスク管理機能が十分に働いた結果、2018年秋以降の株式市場の調整局面においても、目標リスク水準の4%を超えることなく、着実にリターンを積み重ねることができました。

国内外の株式と債券に投資を行い、投資環境の変化に応じて、組入資産の比率を柔軟に変更して運用します。各資産の配分比率のレンジは、国内株式と先進国株式がそれぞれ0～22%、国内債券が0～51%、先進国債券が0～25%（原則、固定）です。債券部分のみ為替ヘッジを行います。当ファンドの資産配分は、独自の判断軸を用いて、株式市場の投資環境と収益寄与の度合いを判断したのち決定しています。2018年秋以降の株式市場の調整局面において、株式の配分を完全にゼロにするなど、機動的な資産配分を行ったことが功を奏しました。

国内の債券、株式、リートに分散投資を行います。各資産の基本配分比率は、国内債券70%、国内株式15%、国内リート15%ですが、基準価額の変動リスクが大きくなった場合には、同リスクを年率3%程度に抑制することを目標として、株式とリートの配分比率を引き下げます。過去3年間は、基本資産配分の大きな変更はありませんでした。好調に推移したリートと株式市場双方の上昇を享受することができたため、ファンド全体ではリスクを抑えながらも効率的にリターンをあげることができました。