2017年の総括

株式

2017年の世界の株式市場は大きく上昇する1年となりました。米国を筆頭に世界経済が緩やかに回復したことを背景に、世界各国の株式市場も堅調に推移しました。

2017年12月末時点における「国内株式」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で25.32%の上昇、過去3年間で39.05%の上昇となりました。3年間を通しては大型株より中小型株、割安株より成長株が優勢でした。多くのアクティブ投信がインデックス投信を上回りました。

一方、「先進国株式(広域)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で16.48%、過去3年間で13.38%の上昇となりました。 3年間を通して、米国、欧州の株式市場は堅調に推移しましたが、為替市場で円高が進んだことがリターンを抑える要因となりました。アクティブ投信が苦戦するなかで、インデックス投信がより効率的に分類平均を上回りました。

債券

2017年の主要先進国の債券利回りは各国各様に推移しました。日本では、日銀が長期金利を抑制する国債買い入れを継続したことから、債券利回りは横ばいで推移しました。一方、米国ではインフレ期待から年初に債券利回りが上昇しましたが、年央にかけて低下。年後半にインフレ期待が再燃したことから、緩やかに上昇しました。また、欧州では緩やかな景気回復を背景としたインフレ期待やECBが金融緩和策を早期に縮小するという思惑から、EU圏の債券利回りはもみあいながらも上昇しました。

2017年12月末時点における「国内債券」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で0.01%とほぼ横ばい、過去3年間で2.64%の上昇となりました。運用コストが低いインデッ クス投信が総じて好成績となりましたが、数少ない一部のアクティブ投信がより効率的に分類平均を上回りました。

一方、「先進国債券(広域・高格付)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で4.21%の上昇、過去3年間で5.27%の下落となりました。 運用コストが低いインデッ クス投信が総じて好成績となりましたが、社債を組み入れた一部のアクティブ投信がより効率的に分類平均を上回りました。

REIT

2017年のリート市場は、各国各様の動きになりました。日本では投資信託市場からの資金流出の影響を受け、軟調な展開となりました。一方、欧米では金利上昇が限定的であったことに加え、堅調な景気に支えられ、米国・欧州ともに底堅く推移しました。

2017年12月末時点における「国内REIT」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で 7.02%の下落、過去3年間で3.67%の下落となりました。インデックス投信が分類平均並みの成績を残した一方で、多くのアクティブ投信が分類平均を上回りました。

一方、「海外REIT(含む北米)-為替ヘッジ無し」分類平均インデックスのトータルリターンは過去1年間で5.67%の上昇、過去3年間で3.91%の上昇となりました。 低コストのインデックス投信が総じて優勢ななかで数少ない一部のアクティブ投信が分類平均を上回りました。

バランス

複数の資産を組入れたバランス型ファンドは、2016年末までと2017年以降でパフォーマンスの傾向に変化がありました。2016年末までは株式などのリスク資産が軟調に推移し、為替市場も不安定であったことから、安定的な資産配分のバランス型ファンドが優勢でした。しかし、2017年以降は株式市場が安定的に上昇したことから、株式の組み入れ比率の高いバランス型ファンドが優勢になりました。

「固定配分」については、2016年末を境に市場トレンドが大きく変化したことから、債券や株式をバランス良く組み入れているファンドがより効率的な成績を残しました。

「可変配分」については、為替市場が不安定であったことから円資産で構成されたファンドや為替ヘッジ型のファンド、あるいは株式市場のなかで相対的に好調だった日本株式の組み入れ比率が高いファンドがより効率的な成績を残しました。

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