渋谷区在住の東山ケースケ(仮名)は35歳、未婚。
結婚にも子供にも興味が持てず、早々と「悠々自適な独身ライフ」に舵を切ったケースケにとって、人生の大事な軸になっているのが「お金」だ。生涯未婚を選んだからには、独身の経済的アドバンテージを存分に生かさなくては意味がない。
「カネに執着する人生は寂しいぞ。お前も家族を持てば本当の幸せってやつが分かるさ」。ケースケとは対照的な、“シアワセな家庭生活”を謳歌する友人が言う。寂しいやつだと?……ふざけるなよ。
そんなケースケの傷心を癒してくれるのは、愛犬のトニー、そして残高2000万円の預金通帳だ。世間一般の幸せと引き換えに手に入れた虎の子の資産は、寂しいアラフォー男にとって数少ない心の拠り所でもある。
この先、孤独という名のモンスターに押しつぶされないためにも、もっともっと稼がなくては――。
「自分が食べたいものも食べれず、買いたいものも買えない老後などは想像したくない。仮にこのまま生涯独身だとしても、自分のお金とライフスタイルの価値観は大事にしていきたい」
そう決意し、半年前からは投資による資産形成も始めたケースケ。ビギナー向けだというインデックスファンドへの投資から入り、毎月コツコツ積み立ててきたが、昨年末からの世界的金融不安の影響も相まって成績は芳しくない。とはいえ、リターンが大きいアクティブファンドは、それ相応のリスクも伴う。死に物狂いで貯めた2000万円を溶かしてしまうことだけは、なんとしても避けたい。
……悩めるケースケが頼ったのは、資産形成のプロが集うという、とある館。それもただの資産形成のプロではないらしい。何でも「愛と経済の伝道師」と呼ばれているそうだ。ハイスペ独身ライフへの道を開く、「愛と経済の伝道師」のアドバイスとは?
<東山ケースケの悩みまとめ>
「老後をリッチに過ごすため、アクティブファンドを組み入れた投資による資産形成を検討しています。しかし、リスクが怖く、はじめの一歩が踏み切れません。投資ビギナーにとって、アクティブファンドはやはりリスキーなのでしょうか?」
<愛と経済の伝道師>
楽天証券経済研究所 ファンドアナリスト 篠田尚子
三井住友DSアセットマネジメント株式会社 オンラインマーケティング部長 宗正彰

篠田:ケースケさんのように、アクティブファンドをリスキーなものとして敬遠してしまう人は多いようです。しかし、アクティブにも優良なファンド(投資信託)は多数あります。最初からインデックスだ、アクティブだというフィルターをかけず、良いファンドであれば選択肢に加えることをまずはオススメしたいですね。

宗正:私も同感です。インデックスファンドとアクティブファンドではどちらが良いか、という議論自体はあまり意味が無いと思います。最近は特にインデックスファンドのコストの低さばかりが注目されて、逆にアクティブファンドの良さが極小化されているように思えます。まずはアクティブファンドの本来の特徴もしっかり知ることが必要です。
アクティブファンドの利点はなんといっても、インデックスよりも大きなリターンを得られる可能性があることです。インデックスファンドは対象とする指数を上回るリターンを得られる可能性は原則的にはありません。ケースケさんは「リッチな老後生活」が目標ということですが、インデックスファンドだけでそれを叶えることは果たしてできるのでしょうか。
篠田:ケースケさんが懸念されているアクティブファンドのリスクについてですが、指数と同じ値動きを目指すインデックスファンドに比べ、アクティブファンドはファンドマネージャーの力量に左右されやすいですね。そういった意味でも、より慎重に選ぶ必要があると思います。

篠田:では、どんな目線でアクティブファンドを選べばいいのか?まずは現在保有しているインデックスファンドとの組み合わせを意識してほしいと思います。たとえば、インデックスファンドでは補いきれない新興国をアクティブファンドで組み入れるなど、「現在のポートフォリオに何が足りていないのか?」といった視点を持つことが大事ですね。
宗正:優秀なファンドマネージャーというのは、きちんと「リスクコントロールができる人」です。リスクをコントロールすることを「売り」にしているファンドもいくつもあります。資産がある程度の規模になったとお考えの投資家は、「積極的にリスクをとる」という発想から、「リスクをコントロール」するという考えにシフトしてもよいと思います。
篠田:ファンドマネージャーによって「大きく下げない」リスクコントロールができることは、アクティブファンドの利点ですよね。今のように相場が不安定な時こそ、そのファンドがどう対処しているかを見極めるチャンス。月次報告書などの開示資料をチェックして、リスクコントロールに関するファンドマネージャーのスタンスや考え方を知ることも重要なポイントです。

宗正:そもそも投資対象となる銘柄を調べるのはアナリストで、ファンドマネージャーの本領は銘柄選択を含めたリスクコントロールにこそ発揮されるものですからね。そういう意味では、過去にパフォーマンスを上げた銘柄の話ばかりでファンド全体のリスクについて語らないファンドマネージャーは危険だと思います。
篠田:また、運用成績や実力以上に分配金を払っているようなファンドも要注意です。かつてはファンドの分配金の高さを競うような風潮があり、実際にそうしたファンドが販売ランキングの上位を占めていました。今では分配金の適正水準を意識した「定率分配型」のファンドなども生まれていますね。
宗正:他に重要な観点としては、ファンドの純資産総額に惑わされすぎないこと。純資産総額が大きいからと選んでも、そこがピークであとは落ちていくケースもあります。その逆で、今は純資産総額が小さくても、これから成長が期待されるファンドは注目して良いと思います。
篠田:例えば時価総額の小さな日本の「中小型株」などに投資するファンドであれば、純資産総額は大きい必要はありません。むしろ、純資産総額が大きくなり過ぎて本来の中小型株への投資ができなくなるようでは本末転倒です。株価指数は時価総額の大きい「大型株」が多いため、指数と異なる値動きが期待できる点で「中小型株」運用は究極のアクティブと言えると思います。
宗正:ケースケさんに最後にアドバイスしたいのは、恋愛への考え方です。結婚に拘らないことは一つの生き方として素晴らしいのですが、結婚や恋愛を「リスク」のように思っていないでしょうか?恋愛においてはあなたがファンドマネージャーです。リスクをコントロールしてこそ、真の大人に一歩近づきますよ。
「愛と経済の伝道師」にアドバイスをもらったケースケ。
二人のアドバイスで一番刺さったのは「リスクをコントロール」するという発想。そしてプロ投資家の腕の見せ所はリスクをコントロールする能力であると。
一方、ケースケはというと、「投資をするならとにかくリスクをとらなくては」という考えだけだった。
「インデックス投資を始めて、運用した気にはなっていたけれど、リスクをコントロールできているとは思えないなぁ。もちろん資産を増やしたいというのはあるけれども、資産価格に変動はつきもの。心理的にもリスクコントロールができているといいたいなぁ」
ケースケはスマホを取り出し、ネット証券のアプリを立ち上げた。
「いままでアクティブファンドなんて考えてもみなかったけど、ちょっと次に投資をするときは考えてみようかな」
ケースケはそうつぶやき、自分に合った投資信託の検索を始めた。
投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。
ブル型(レバレッジ型)、ベア型(インバース型)の投資信託のお取引にあたっては、以下の点にご留意ください。
ブル型(レバレッジ型)、ベア型(インバース型)の投資信託は特定の指標(以下、「原指数」といいます。)の日々の値動きに対して一定の倍率となることを目指して運用を行います。倍率が+(プラス)1を超えるものを「ブル型(レバレッジ型)」といい、-(マイナス)のもの(マイナス1倍以内のものを含みます)を「ベア型(インバース型)」といいます。基準価額の上昇率・下落率は、2営業日以上の期間の場合、同期間の原指数の上昇率・下落率に一定の倍率を乗じたものとは通常一致せず、それが長期にわたり継続することにより、期待した投資成果が得られないおそれがあります。また、ブル型(レバレッジ型)、ベア型(インバース型)の投資信託は、投資対象物や投資手法により銘柄固有のリスクやコストが存在する場合があります。
上記の理由から、ブル型(レバレッジ型)、ベア型(インバース型)の投資信託は主に短期売買により利益を得ることを目的とした商品で、一般的に中長期間的な投資の目的に適合しない場合があります。
各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。
買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。
投資信託は、預貯金とは異なり元本が保証されている金融商品ではありません。下記コンテンツでは、毎月分配型ファンドの分配金の支払われ方および通貨選択型の収益に関するご案内をしております。投資家の皆様につきましては、当該ファンドへの投資をご検討なさる前にぜひご確認くださいますようお願い申し上げます。