今や、世界第2の経済大国となった「中国」。中国の最大の魅力は10億人を超える人口が生み出す爆発的な消費活動と言えます。さらに、世界の工場として中国で作られた製品、部品などは企業活動に欠かせないものとなっています。いまや世界経済は中国抜きでは語れない状況と言えます。
こうした中、中国株ないしは中国株ファンドに投資を行っている、または検討している方の中には、先進国株以上の値動きの大きさに戸惑われている方がいらっしゃるかもしれません。
その要因をいくつか挙げてみたいと思います。
などが挙げられます。
また、2018年に入り中国株式市場は軟調に推移しています。トランプ政権による保護貿易への傾斜により勃発した米中貿易戦争への懸念や、中国のGDP成長率の伸びの鈍化が株式市場を押し下げる要因となっています。
長期投資の観点では中国株ファンドへの投資は重要と考えます。しかし、中国株ファンドの値動きの大きさを考えると短期的な動きも考慮した資産運用が必要といえます。つまり、リスクも考慮した資産運用です。
中国株ファンドを保有/購入しつつ、中国株ファンドと相性のいいファンドを組み合わせて、「保有資産全体で運用」することを考えてみるのはいかがでしょうか? 今回は、皆様の運用のヒントとして中国株ファンドと相性のいい資産をご紹介したいと思います。
中国株ファンドと相性が良い資産クラスとして先進国債券(為替ヘッジあり)と米国リートをご紹介します。 組み合わせを考える際、重視したいのが異なる値動きの資産を併せ持つことです。そこで注目したいのが「相関係数」です。相関係数とは、簡単にいうとそれぞれの資産の動きの方向を数値化したもので、「1~-1」で表します。相関が高い(1に近い)ほど2つの資産は同じ動きをし、相関が低い(-1に近い)ほど2つの資産は逆の動きをするという感じで、分散投資を考える場合には、相関が低いもの同士を組み合わせると良いとされています。
5年の相関係数を見ると、中国株と先進国債券(為替ヘッジあり)の5年の相関係数は、「-0.15」と逆相関(逆の値動きをする傾向が高い)となっています。 また、中国株と米国リートの5年の相関係数は、「0.30」と相関はあるものの、比較的相関が低いといえます。
また、リスクとリターンにも着目し、組み合わせることで効率的なリターンの獲得が出来るかという点も重要です。過去5年の中国株のリスク/リターン(年率、円ベース)は、「リスク:21.3%」「リターン:7.9%」でしたが、先進国債券(為替ヘッジあり)のリスク/リターン(年率、円ベース)は、「リスク:2.8%」「リターン:1.7%」でした。仮に中国株50%、先進国債券(為替ヘッジあり)50%で試算すると、「リスク:10.5%」「リターン:5.4%」となり、中国株100%と比べ、リターンは低下するものの、リスクを大きく引き下げることができ、効率的な運用が可能と考えられます。
また、米国リートとの組み合わせでは、米国リートのリスク/リターン(年率、円ベース)は、「リスク:15.6%」「リターン:10.6%」でした。仮に中国株50%、米国リート50%で試算すると、「リスク:14.9%」「リターン:9.9%」となり、中国株100%と比べ、リターンが上昇し、リスクを引き下げることができ、効率的な運用が可能と考えられます。
長期投資としては中国株への投資は有効と考えられることから、次のステップとして、リスク(値動き)を押さえることを重視したいとお考えの方は、先進国債券(為替ヘッジあり)、リターンも一定程度獲得しつつ、リスクを低減したいと考えの方は米国リートを組入れることで、「保有資産全体での運用」という観点で中国株と付き合っていくのはいかがでしょうか?
過去5年のパフォーマンスの推移(2013年10月~2018年10月、月次、円ベース)
Bloombergのデータを基に楽天証券作成
中国株:MSCIチャイナ(円ベース)、先進国債券(為替ヘッジあり):バークレイズ・グローバル総合(除く日本、JPYヘッジ、円ベース)、米国リート:S&P先進国REIT指数(円ベース)
下記は、楽天証券の取扱ファンドのうち、先進国債券ファンド(為替ヘッジあり)、米国リートファンドの一部を紹介するものであり、ファンドの購入を推奨するものではありません。投資に当たっては、ファンドの中身を十分ご理解のうえ、ご投資いただきますようお願いします。
UBS 公益・金融社債ファンド(為替ヘッジあり)
運用会社 UBSアセット・マネジメント
「UBS公益・金融社債マザーファンド」への投資を通じて、主として世界の公益関連企業および金融機関が発行する債券に投資を行う。マザーファンドを通じた公社債への投資については、原則、購入時において主要格付け機関よりBBB-/Baa3以上の長期格付けが付与された銘柄に投資を行う。実質外貨建資産については、原則、対円でヘッジを行う。
フィデリティ・ストラテジック・インカム・ファンド(資産成長型)Cコース(為替ヘッジ付き)
運用会社 フィデリティ投信
「フィデリティ・ストラテジック・インカム・マザーファンド」を通じて、米国国債/政府機関債、米国高利回り社債、先進国債券(除く米国)およびエマージング債券に分散投資する。ストラテジック・アセット・アロケーションの手法を用い、基本的な各セクターの資産配分比率を順に30%、40%、15%、15%とする。ベンチマークは設定しない。原則として為替ヘッジを行う。
MHAM USインカムオープンAコース(為替ヘッジあり)
運用会社 アセットマネジメントOne
主として「LA USインカムマザーファンド」を通じて、米国の債券市場3セクター(高格付債・株式関連債・ハイイールド債)に分散投資する。ロード・アベット・アンド・カンパニー エルエルシーにマザーファンドの運用指図に関する権限を委託する。実質組入外貨建資産については、原則として為替ヘッジにより為替変動リスクの低減を図ることを基本とする。
フィデリティ・USリート・ファンド(資産成長型)D(為替ヘッジなし)
運用会社 フィデリティ投信
「フィデリティ・USリート・マザーファンド」への投資を通じて、主として米国の取引所に上場(これに準じるものを含む)されている不動産投資信託(REIT)に投資を行う。FTSE NAREIT Equity REITs インデックス(税引前配当金込/円ベース指数)をベンチマークとする。実質外貨建資産については、原則として為替ヘッジを行わない。
ゴールドマン・サックス 米国REITファンドDコース(年1回決算型、為替ヘッジなし)
運用会社 ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント
「米国REITマザーファンド」を通じて、米国の金融商品取引所に上場されているREIT(不動産投資信託)に分散投資を行い、高水準の配当収益の獲得を図りつつ、信託財産の着実な成長と安定した収益の確保をめざす。原則として為替ヘッジを行わず、MSCI米国REITインデックス(円ベース)を運用上の参考指標とする。
楽天証券分類「先進国債券(広域・高格付)-為替ヘッジ有り 」、「先進国債券(広域・複合格付)-為替ヘッジ有り 」、「「北米REIT-為替ヘッジ無し」 」のうち、ファンドスコア(3年)で5ないしは4のスコアのファンドから抽出(毎月分配型を除く)
投資信託は、商品によりその投資対象や投資方針、買付手数料等の費用が異なりますので、当該商品の目論見書、契約締結前交付書面等をよくお読みになり、内容について十分にご理解いただくよう、お願いいたします。
各商品は、銘柄ごとに設定された買付又は換金手数料(最大税込4.40%)およびファンドの管理費用(含む信託報酬)等の諸経費をご負担いただく場合があります。また、一部の投資信託には、原則として換金できない期間(クローズド期間)が設けられている場合があります。
買付・換金手数料、ファンドの管理費用(含む信託報酬)、信託財産留保額以外にお客様にご負担いただく「その他の費用・手数料等」には、信託財産にかかる監査報酬、信託財産にかかる租税、信託事務の処理に関する諸費用、組入有価証券の売買委託手数料、外貨建資産の保管等に要する費用、受託会社の立替えた立替金の利息等がありますが、詳細につきましては「目論見書」で必ずご確認いただきますようお願いいたします。
また、「その他の費用・手数料等」については、資産規模や運用状況によって変動したり、保有期間によって異なったりしますので、事前に料率や上限額を表示することはできません。
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