NISAでの資産運用には株価の暴落などによる投資信託や株式などの価格変動リスクが存在しますが、投資の基礎である長期投資と向き合うには、リスクを正しく理解し、適切な投資判断をすることが重要です。
この記事では、株価の暴落時に避けたい行動や、リスクを抑えて運用を継続するポイントを解説します。
株価は、世界情勢やさまざまな要因によって日々変動します。政治や経済などにおいて大きなニュースがあると、株価の変動に大きな影響を与えることがあります。
2024年以降の動きを見ると、日本の代表的な株価指数である日経平均株価は、2024年8月の「米国景気の先行き不安による米国株下落」、2025年3月の「トランプ米政権による相互関税発表による先行き不安」により暴落しましたが、その後の株価は回復し、成長を続けています。(図1)

出所:Bloombergのデータより楽天証券作成
また、過去5年まで遡って日経平均株価を見てみると、2024年8月の下落や2025年3月の下落での底値は、約1年前の高値と同じ水準です。(図2)
短期的にみると、一時的な株価の暴落により、将来的な先行きに対して不安視されることが多いですが、長期的にみると株価は回復しており、むしろ買いの好機であったことがわかります。

出所:Bloombergのデータより楽天証券作成
ここでは日経平均株価を例に説明していますが、米国の代表的な指数であるNYダウやS&P500などにも同じことがいえます。
株価は、経済成長に合わせて上昇していくものですが、一直線に右肩上がりではなく、上下変動を繰り返しながら成長してきました。
一時的な変動はあるものの、長期的には上昇を続けていることを理解した上で投資判断をおこなうことが大切です。
例えば、NISA口座で保有している銘柄の株価が下落し、購入時より下回った株価で売却した場合、損失が発生します。
NISAの最大のメリットは、運用益が非課税になることですが、NISA口座の資産が下落した状態で売却をしてしまうと、相場が回復し運用益が発生したときに非課税メリットを受けることができなくなります。
また、NISA口座の資産を損失が発生した状態で売却する場合、特定口座や一般口座の利益との相殺(損益通算)や、翌年以降の利益との相殺(繰越控除)ができないため注意が必要です。
株価の暴落による保有資産の減少は、精神的に負担となりますが、冷静に投資判断をすることが重要です。暴落時に避けたい行動とその理由を解説します。
相場が急落すると、損失拡大への恐れから衝動的に保有資産を売却したくなるかもしれません。しかし、相場急落時の売却は、保有資産を安値で手放すことと同じです。「また相場が上がるのを待ってから買い直そう」と考える方もいますが、相場が底を打つタイミングを正確に予測するのは、プロでも難しいと言われています。そのため、安易な売買は避けるのが賢明です。
株式市場は変動を繰り返しますが、長い目で見れば成長していく傾向があります。損失の拡大でパニックになって売却することを避け、資産を持ち続けることが大切です。
保有資産の売却に加え、積立投資の中断も避けたい行動のひとつです。NISAのつみたて投資枠を利用している場合、定期的に一定金額を投資することで、価格が低いときには多く、高いときには少なく商品を購入しています。株価の下落時に積立を中断してしまうと、商品を安く購入する機会を逃してしまうため、その後の株価の回復による上昇機会も逃してしまいます。株価の下落局面こそ積立を継続し、将来的な株価の回復に備えてコツコツ積立をおこなうことが大切です。
株価の暴落が起きても、リスクを抑えながらNISAでの資産運用を続けるためのポイントをご紹介します。
積立投資とは、相場の値動きに左右されず、商品価格が高いときも安いときも、常に一定の金額で定期的にする方法です。これは「ドル・コスト平均法」と呼ばれる手法で、購入価格を平均化する効果があり、相場変動のリスクを抑えながら運用することができます。
特に、株価暴落時に積立投資を継続することは、これまで投資してきた商品をより安い価格で追加購入することで、相場が回復したときの利益を効率的に高めることができます。
投資対象とする国や資産(株・債券・REIT等)を複数に分散することもリスク軽減には有効です。
例えば、国内株式だけでなく、米国株、新興国株など、地理的に分散することで、特定国の経済状況に左右されるリスクを軽減できます。
また、株式、債券、REITなど、異なる値動きをする資産を組み合わせることで、更なるリスク分散効果が期待できます。
資産運用には「卵を一つのかごに盛るな」ということわざがあります。性質や値動きの異なる複数の資産に分散して運用することで、暴落による影響を軽減することができます。
投資は、当面使う予定のない余裕資金でおこなうことが大切です。
生活費や急な出費に備えるための生活防衛資金を確保したうえで、余った資金を投資に回しましょう。生活防衛資金がない状態で投資を始めると、暴落時に資金繰りが厳しくなる可能性があります。
余裕資金で投資をおこなうことで、一時的な相場変動に一喜一憂することなく、長期的な視点で資産の回復を待つことができます。
本記事では、株価の暴落時に避けるべき行動やリスクを抑えてNISA口座で資産運用するポイントを解説しました。
度々訪れる株価の暴落は、投資をおこなう中では避けられないイベントです。しかし、株価は一時的な暴落があるものの、長期的には回復し、成長を続けてきました。
NISAで賢く資産形成をおこなうには、株価暴落時に慌てて売却することや積立を中断することは避け、長期的な目線で運用を続けることが大切です。
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