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2017年2月24日

中小型株ブームは世界市場のトレンドか

執筆:香川睦

今日のポイント

  • 世界市場では中小型株が市場平均(大型株)よりパフォーマンスが好調に推移。世界の景況感回復を背景に、業績見通し改善や値動きの軽さで投資家から選好されている。
  • 国内市場でも、東証2部指数、JASDAQ指数、東証マザーズ指数などが優勢。欧米政治を巡る不確実性や為替変動の影響を受けやすい主力大型株の膠着状態も一因に。
  • 中小型株指数それぞれの上位銘柄では、指数のパフォーマンス寄与度が特に高い銘柄が目立つ。景気回復局面での堅調持続を見込むが、主力大型株の回復もあり得る。

(1)世界市場で「中小型株ブーム」が鮮明に

昨秋以降、米国を中心に世界市場で中小型株のパフォーマンスが大型株を凌いでいます。図表1の左グラフは「日本を除く世界市場」での小型株の推移を、右グラフは米国市場での小型株の推移を市場平均(大型株指数)と比較しています(2016年3月初=100)。

一般的に、小型株(時価総額が比較的小さい企業)には、景気敏感業界に属している銘柄が多く、大型株(大企業)よりも業績が景気動向に左右されやすい特徴があります。昨年11月の大統領選挙後は、新政権による国内経済を優先した景気対策(法人減税など)の効果を期待し、小型株のパフォーマンスが大型株を上回ってきました。世界景気が回復を鮮明にして以降、世界市場でも小型株が大型株をアウトパフォーム(リターン面で優勢に推移)しています。業績見通しが好転するなか、債券金利(資金調達コスト)は比較的低位を維持しており、M&A(合併吸収)活動が盛んであることも、小型株優勢の背景となっています。

図表1:海外の小型株指数の推移(過去1年)

(注:MSCIコクサイ指数=日本を除く世界株式指数(The MSCI Kokusai Index (World ex. Japan))
(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(各市場指数の2016年3月初=100))

(2)国内では東証2部、JASDAQ、東証マザーズが優勢

世界市場と同様に、国内市場でも中小型株が大型株より優勢となっています。主力大型株で構成される日経平均やTOPIXは、欧米の政治情勢の行方を巡る不透明感や為替の円安一服感など外部要因が重石となり最近は足踏み状態となっています。一方、東証2部指数、JASDAQ指数、東証マザーズ指数といった中小型株指数は堅調推移を辿っています(図表2)。年初来騰落率で比較すると、日経平均が+1.4%、TOPIXが+2.5%に留まっている一方、東証2部指数は+8.3%、JASDAQ指数は+7.8%、東証マザーズ指数は+11.1%と優勢です(2月23日時点)。日経平均やTOPIXを構成する多くのグローバル企業は、為替相場の変動など外部環境に揺れやすい状況ですが、東証2部指数、JASDAQ指数、東証マザーズ指数を構成する銘柄の多くは、海外情勢や為替から受ける影響度が比較的小さく、買い安心感があるとみられています。なお、JASDAQ指数の場合、株価指数を対象とする先物取引がなく、大口の売りが出にくいことも物色面の安心要因とされています。また、大型株と比較して「値動き」が軽い点でも、個人投資家の物色意欲が強い状況です。こうしたなか、昨年後半より、投資信託(ファンド)で中小型株に分散投資するファンドの純設定(ファンドへの資金流入)が増えてきたことも需給改善の一要因とされています。

図表2:株式指数別の相対推移(2016年12月初=100)

(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2017年2月23日))

(3)上位構成銘柄の株価上昇が指数堅調に寄与

こうした国内の中小型株指数が堅調となっている一因として、各指数のウエイト(構成比)上位を占める一部の銘柄の株価上昇効果も挙げられます(図表3)。例えば、東証2部指数では、指数ウエイトでトップ(約13.8%)を占めるシャープ(6753)の年初来騰落率が+21.1%となっています。シャープは、一時の業績低迷が響き、2016年8月に東証1部から東証2部に指定替えを余儀なくされました。現在は、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下で経営再建を進めており、今期(2017年3月期)の経常利益は2期ぶりの黒字転換が見込まれています。また、JASDAQ指数では、設備投資需要の拡大期待でハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)が年初来騰落率で+22.2%、ユニバーサルエンターテイメント(6425)がカジノ・ゲーミング業の期待で+23.9%と好調です。東証マザーズ指数の上位構成銘柄のなかでは、Gunosy(6047)の年初来騰落率が+79.3%、ジーエヌアイグループ(2160)が+52.3%、ディー・ディー・エス(3782)が+99.7%、ユナイテッド(2497)が+25.0%、などが指数好調の寄与度が比較的大きい銘柄となっています。逆に、各指数の上位構成銘柄のうちでも、マイナスの貢献をしている(株価が下落しているか騰落率が指数平均を下回っている)銘柄もありますので注意が必要です。

図表3:東証2部、JASDAQ、東証マザーズの上位銘柄(参考情報)

(出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2017年2月23日))

中小型株は、利益確定売りをこなしながらも緩やかな上昇を続け、暫くは大型株に対する優勢を続けると考えています。米国では、景気回復に伴い、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利上げが予想されています。過去の米景気回復局面(金利上昇局面)を長期で振り返ると、ラッセル2000指数に象徴される小型株が大型株より好パフォーマンスであったことが知られています。国内市場では、トランプ大統領の対外貿易政策や欧州の選挙動向を巡る不透明感が主力大型株の重石となっています。連日で最高値を更新するダウ平均には一部で高値警戒感も燻っており、主力大型株に対する手控えムードが続く可能性はあります。内外景気の回復が持続的なものであれば、主力大型株も早晩回復に向かうと考えますが、「成長ステージ」が比較的若い中小型銘柄の業績改善も期待しやすい環境と言えます。なお、上述した外部環境の不透明感が後退し、為替相場でドル高・円安の流れが再開すれば、グローバル企業を中心として主力大型株が相対的に見直される可能性があることには留意したいと思います。

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窪田真之/香川睦

「3分でわかる!今日の投資戦略」

楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。
ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅広い視野を生かした明快な解説が持ち味です。月~木曜日は窪田、金曜日は香川が担当します。

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信用取引にかかるリスク
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
貸株サービスにかかるリスクおよび費用
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  • 手数料等諸費用について
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  • 税制について
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株式等のお取引にかかる費用
国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」「ワンショットコース」の3コースから選択することができます。
〔超割コース(貸株、投資信託の残高、信用取引の売買代金・建玉残高に応じて手数料が決定します。)(現物取引)〕
超割:1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで272円(税込293円)/1回、100万円まで487円(税込525円)/1回、150万円まで582円(税込628円)/1回、3,000万円まで921円(税込994円)/1回、3,000万円超973円(税込1,050円)/1回
超割(大口優遇):1回の約定代金が10万円まで90円(税込97円)/1回、20万円まで180円(税込194円)/1回、50万円まで238円(税込257円)/1回、100万円まで426円(税込460円)/1回、150万円まで509円(税込549円)/1回、3,000万円まで806円(税込870円)/1回、3,000万円超851円(税込919円)/1回
〔超割コース(信用取引)〕
超割:約定代金に関わらず360円(税込388円)/1回
超割(大口優遇):約定代金に関わらず0円(税込0円)/1回。
詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。
〔いちにち定額コース〕
1日の約定代金合計が50万円まで429円(税込463円)/1日、100万円まで858円(税込926円)/1日、200万円まで2,000円(税込2,160円)/1日です。以降、1日の約定代金合計が100万円増えるごとに1,000円(税込1,080円)追加されます。取引のない日は手数料がかかりません。1日の約定代金合計は現物取引と信用取引を合算して計算いたします。
〔ワンショットコース(現物取引)〕
1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで341円(税込368円)/1回、100万円まで609円(税込657円)/1回、150万円まで728円(税込786円)/1回、3,000万円まで1,152円(税込1,244円)/1回、3,000万円超は1,217円(税込1,314円)/1回。
〔ワンショットコース(信用取引)〕
1回の約定代金が30万円まで250円(税込270円)/1回、30万円超は450円(税込486円)/1回。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定するETFの手数料は0円です。いちにち定額コースの場合は、約定代金合計に含まれません。
  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、オペレーター取次ぎによるお取引の手数料体系が適用されます。
    〔オペレーター取次手数料(現物取引)〕
    1回の約定代金が50万円まで3,450円(税込3,726円)/1回、100万円まで3,800円(税込4,104円)/1回、150万円まで4,000円(税込4,320円)/1回、150万円超は4,500円(税込4,860円)/1回。
    〔オペレーター取次手数料(信用取引)〕
    1回の約定代金が30万円まで3,250円(税込3,510円)/1回、30万円超は3,450円(税込3,726円)/1回です。
  • PTS取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず1回の約定代金が50万円まで450円(税込486円)/1回、100万円まで800円(税込864円)/1回、150万円まで1,000円(税込1,080円)/1回、150万円超は1,500円(税込1,620円)/1回がかかります。
  • 国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会外分売)により取得する場合は、委託手数料はかかりません。
  • 信用取引による建玉を保有している期間は、買い建玉の場合は買方金利〔制度:通常 年2.85% 優遇 年2.28%、一般(無期限):通常 年3.09% 優遇 年2.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金300万円未満 年 1.90% 300万円以上 年0.0%〕、売り建玉の場合は貸株料〔制度:年1.10%、一般(無期限):年2.00%、一般(短期(14日)):年3.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金300万円未満 年 1.90% 300万円以上 年0.0%〕、品貸料(逆日歩)、特別空売りの場合は、特別空売り料等がかかります。
信用取引の委託保証金について
信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の維持率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただくか、建玉を決済していただく必要があります。