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2016年11月29日

ドル円為替レートの適正水準はどこか?

執筆:窪田真之

今日のポイント

  • 日米金利差拡大を受けて、11月から急激な円安(ドル高)が進行。世界経済の回復期待が高まり、「リスク・オンの円安」が進んだ面もある。
  • 米国がどこまで円安を許容するかが、今後のドル円を決める鍵。トランプ次期大統領および米政府筋から、今のところ円安批判は出ていないが、いずれ批判が復活する可能性もある。
  • 米政府から円安批判が出なければ、日米金利差拡大を受けて1ドル117円まで円安が進む可能性がある。ただし、そうなる前にトランプ氏または米政府筋から円安批判発言が出ると、円安進行に歯止めがかかる。トランプ発言に要注意。

(1)日米金利差が拡大する局面では、ドル高(円安)が進みやすい

ドル円為替レートを動かす最も重要な要因は、日米金利差です。11月に、円安(ドル高)が急伸したのは、米金利が上昇する中、日本の金利が低位にとどまり、日米金利差が拡大したことによります。今後、日米金利差がさらに拡大する思惑から、金利の低い日本から、金利の高い米国へ、マネーが動きました。

日米2年金利(2年国債利回り)と金利差の推移:2008年1月―2016年11月(28日まで)

日米2年金利差と、ドル円為替レートの推移:2008年1月―2016年11月(28日まで)

(注:楽天証券経済研究所が作成)

上の図から、日米金利差が縮小した2008-11年に円高(ドル安)が進み、日米金利差が拡大しつつある2012-15年に円安(ドル高)が進んでいることがわかります。

ただし、ドル円は、日米金利差だけで動いているわけではありません。2016年には、日米金利差が縮小しているわけではないのに、一時大幅な円高(ドル安)が進みました。これには、以下2つの理由があります。

  • 2016年に入ってから米景気が減速し、ドル長期金利が低下したため、日米金利差が縮小する思惑が生じた。
  • 世界景気が悪化し、世界的に株が下がる中、「リスク・オフの円高」が進んだ。

「リスク・オフの円高」について詳しい解説をご覧になりたい方は以下のレポートをご参照ください。

2016年4月5日「為替についてのご質問に回答」

足元、円安(ドル高)が復活しているのは、トランプノミクス(トランプ次期大統領の経済政策)への期待で、米景気の回復期待が高まったことによります。また、世界景気の回復を映し、「リスク・オフの円高」が収まり、「リスク・オンの円安」が復活しつつあることも影響しています。

(2)円安(ドル高)がどこまで進むかは、米国がどこまで円安を許容するかによる

ドル円為替に、一番大きな影響を及ぼすのが日米金利差(日米金融政策の方向性)です。

次に、安全資産として円が買われたり売られたりするマネーフロー(リスク・オフの円高、リスク・オンの円安)が影響します。

もう1つ、忘れてはならない重要な要素があります。「政治圧力」です。米国が円安(ドル高)を許容している間は、円安が進み易いが、米政府が円安批判を始めると、円高に転換しやすくなります。

過去の経験則では、購買力平価(企業物価ベ-ス)から20%以上の円安が進むと、米国で円安批判の声が高まり、円高に転じるきっかけとなる傾向があります。

購買力平価(企業物価ベース)とドル円為替レートの動き:2007年1月―2016年11月(28日まで)

(出所:購買力平価(企業物価)は公益財団法人 国際通貨研究所)

購買力平価(企業物価ベース)についての詳しい説明は割愛しますが、大雑把なイメージとして、貿易収支を均衡させる為替レートとお考えください。

実際の為替レートは、購買力平価から大きく離れて動くのが普通です。貿易収支より、資本収支の方が大きいからです。為替は購買力平価を無視して、日米金利差の変化を見ながら動くのが普通です。

ただし、注意を要することは、購買力平価から20%以上の円安が進むと、海外で円安批判が盛り上がる傾向があることです。2013-2015年は、米国が円安を許容していたので、急激に円安が進みました。ところが、2016年に入り、米大統領選の候補者であったトランプ氏とクリントン氏がともに日本を為替操作(円安誘導)国と批判し始め、さらにルー米財務長官も間接的に円安批判を行ったことから、円高に転換しました。

11月に入り、急激な円安が進んでいますが、今のところ、トランプ次期大統領は、円安について特にコメントしていません。米国が円安を許容していると考えられる間は、さらなる円安が進みやすいと言えます。ただし、米政府から円安批判が復活すると、円安に歯止めがかかります。今後のトランプ発言および米政府筋の為替についてのコメントに注目です。

購買力平価とドル円の長期の関係を見たのが、以下の図です。

購買力平価(企業物価ベース)とドル円為替レートの動き:1973年12月―2016年11月(28日まで)

(出所:購買力平価(企業物価)は公益財団法人 国際通貨研究所)

1983年にも、ドル円が、購買力平価対比で、20%以上の円安にふれたことがあります。この時、米国は「強いドルは国益」として、ドル高を許容していました。ところが、その後、日本の貿易黒字が拡大、米国の貿易赤字が拡大し、日米貿易摩擦が起きると、米国は、一転して「円安の是正が必要」と主張を変えました。

1985年12月のプラザ合意で、米国主導で「円安是正」の合意が行われると、国際的な協調介入によって、急激な円高が進められました。

このように、米国が円安を許容するか問題視するかは、ドル円を動かす重要な要因となります。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

窪田真之/香川睦

「3分でわかる!今日の投資戦略」

楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。
ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅広い視野を生かした明快な解説が持ち味です。月~木曜日は窪田、金曜日は香川が担当します。

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国内株式のリスクと費用について

株式等のお取引にかかるリスク
株式等は株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。上場投資信託(ETF)は連動対象となっている指数や指標等の変動等、上場投資証券(ETN)は連動対象となっている指数や指標等の変動等や発行体となる金融機関の信用力悪化等、上場不動産投資信託証券(REIT)は運用不動産の価格や収益力の変動等、ライツは転換後の価格や評価額の変動等により、損失が生じるおそれがあります。※ライツは上場および行使期間に定めがあり、当該期間内に行使しない場合には、投資金額を全額失うことがあります。
信用取引にかかるリスク
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
貸株サービスにかかるリスクおよび費用
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  • 当社の信用リスク
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  • 手数料等諸費用について
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株式等のお取引にかかる費用
国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」「ワンショットコース」の3コースから選択することができます。
〔超割コース(貸株、投資信託の残高、信用取引の売買代金・建玉残高に応じて手数料が決定します。)(現物取引)〕
超割:1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで272円(税込293円)/1回、100万円まで487円(税込525円)/1回、150万円まで582円(税込628円)/1回、3,000万円まで921円(税込994円)/1回、3,000万円超973円(税込1,050円)/1回
超割(大口優遇):1回の約定代金が10万円まで90円(税込97円)/1回、20万円まで180円(税込194円)/1回、50万円まで238円(税込257円)/1回、100万円まで426円(税込460円)/1回、150万円まで509円(税込549円)/1回、3,000万円まで806円(税込870円)/1回、3,000万円超851円(税込919円)/1回
〔超割コース(信用取引)〕
超割:約定代金に関わらず360円(税込388円)/1回
超割(大口優遇):約定代金に関わらず0円(税込0円)/1回。
詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。
〔いちにち定額コース〕
1日の約定代金合計が50万円まで429円(税込463円)/1日、100万円まで858円(税込926円)/1日、200万円まで2,000円(税込2,160円)/1日です。以降、1日の約定代金合計が100万円増えるごとに1,000円(税込1,080円)追加されます。取引のない日は手数料がかかりません。1日の約定代金合計は現物取引と信用取引を合算して計算いたします。
〔ワンショットコース(現物取引)〕
1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで341円(税込368円)/1回、100万円まで609円(税込657円)/1回、150万円まで728円(税込786円)/1回、3,000万円まで1,152円(税込1,244円)/1回、3,000万円超は1,217円(税込1,314円)/1回。
〔ワンショットコース(信用取引)〕
1回の約定代金が30万円まで250円(税込270円)/1回、30万円超は450円(税込486円)/1回。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定するETFの手数料は0円です。いちにち定額コースの場合は、約定代金合計に含まれません。
  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、オペレーター取次ぎによるお取引の手数料体系が適用されます。
    〔オペレーター取次手数料(現物取引)〕
    1回の約定代金が50万円まで3,450円(税込3,726円)/1回、100万円まで3,800円(税込4,104円)/1回、150万円まで4,000円(税込4,320円)/1回、150万円超は4,500円(税込4,860円)/1回。
    〔オペレーター取次手数料(信用取引)〕
    1回の約定代金が30万円まで3,250円(税込3,510円)/1回、30万円超は3,450円(税込3,726円)/1回です。
  • PTS取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず1回の約定代金が50万円まで450円(税込486円)/1回、100万円まで800円(税込864円)/1回、150万円まで1,000円(税込1,080円)/1回、150万円超は1,500円(税込1,620円)/1回がかかります。
  • 国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会外分売)により取得する場合は、委託手数料はかかりません。
  • 信用取引による建玉を保有している期間は、買い建玉の場合は買方金利〔制度:通常 年2.85% 優遇 年2.28%、一般(無期限):通常 年3.09% 優遇 年2.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金300万円未満 年 1.90% 300万円以上 年0.0%〕、売り建玉の場合は貸株料〔制度:年1.10%、一般(無期限):年2.00%、一般(短期(14日)):年3.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金300万円未満 年 1.90% 300万円以上 年0.0%〕、品貸料(逆日歩)、特別空売りの場合は、特別空売り料等がかかります。
信用取引の委託保証金について
信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の維持率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただくか、建玉を決済していただく必要があります。