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2016年2月12日

一時1ドル110.97円 日本企業への影響は?

2月10日は1ドル113円台まで円高が進んだことが嫌気され、日経平均は372円安の15,713円となりました。11日、海外市場で円がさらに急伸し、一時110.97円をつけました(日本時間12日午前6時現在は、1ドル112.37円)。これを受けて、11日のCME日経平均先物は15,195円まで下がっています。今日の日経平均は続落して始まることが予想されます。

(1)円高・原油安・中国株安が、日本株の下落要因に

日経平均は、円高・原油安・上海株安を受けて、1月以降、急落しています。以下のグラフをご覧ください。1月4日は上海株急落を受け、日経平均も急落しました。上海株の下げが一服した後は、原油先物の急落を受けて、日経平均も下がりました。原油先物が反発した後は、円高急伸でさらに売られています。

年初からの日経平均・上海総合株価指数・WTI原油先物(期近)・ドル円為替レートの動き:2015年12月末~2016年2月10日

中国は今週、春節(旧正月)で休暇です。株式市場も休場です。来週、春節明けの上海株がどう動くか、注目されます。

(2)円高の日本経済への影響

円高になると、外国人投資家から日本株への売りが増えます。これには、2つの理由があります。

  • 円高が日本企業の業績にマイナス影響を及ぼすことへの懸念
  • 円高が、ドル建て日経平均の下げを緩和すること

ドル円為替レートが1%円高に動いた日に、日経平均が1%下がった場合、ドル建て日経平均は横ばいとなります。ドルを円に両替して日本株に投資している外国人投資家にとって、日経平均が1%下がっても、同時に円がドルに対して1%上昇すれば、為替差益が日経平均の下落をカバーします。ドルで投資している外国人は、円高によって日経平均の下げが緩和される分、円高で日経平均が下がった後も、売りを続けやすいと言われています。

ドル建て日経平均と日経平均の動き比較:2015年末~2016年2月10日

(注:2015年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

それでは、円高が日本企業の業績に与える影響について考えます。その前に、過去3年の平均為替レートを見てみましょう。

年度別の平均為替レート:2013年度~2015年度

  2013年度 2014年度 2015年度
2016年2月11日まで
1ドル当たり 100.22円 109.91円 121.11円

(出所:楽天証券経済研究所)

過去3年、急速に円安が進んできたことがわかります。これから1ドル110円になっても、それは2014年度の平均為替レートに戻るだけです。日本企業の輸出競争力にさほど大きなマイナス影響を及ぼすことはないと思います。1ドル100円より円安水準にある限り、為替は日本企業の輸出競争力に有利に働きます【注】。

【注】ここでは、日本の輸出企業全体を平均した競争力の話をしています。競争力のない民生電機や競争力の高い自動車産業などを全部含めたトータルの競争力と考えてください。

ただし、日本企業が海外で稼ぐ利益(ドル建て)の円換算額は、円高が進むと、縮小します。たとえば、ある日本企業に、アメリカで現地生産・現地販売して1億ドルの利益をあげている子会社があるとします。現地生産・現地販売ですから、円高が進んでも競争力には影響ありません。ただし、日本で連結決算を発表する際、この子会社の利益(円換算ベース)は為替レートによって変動します。

1ドル120円の時、1億ドルの利益は120億円の利益となります。ところが、為替レートが1ドル110円になると、円に換算した利益額は110億円に減少します。

日本の輸出産業は、現地生産がかなり進んでいるので、為替の変動だけで競争力に大きな影響を受けない構造になってきています。円安が進んだからといって輸出が急に増えるわけでない一方、円高が進んだからといって輸出が急に減るわけではありません。

ただし、海外で稼いだ外貨建て利益の円換算額は、大きく変動することになります。輸出産業の為替の影響の多くが、近年は円換算額の変動から生じるようになっています。

結論として、円高が進んだからといって、1ドル100円を超える円高にならない限り、日本企業の競争力が大きく悪化することはないと思います。ただし、外貨利益の円換算額が大きく変動するため、計算上、円高は日本企業の業績に大きなマイナス影響を及ぼします。

ただし、私の計算では、1ドル110円までの円高ならば、4月から始まる来期(2017年3月期)の日本企業業績はなんとか1桁台前半の増益を維持できます。来期は、資源安メリットが日本企業の業績を押し上げると考えています。

(3)日本株は買い場か?

当面、日本株の下値模索が続くことが予想されるものの、私は長期投資では買い場と考えています。世界的な金融市場の波乱が収まれば、日本株が企業業績・配当利回りから見て割安になっていることが見直され、日経平均は上昇に転じると予想しています。ただし、為替・原油・中国株の波乱が収束するまで日本株は下げ続ける可能性があります。

最近、私とは異なる意見も出ています。資源バブル崩壊、中国バブル崩壊に、ドイツ銀行の信用不安も加わり、リーマンショック並みの金融危機が発生するとの悲観論も語られ始めています。半年から1年後には結果が出ていると思います。このテーマを来週以降も、いろいろな角度から掘り下げて分析します。

皆様から多数の貴重なご意見・ご質問をいただきながら、本欄で一部しか回答できていなくて申し訳ありません。いただいたコメントにはすべて目を通しています。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

本資料は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。お客様ご自身で投資の最終決定をおこなってください。本資料の内容は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手・編集したものですが、その情報源の確実性まで保証するものではありません。なお、本資料の内容は、予告なしに変更することがあります。

窪田真之

「3分でわかる!今日の投資戦略」

窪田真之(楽天証券経済研究所長 兼 チーフ・ストラテジスト)提供レポートです。
ベンチマークである東証株価指数を大幅に上回る運用実績をあげてきました。株式相場の分析、また今後の見通しなど幅広い情報提供をおこなってまいります。

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株式等のお取引にかかるリスク
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信用取引にかかるリスク
信用取引は取引の対象となっている株式等の株価(価格)の変動等により損失が生じるおそれがあります。信用取引は差し入れた委託保証金を上回る金額の取引をおこなうことができるため、大きな損失が発生する可能性があります。その損失額は差し入れた委託保証金の額を上回るおそれがあります。
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  • 税制について
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株式等のお取引にかかる費用
国内株式の委託手数料は「超割コース」「いちにち定額コース」「ワンショットコース」の3コースから選択することができます。
〔超割コース(貸株、投資信託の残高、信用取引の売買代金・建玉残高に応じて手数料が決定します。)(現物取引)〕
超割:1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで272円(税込293円)/1回、100万円まで487円(税込525円)/1回、150万円まで582円(税込628円)/1回、3,000万円まで921円(税込994円)/1回、3,000万円超973円(税込1,050円)/1回
超割(大口優遇):1回の約定代金が10万円まで90円(税込97円)/1回、20万円まで180円(税込194円)/1回、50万円まで238円(税込257円)/1回、100万円まで426円(税込460円)/1回、150万円まで509円(税込549円)/1回、3,000万円まで806円(税込870円)/1回、3,000万円超851円(税込919円)/1回
〔超割コース(信用取引)〕
超割:約定代金に関わらず360円(税込388円)/1回
超割(大口優遇):約定代金に関わらず0円(税込0円)/1回。
詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。
〔いちにち定額コース〕
1日の約定代金合計が50万円まで429円(税込463円)/1日、100万円まで858円(税込926円)/1日、200万円まで2,000円(税込2,160円)/1日です。以降、1日の約定代金合計が100万円増えるごとに1,000円(税込1,080円)追加されます。取引のない日は手数料がかかりません。1日の約定代金合計は現物取引と信用取引を合算して計算いたします。
〔ワンショットコース(現物取引)〕
1回の約定代金が10万円まで139円(税込150円)/1回、20万円まで185円(税込199円)/1回、50万円まで341円(税込368円)/1回、100万円まで609円(税込657円)/1回、150万円まで728円(税込786円)/1回、3,000万円まで1,152円(税込1,244円)/1回、3,000万円超は1,217円(税込1,314円)/1回。
〔ワンショットコース(信用取引)〕
1回の約定代金が30万円まで250円(税込270円)/1回、30万円超は450円(税込486円)/1回。
※一般信用取引における返済期日が当日の「いちにち信用取引」、および当社が別途指定するETFの手数料は0円です。いちにち定額コースの場合は、約定代金合計に含まれません。
  • カスタマーサービスセンターのオペレーターの取次ぎによる電話注文は、オペレーター取次ぎによるお取引の手数料体系が適用されます。
    〔オペレーター取次手数料(現物取引)〕
    1回の約定代金が50万円まで3,450円(税込3,726円)/1回、100万円まで3,800円(税込4,104円)/1回、150万円まで4,000円(税込4,320円)/1回、150万円超は4,500円(税込4,860円)/1回。
    〔オペレーター取次手数料(信用取引)〕
    1回の約定代金が30万円まで3,250円(税込3,510円)/1回、30万円超は3,450円(税込3,726円)/1回です。
  • PTS取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず1回の約定代金が50万円まで450円(税込486円)/1回、100万円まで800円(税込864円)/1回、150万円まで1,000円(税込1,080円)/1回、150万円超は1,500円(税込1,620円)/1回がかかります。
  • 国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会外分売)により取得する場合は、委託手数料はかかりません。
  • 信用取引による建玉を保有している期間は、買い建玉の場合は買方金利〔制度:通常 年2.85% 優遇 年2.28%、一般(無期限):通常 年3.09% 優遇 年2.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金100万円未満 年 1.90% 100万円以上 年0.0%〕、売り建玉の場合は貸株料〔制度:年1.10%、一般(無期限):年2.00%、一般(短期(14日)):年3.90%、一般(1日):1約定当たり売買代金100万円未満 年 1.90% 100万円以上 年0.0%〕、品貸料(逆日歩)、特別空売りの場合は、特別空売り料等がかかります。
信用取引の委託保証金について
信用取引をおこなうには、委託保証金の差し入れが必要です。最低委託保証金は30万円、委託保証金率は30%、委託保証金最低維持率(追証ライン)が20%です。委託保証金の維持率が20%未満となった場合、不足額を所定の時限までに当社に差し入れていただくか、建玉を決済していただく必要があります。