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第158回 長期投資は経済や社会を元気にさせる

2013年6月18日

民間版の景気対策となってしまう

わずか半年前までを思い出してみよう。日本経済はジリ貧とデフレ現象で、まったくといっていいほど元気がなかった。

そんな中、「さわかみファンド」はひたすら日本企業の応援買いに徹していた。といっても、当時の純資産額からみると、毎月10億円とか20億円の買いを入れるのが精一杯だった。

もし、「さわかみファンド」の預かり資産額がもっと大きくなっていて、毎月1兆円ぐらいの応援買いができたとしよう。日本株市場や経済の現場に、どのような影響を及ぼしたであろうか?

先ず、株を売りたい投資家であふれ返っている株式市場に、1兆円の買いが入ってきた。売りたい人は現金を手にして、ほっとする。同時に、株式市場を経由して経済の現場に1兆円という現ナマが投入されるわけだから、国の公共投資と同じ景気テコ入れ効果をもたらす。

1兆円で日本経済を0.2%押し上げる。それが毎月のことだから、すごい景気浮揚効果をもたらす。これが民間版の景気対策だ。785兆円の預貯金マネーのほんの一部、たとえば10兆円とか20兆円が動くだけで、日本経済は2%から4%の成長となる。後述するが、きわめて質の高い経済成長を誘引することになる。

第2に、株式市場で毎月1兆円分の売りエネルギーが吸収され、それだけ株価は上昇しやすくなる。株価上昇は心理効果と資産効果を生み、個人消費や企業の投資活動を刺激する。アベノミクスによる株価上昇が示すように、景気へのプラス効果は計りしれないものがある。

第3に、われわれ長期投資家は応援したい企業を厳選するから、1兆円は一部の企業に集中投下される。すると、不況時や株価低迷時に株価が早々と上昇に転じる企業群と、それ以外のダメ企業群とが明瞭に分別される。長期投資家による取捨選択が応援先企業のイメージを高め、社会に強力な発信となる。

これらの3点が重なったらどうなるか? 不況や景気の低迷時に、一部の企業群を熱く応援しようという強力なメッセージが、毎月1兆円の現ナマとともに経済の現場へ放り込まれるのだ。ピンポイントの景気刺激となる。

いつの不況時も、なんとか低迷を脱出したい良くなりたいと誰もが願う。そんな中、株式市場経由で経済活動の現場に、一条の光がさし込むのだ。それが、国民にどれだけの希望と勇気を与えるかイメージしてみよう。

経済全体はまだ停滞と低迷に喘いでいるが、一部にでも復活の兆しが見えてくる効果は絶大である。そういった兆しを、長期投資家は次から次へと経済の現場で創り出すわけだ。

これを、リスクマネーの供給という。みなが現実の経済的困難と先行きへの不安で身動きとれない時に、立ち直りの方向を示しつつ現ナマを投入する。長期投資が民間版の景気対策をやってのけてしまうのだ。

不況からの立ち直りと、新しい繁栄の方向を示す

どんな不況時でも、すべての企業が一緒に立ち直るなど、あり得ないこと。自助自立の精神が旺盛で、社会にとって大事な企業から順に立ち直っていくもの。だからこそ、長期投資では応援企業を厳選するわけだ。

一方、国がやる景気対策では往々にして、税金で食っているだけの政府系団体やゾンビ企業などに多額の予算が向う。政治家や官僚の利権や既得権の擁護、関連企業の雇用維持が主目的だから、経済や社会の活性化にはほど遠いものがある。いわば後向きの資金投入であり、死に金となるケースが多い。

税金を投入するにしては、あまりにも質が悪い。とはいえ、国民が選挙で選んだ政治家がやっていること。また、明治以来の官僚制度も簡単には変えられそうにない。民主政治の歯がゆいところと、積年の官僚制度がもたらす悪弊は、なんとか打破しなければならない。とはいえ、抜本的な改革には時間がかかる。

その点、長期投資は一般生活者が主役である。経済の両論である企業と消費者が、良かれと思う方向へさっさと進んでいけばよい。一部の企業はもうすでに動き出している。残るは、個人の長期投資だ。

ところで、一般生活者と企業とが良かれと思う方向へさっさと動いていったら、世の中どうなるか? それだけで経済の大半が動くことになり、結果として社会も変えられる。民主政治の限界も打破できる。

長期投資の資金が経済や社会の活性化モデルを世に示すにつれて、まだ動いていなかった人々が「自分たちも動いてみようか」となる。すこしずつ、より広い裾野からの人々と、彼らの預貯金マネーを巻き込んでいきながら、世の中を新しい方向へ変革していこうではないか。

(2013年5月22日記)

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