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第156回 長期投資と大人の責任

2013年4月16日

経済的な豊かさは、願えば必ずかなえられる

どんなに貧しくても、刻苦精励して豊かな生活を実現した人の話は、昔からよく聞く。また、「稼ぐに追いつく貧乏なし」ともいわれる。

そう、経済的な豊かさというものは、大ていの人が達成できるものだ。もちろん、相当に自分を律して努力を重ねなければならないが。

自助の意志と意欲が問われるのは一人ひとりの生活でも、経済全体においても同じことだ。人々の毎日の生活が集まったものが経済である。そして、人は誰も貧しくなりたくはない。すこしでも豊かな生活を実現したいと願う。その願いが集まって経済成長となる。

問題は、人々がもっと豊かになりたいという願いをトーンダウンさせてしまうと、経済全体も活力を失ってしまうことだ。願いのトーンダウンには、「現状が維持できればいいや」とか、「日本はもうダメだ」のあきらめも入ってくる。

先進国で最速の少子高齢化で、経済力は弱まっていく一途などと思い込んでしまうと、日本の潜在的な経済力は間違いなく落ちていく。それが、この20年間だったはず。

逆に、「こんなダラシない経済なんて冗談ではないよ」、「日本経済のジリ貧などクソ食らえだ」といった気概が国民の間で満ちてくると、日本経済はいくらでも元気になれる。そういった気概や活力ある社会への強い願望が、日本人の間に果たしてどれだけあるのだろうか。

いま日本人、とりわけ大人たちの間で一番欠けているのはなにか? 子どもたちや次の世代に、こんなダラシない経済や社会を残してはいけないという責任意識だろう。昔、日本という国全体が貧しかった。貧しかった中でも、親たちは子どもたちのためにと、どれだけ粉骨砕身で頑張ってくれたことか。

この貧しさからは一刻も早く抜け出したい、子どもたちに腹一杯食べさせてやりたいと願い、大人たちは必死に働いてくれた。それが日本経済の奇跡の復活であり、高度成長となっていった。

時は過ぎて、いま一般的な「世の大人たち」の意識は、どのレベルにあろうか。老後がどうのとか年金不安だとか、自分のことばかり言っているのではなかろうか。

老後が不安だとか、年金は大丈夫だろうかとかいってオロオロしていることが、経済にどれほどマイナスとなるのか考えようともしない。先にも書いた、「このままジリ貧でたまるか」の気概と、「なんとかしてやろう」の上昇指向を持たなければ、本当にジリ貧となってしまうというのに。

現状維持はない

一人ひとりの人生でも経済全体でも、自助の意思と意欲がどれほど重要かはいうまでもなかろう。反面、「自分が生きている間さえ、なんとかなれば」といった身勝手さからは、人生にも経済にもマイナスの将来しかもたらさない。「現状が維持できればいいや」の意識では、新しい価値など何ひとつ生み出されないのだから。

これは企業でみるとよくわかる。企業経営にはどんどんビジネスを伸ばしていくか、ジリ貧の道をたどって脱落していくか、どちらかしか選択肢はない。

時々、「現状を維持できれば、それで良し」としているかのような企業をみかける。これは危険である。経営者がその程度の意識では、衰退の道しか残されない。

現状維持だと、社員の給料さえ増やせない。社内の志気が下がるのは当然として、顧客も失いかねない。なにしろ、顧客つまり世の中は、常により良いものを求めているのだから。

世の中のニーズに応えられない企業は、存在理由そのものを放棄しているようなもの。そう、企業には成長を模索し続けるしかないのだ。もちろん、ビジネスを伸ばそうと懸命に努力する結果として、雇用が増え人々の生活を豊かにしてくれる。つまり、経済の成長もあるのだ。

ひるがえって、いま高齢層をはじめとして多くの大人たちが、子どもたちや次の世代の幸せを考えようともしない。それどころか、自分のことしか考えない身勝手さで経済ジリ貧に拍車をかけている。なんのことはない、結局は自分たちの不安をさらに高めるだけとなっている。

この悪循環を断ち切るには、一人ひとりが「なんとか良くなろう」の意識で、前向きの行動に踏み出すしかない。一歩、踏み出せばわかる。なんだ、日本経済を元気にさせるのなんて簡単だということが。

アベノミクスに悪乗りしよう

この3カ月間というもの、安倍政権への期待の高まりもあって、経済全体がどんどん明るくなっている。株価も40%ほど上昇し、資産効果も出はじめてきた。

いわゆるアベノミクスは両刀の剣だが、先ずは良いところを先取りした動きが日本中に広がっているわけだ。この流れは大事にしたい。経済は生き物だから、国民の多くがその気になって前向きに動き出せば、いくらでも経済活動は活発化する。このムードに皆が悪乗りしてでも、一刻も早く日本経済を上昇軌道に乗せたいもの。

そのうちアベノミクスの問題点も、次々と表面化してこよう。その前に、景気を回復させ日本経済の活力をできるだけ高めておくのだ。のりしろが大きくなればなるほど、いずれ出てくるであろうアベノミクスの弊害に対する抗力も高まるのだから。

そうはいうものの、フワーッとアベノミクスに乗っているだけでは、この上昇トレンドは長続きしない。やはり、国民の皆が「日本経済を活力あるものに仕立て直すのだ」という意識を高める必要がある。せっかく上昇トレンドに入っているのだ、この流れをより太く強いものにしていこうではないか。

それには、消費や長期投資を積極的に進めることだ。消費といっても、不要不急のものを買い漁る浪費では意味がない。文化・教育・芸術・スポーツ・旅行・技術開発・NPO・ボランティアなどに、どんどんお金をつかおう。そういった分野は、いずれも雇用吸収力が高いから、日本経済活性化のすそ野を広げる効果がある。

一方、長期投資であれば生活者の味方として頑張っている企業を応援する方向で資金を投入する。経済は動いている「お金の量かけるスピード」であるから、長期投資で応援資金を経済の現場にどんどん投入してやれば、それだけ経済の規模は大きくなっていく。

長期投資はどっしり骨太で、そのリターンには質量感がある

最近の株高傾向で、ずっと冷え込んだままだった投資家心理が、急ピッチでほぐれだしている。それが株価の全面高となっている。低迷相場からの立ち直りは、いつもこんな感じである。

個人投資家をはじめとして、年金など機関投資家や投信の運用者も、ほっとしているところだろう。長いこと塩漬け投資に苦しんできたものが、ようやく回転が効きはじめた。やっと春が訪れてくれた、やれやれという感じではなかろうか。

われわれ長期投資家は違う。長い低迷相場に真っ正面から買い向かってきた。売られても売られても応援買いしてきた結果の株価上昇をみて、「やったぜ」と胸を張れる。

この違いは、これから徐々に際立ってくる。多くの投資家はしょせん相場の上下変動に一喜一憂するだけ。この先どこかで、ちょっと大きな調整局面に遭遇したら、またぞろ青ざめて縮こまってしまうだろう。彼らは売り逃げに走ることはあっても、買って企業を応援しようなんて気概はない。

一方、われわれ長期投資家は、「下がれば、また買うだけよ」と腰がすわっている。相場などアホが買えば上がるし、アホが売れば下がる。「そんなものに一喜一憂していて、企業を応援できるかよ」と、どんな時でも骨太な投資を続ける。

ここから1年2年たったらわかる。機関投資家をはじめとして相場を追いかけるだけの投資と、本気で企業を応援し良い世の中をつくっていこうとする長期投資とでは、積み上がるリターンの大きさも重みも全然違うということが。

そこで問われるのが個人の預貯金マネー785兆円である。国民がその10%でも自助の意思と意欲で長期投資に向けてくれたら、日本の将来はどれだけ明るくなることか。先に書いた大人の責任の中には、いまこここで預貯金のすこしでも本格的な長期投資にまわしてくれることも、当然のことながら入ってくる。

(2013年3月22日記)

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