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第153回 預貯金は安全か? 国債なら大丈夫か?

2012年12月17日

そろそろ、きちんと考えよう

日本では貯蓄信仰が根付いており、預貯金にしておけば安全で確実な財産づくりができると、ほとんどの人が信じて疑わない。たしかにバブルの前までは、銀行が潰れるなんてあり得なかった。郵便貯金は当時もいまも世界最大の国営銀行である。だから、預貯金は安全そのものだった。

また、日本経済の高度成長もあって金利水準は常に高めだったから、預貯金の利子で結構な財産づくりにもなった。年配者なら、定期預金や郵便局の定額貯金の利子が年7%ぐらいは当り前で、預貯金にしておけば10年で2倍というのが常識だったはず。

いまや状況は一変した。銀行は経営次第で潰れることもあるということで、ペイオフ制度というものが導入された。一行あたり一人1千万円までの預金元本は保証されるという制度だ。

しかし、1千万円までは保証するというものの、誰が保証するのか? 預金保険機構といって、民間銀行が保険積み立てしている資金をプールしておいたものから、1千万円の保証をすることになっている。

その預金保険機構だが、積み立て資金プールの大半を日本振興銀行の預金保証でつかってしまった。もうほとんど積み立て資金がないというのに、どうやって一人あたり1千万円まで保証するのだろう。

郵便貯金なら国営だから大丈夫? 郵貯銀行も民営化の方向にあるし、いまはまだ国営といっても国の借金は1,000兆円を超えようとしている。どこから、保証の原資を引っ張り出してくるのだろう。

では、預貯金は確実な財産づくりとなるのか? 超低金利政策で年0.02%前後の利子しかつかないから、10万円を2倍の20万円にするのでも3,600年かかる。それで満足という人なら、「どうぞ、お好きに」だろう。

もはや預貯金は安全でも確実な財産づくりでもないことが、はっきりしてきた。それなのに、多くの日本人は預貯金を後生大事に抱えたままでいる。そろそろ、固定観念を取っ払った方が安全だと思うが、さて…。

実は、もっとやっかいな問題が、ジワジワと迫ってきているのだ。

国債の値崩れがはじまったら

専門家は異口同音に、日本経済はデフレ現象にあるから国債の価値は高いという。また、個人金融資産を中心に国内の投資で国債の大量発行を支えているから、日本の国債はギリシャやスペインと違って安全だともいう。果して、そうだろうか? 庶民感覚的には、大量に供給されたものは値崩れするというのが常識である。

国債の発行残高は日本経済の2倍の規模に迫っており、国の税収額の20年分である。そして、毎年の増発額が年間の税収額を上回る年も多い。どうみても、過剰発行である。

また、1,515兆円もの個人金融資産があるから大丈夫というが、住宅ローンなど個人債務356兆円を差し引くと、ネットでは1,159兆円しかない。(2012年6月末、日銀速報)より正確にいうと、株式や債券そして投信など証券投資に向っている183兆円を引いた、976兆円が専門家のいう個人の国債引き受け可能額である。

それに対し、国債発行残高は短期債を含めると929兆円にのぼっている。限界点に達する日は、そう遠くない。日銀が市場から国債を買い取ったりして、毎年40兆円を上回る新発国債をなんとか消化させているが、相当に無理を重ねているといえよう。どこかで、「もう、これ以上は買えません」という時が到来する。

そうなったら、国は国債の発行金利を引き上げざるを得なくなる。そこから先は、金利上昇→既発国債の値崩れ→さらなる長期金利の上昇という悪循環が加速する一途となる。

債券相場が崩れる時はいつも一方通行的な修羅場となる。これだけ大量発行されてきた国債だ、それを大量保有している銀行・信金・農林系金融機関・生保・郵貯・簡保・年金のいずれもが大混乱に陥る。どうしたらいい? どうにもできないし、泡食って売ろうとしても売りたい人達ばかりだから、国債の暴落を煽るだけとなる。

大きく値崩れした国債で、どこも巨額の評価損を抱え込むことになるが、満期まで保有して償還を受けるしかない。その間はずっと低利回りの投資勘定を抱えたままということになる。

国債暴落と金融機関の大混乱で、株価も一時的には売られようが、瞬時に急反発する可能性が高い。これまで債券投資に向っていた資金が株式市場に流れ込むからだ。30年ぶりの債券から株式への資金シフトである。国の財政状況からみても、値崩れした国債を保有するよりも、厳選した企業の株式の方がよほど安全だという認識も高まろう。

(2012年11月12日記)

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