現在地
ホーム > マーケット情報 > レポート&コメント > 澤上篤人「さわかみ経済教室~中長期の資産形成~」 > 第146回 長期戦略なき国家運営と財産づくり

第146回 長期戦略なき国家運営と財産づくり

2012年5月16日

電力政策どうするの?

日本の政治をみていると、なんとも不甲斐ない。消費税の引き上げにしても原発の再稼動問題にしても、ひとつひとつの政策の細かいところを、ああだこうだやり合うばかり。大局観に立った上で、課題を抜本的にクリアしていく方向で国民を引っ張っていく政策といったものが、さっぱりみられない。

大飯原発の再稼働にしても、このままだと夏の電力不足を乗り切れない。だから、なんとしても再稼働させなければという。だが、大飯原発を再稼動させれば関西圏の電力は足るのかどうか、誰も知らない。

電力の供給力に不安があるのなら、発電量を高めようと躍起になるだけでなく、需要そのものを絞る方向へも対策の手を広げるべきだろう。昨年の東電のような計画停電では能がなさすぎる。

ピーク時の電力供給がネックとなるのであれば、ピーク時の電力料金を大幅に引き上げて、コスト面から需要を抑制してやればよい。いまから急いで準備に入り、6月実施で周知徹底を図れば、今夏のピーク時の電力需要は相当に抑えられる。火力発電の出力増強でLNGや原油の緊急輸入に走らなくとも済む。

同時に、3年以内に日本が省エネ省電力で世界を圧倒的にリードしてしまう政策を打ち出すべきだろう。それに10兆円とか20兆円ぐらいの予算を投入してもいい。

断熱材や二重サッシ、屋上緑化やゴーヤなどの緑のカーテン、伝統的なスダレの活用、クールビズや冷房温度28度の徹底など、ありとあらゆる省エネ対策を講じる。家電はじめすべての電機製品は省電力タイプに買い換えさせるよう補助金を出してもよい。とりわけ、照明やモーターなどを節電タイプに置き換える効果は大きい。

これら、あらゆる省エネ省電力対策を全部やってしまうのだ。その上で、どのくらいの電力供給の増加が必要かを、あらためて検討すればいいだろう。もちろん、原発もしっかり時間をかけて安全面やコスト面をチェックした上で、再開か否かを決定すればよい。

政治の重要なところは、それだけではない。ここから3年間、日本中で省エネ省電力の対策を強力に推進することで、新しい輸出産業を創出するのだ。世界全体でみると、電力需要の伸びは日本の比ではない。膨大な電力需要の伸びを見越して、省エネ機器や省電力タイプの製品やシステムを先ず日本で普及させる。その成果を世界で役立ててもらうことで、巨大な輸出産業が生まれる。

このように、問題をいくらでも発展的に解決していけるが、日本の政治はそういった戦略思考に欠けている。

個人にも戦略思考が求められる

電力政策ひとつとっても国の右往左往ぶりにはあきれるが、他人事ではない。果して、われわれ一般個人はどうだろうか? 財産づくりにおいて、どこまで長期戦略をもって行動しているだろうか? きちんと10年20年先を見すえた財産づくりの大計を立てているだろうか?

ひとつずつ洗ってみよう。まず預貯金だが、年0.02%の利息収入しか期待できない。定期でも、年0.05%だ。そんな低利息で、どこまで財産づくりを進められると思っているのだろう。100万円を2倍の200万円にするのに、普通預金で3600年かかる。定期でも1440年かかるのだ。

いまはデフレだから、預貯金で十分? デフレがここから10年20年と続いたら、それこそ大変。多くの人々の雇用は失われるし、預貯金の食い潰しが急速に進む。良いことは、なにもない。

国債はどうか? 日本には1,471兆円の個人金融資産があって、それが銀行や保険会社など金融機関経由で国債を買い支えているから、国債が値崩れする心配はないという専門家が多い。しかし、いくら個人金融資産があるといっても、負債額を差し引いたネットでは1,116兆円でしかない。(2011年9月末、日銀速報) あと100兆円ほどしか買い余力がないわけだ。それに対し、毎年の国債増発分は50兆円前後である。

もう、これ以上の国債発行はムリです、発行金利を引き上げないと誰も買ってくれません、といった事態に陥るのは時間の問題ではないだろうか。そうなってくると、国債の値崩れは否応なしだろう。それも、マーケット主導で値崩れの連鎖が広がっていく。銀行や保険そして年金は保有国債の評価損で大混乱に陥ろう。

一方、株式投資はとみると、いろいろな不安から株価全般は低水準にある。なかでも積極的にグローバル経営を進めているところは、投資価値をどんどん高めてくれている。長期的な財産づくりの柱と位置づけていいのではなかろうか。

(2012年4月19日記)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


楽らくサポート

個人確定拠出年金iDeCo

口座をお持ちでない方へ

まずは無料でかんたん

口座開設

口座開設中のお客様

クイック口座開設手続き中のお客様

楽天証券へ資料請求して、今すぐご利用いただけます。

楽天証券資料請求はこちら

今すぐご利用いただけます。

ポートフォリオ一覧を表示

楽天証券にログインしてご利用ください。

楽天証券へログイン

上記より楽天会員にログインしてください。

ポートフォリオ機能とは?

よくあるご質問

お問い合わせランキング

マーケットスピード IIダウンロード

Marketspeedダウンロード

Marketspeed for Macダウンロード

MarketspeedFXダウンロード

投資情報メールサービス「マーケットアロー」

 お友達紹介プログラム

お客様の声をカタチに