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第143回 消費税と長期投資

2012年2月17日

年金など恒常的な財政負担は間接税で

政府は消費税を現行の5%から、2段階で10%へと引き上げる方向で調整を進めている。報道では、衆議院の解散や総選挙も辞さない覚悟とのこと。

それに対し、反対派の多くは行政や財政の改革を進めて、まずは予算のムダを削ぎ落とすべし、そうでなければ国民に負担を求められないと主張する。あるいは、ただ選挙での受けを狙っているだけの反対もある。

たしかに、行政や財政のスリム化は急務である。政治家や各省庁が相も変わらずの予算ぶん取り姿勢を繰り返しているのは、新年度の予算案にもミエミエである。奇妙なのは、彼らが積年の利権や既得権を手放そうとはせず、その一方で消費税引き上げに反対していることだろう。

予算案は国会での批准を必要とするから形式上は公金の投入となるが、実質的には政治家や各省庁の間で自分達の利益につなげるようなゴリ押しがまかり通っている。郵貯などで集めて財政投融資などにまわす資金は予算化しないから、財務官僚やその裏で影響力を行使する族議員たちの力関係と意思で思いのまま。

日本経済のパイがどんどん大きくなっていった高度成長期ならいざ知らず、成熟経済となったいまでは体力がもたない。税金や郵貯を利益誘導に濫用するのは一刻も早く終わりにしてもらいたいところだ。

そうはいうものの、行財政改革で荒療治のメスを入れるとして、一体だれが猫の首に鈴をつけるのか? 選挙しか念頭にないような政治家に、とてもではないが期待はもてない。また選挙民も、地元への利益誘導を優先する限りは、日本で抜本的な改革を断行しようとする政治家が選出されることは難しいのだろう。

それはそれとして、少子高齢化の進展で国の年金や医療など社会保障負担は、今後ますます加速しながら膨れ上がっていく。その財源確保は待ったなしである。

どうして消費税なのか? 年金など国の社会保障費負担は景気が良かろうと悪かろうとお構いなしで、恒常的に発生する。それを、企業や個人の所得税で賄おうとすると、歳入が不安定化する。なにしろ、景気が悪いと法人や個人からの所得税の徴収額は落ち込む。一方、不景気の時ほど財政出動で予算投入しなければならない。それで財政赤字は急拡大してしまう。この20年間の財政急悪化は、まさにその悪循環だった。

だから、年金など社会保障費の財源は消費税(社会保障税と呼称変更されるかも)からに一本化するのだ。年金負担など恒常的な歳出は、景気変動に左右されない間接税で賄うことにすれば、財政のやりくりは楽になる。

その横で、まともな政治を期待しよう。しっかりした成長戦略を打ち出してもらい、ジリ貧の続くダラシのない日本経済を元気一杯にさせるのだ。

10%に引き上げても、まだ足らない

さて、消費税の引き上げだが、10%では間に合わない。早急に15%から17%ぐらいにまでもっていく必要がある。それだけ国民の負担が大きくなるし、消費税の引き上げ当初は景気に悪影響を及ぼす懸念も残る。

しかし、プラス面も大きい。年金など社会福祉関連費用がすべて消費税で賄えるようになると、国の財政は一番の重荷から解放される。その分、景気対策もより機動的に発動するなど経済運営に集中できる。

法人や個人の所得減税も可能となり、企業活動は間違いなく活発化する。日本社会や経済を明るく前向きにする効果は、時間がたつほどにジワリジワリと表面化してこよう。

一般生活者の方も、年金や医療費などの財源が確立されることから、将来不安がかなり薄らぐ。これまでやってきた過剰な貯蓄も不用となる。それだけ消費にまわす余裕も出てくる。

ただし、それだけでは現在の生活も老後も心もとない。税などの支払い負担は増加するし、どこかでインフレといった事態に陥ったところで、われわれは生きていかねばならない。本格的な長期投資で財産づくりを進めておけば、どれだけ安心できることか。

やはり、「自分も頑張って働くが、お金にも働いてもらって、ふたつの働きが二人三脚を組んでしっかり生きていこう」という自助の意識は欠かせない。そこにこそ、長期投資の存在理由がある。

日本では「長期投資でお金に働いてもらう」価値観は、まだ一般化していない。だから、なかなかイメージできないかもしれない。成熟経済では先輩にあたるヨーロッパや米国では、長期投資による財産づくりは人生設計の大事な柱となっているのだが。

皆さんがわれわれと一緒に、日本における先行モデルになるのです。

(2012年1月25日記)

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