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第141回 財政赤字とグローバル企業

2011年12月16日

ユーロ危機にマーケットが注文をつけ出した

ギリシャ問題に次いでイタリアの長期金利上昇、そうこうしているうちにフランス国債の格付け引き下げ懸念やら、ドイツ国債の入札不調ときた。世界のマネーがユーロ圏からの引き揚げを加速させる動きが出てきている。

どこへ資金をもっていくかといえば、主として米国である。一部に消去法で日本国債への資金逃避もみられるが、やはり頼みは米国債ということらしい。

その米国も状況はユーロ圏と似たりよったりである。巨額の財政赤字を抱えている上に、米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)の信用供与が急拡大しており、8月には米国債の格付けが引き下げられた。

その後も債務超過問題をどう解消していくかで、米国政府と議会は対立を深めている有様。

日本国債が買われているといっても、グローバルマネーのほんの一部が流れ込んでいるぐらい。日本の財政赤字や国債発行残高は先進国でも断トツの最悪水準にあり、いつ日本国債が売られても不思議ではない。

先進国はどこも厳しい財政運営に汲々としている。まずいことに、どの国も来年は選挙が目白押し。どこまで政治に頼れるかとなると、これまた微妙である。

その選挙も、最近は民意をできるだけ反映させようとする民主主義の限界なのか、どうも選挙を意識した大衆迎合的な政治家を選びがちである。政治は時として痛みの伴う決断を迫られるが、国民の多くがユデガエル状況に浸ってでも現状維持を望むとなれば、抜本的な変革などできない。

ところが、マーケットは不合理なところを容赦なく突いてくる。たとえば、各国は金融バブル崩壊を受けて銀行は大きすぎて潰せないという政治判断をしたが、その結果として財政赤字は膨らみ国債発行残高は急増した。

本来なら金利は上昇しなければいけないところ。だが、先進国は景気が減速しデフレ状況に陥りつつあるからということで、政策金利を低めに誘導している。相当に無理して綱渡り政策を続けているわけだ。

こういった歪みをマーケットが見逃すはずもない。それが、イタリア国債売りやドイツ国債の入札不調となっているのが最近のマーケット動向である。

歪みを是正しようとするエネルギーが高まって、マーケットは時として暴力的に経済社会の改革を求めることもある。この先どうなるのかは神のみぞ知るところだが、政治のモタモタは百害あって一利なしである。

経済はいつでも動いている

ここへきて、世界の株式市場は大きく売り込まれている。機関投資家などはリスク回避で株式投資ポジションを引き下げているということだが、果してどれだけ合理的かつ長期視野に立った判断からの株売りなのだろうか?

マーケットの需給調整機能は経済合理性を追求するという役割を果すが、一時的には市場参加者の心理や利害計算によって合理性の追求が鈍ったり、ひん曲げられたりすることもある。しかし、長い目でみると不合理な投資判断は、いつも大きな損失計上を伴って是正されていく。おそらく、昨今の株売りがそうなるのだろう。

世界経済はどんどんグローバル化しており、また新興国の台頭も著しい。地球上あちこちで新たなる富が創出されているが、それを主導しているのは企業のビジネス活動である。

大小を問わず多くの企業が、一国のしばりを超えて自由自在にビジネスを展開している。企業経営では、人々のより豊かな生活にどう貢献するのか、どれだけ将来需要を読み込んだ経営を心掛けているのかが常に問われる。同時に、社会の一員としての倫理観や社会正義が求められる。まさに適者生存の論理しか通用せず、合理性に欠ける経営などしていたら瞬時にビジネス基盤を失ってしまう。

地球上70億人の毎日の生活をエネルギーや物資の供給で下支えしているのだから、たとえ金融危機が起ったところで企業のビジネス活動がなくなるなんて、あり得ないこと。まともな経営をしている企業が、どれほど安全で安心できる投資対象なのか、じっくり考えてみる必要がある。

一方、国債は国家という信用をベースとしてはいるものの、どこの国も国家運営という立場から、いろいろ重苦しい課題を引きずっている。金融問題をどう乗り切るか、財政赤字悪化をどう食い止めつつ景気浮場を図るのか、高齢化による社会福祉関連費の増加をどう賄うか、雇用と失業問題をどう解消していくか、等々。

巨額の借金漬け経営を突かれて、いつマーケットから退出宣告を受けるか知れたものではない。そういった国債が、果してどこまで安全だろうか。

われわれ長期投資家は、どんなことが起っても崩れない価値観を追求して財産づくりを進める。いま世界中を見渡して、グローバル企業の株主となる長期投資ほど安心できる対象があるだろうか。

(2011年11月24日記)

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