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第138回 金融の混乱と長期投資の強さ

2011年9月16日

みな一緒くたにしない

ギリシャ問題をよくよく考えてみると、今年はじめからずっと世界のマーケットで悪役を演じ続けている。ギリシャほどではないにしても、アイルランドやポルトガル・スペインもひんぱんに、ユーロの足を引っ張る問題含みの国としてマスコミ登場する。

そこへ最近は米国の債務問題が騒がれだしたと思いきや、米国債の格付け引き下げが現実となってしまった。

ユーロ危機に加えて米国までもがということで、世界の金融界はもう蜂の巣を突っついたような大騒ぎとなった。

世界中の株価が暴落する一方で、信じられないことに格下げされたはずの米国債が買われる始末。

この先なにが起こるか知れないという不透明感が高まり、世界のマネーは5年10年をひとまとめにして考えよう。

安全資産への逃避を加速させている。それが、あれよあれよの金価格1,900ドル台乗せとなった。つい7月ごろまでは1オンス1,500ドル台だったのからみると、すごい上昇ぶりである。

もうひとつが新興国株式市場の下落。マネーの逃避とはどう関係するのか? 世界の機関投資家が運用資金をより安全な資産へ避難させようとすると、先ず最初に犠牲になるのが新興国の株式市場である。それが、7月8月の下げとなっている。新興国の成長可能性に見切りをつけたというわけではなく、ただ単純に機関投資家が彼らのグローバル・ポートフォリオを見直して、リスク資産を減らそうとしただけのこと。

新興国はどこも経済の発展拡大エネルギーに満ちており、国内の資本は株式投資よりも生産力拡大投資に向うのが一般的。その方が資金効率は高い。一方、成熟国からみれば新興国そして発展途上国への株式投資は魅力的である。多少のリスクはあっても、なにしろ成長力が高い。それが故に、成熟国の機関投資家マネーは大挙して新興国の株式市場に群がり、その結果として新興国の株価を大きく押しあげる。

そう、新興国株式市場は先進国の機関投資家が主体となっているのだ。ところが、世界でなんとかショックが発生したりすると、機関投資家マネーは横並びで資金を本国へ戻そうとする。それで、新興国市場は判で押したような暴落となる。97年のロシア危機、98年のアジア危機、そして08年のリーマンショック、みな同じだ。

長々と書いてきたが、世界の金融界は相当な混乱と先行き不透明な状況にある。そういった現象を表面的にとらえて右往左往するのは、長期投資家として最も避けるべきところ。それどころか、大変な事態といった騒ぎで暴落しているのだから、断固たる買いの行動に入らねばならない。

5年10年をひとまとめにして考えよう

いま起こっている現象は、「5年10年の間に、どう落ち着いていくのだろうか」と、ちょっと長い時間軸で考えてみよう。そうすると楽である。

たとえば、ギリシャ危機や米国債の格付け引き下げといった世界の金融がらみ問題は、これからも形を変えながら繰り返し起こるだろう。そもそもが、金融バブル崩壊で深い傷を負った金融機関を潰してはならない。ひとつ間違えると大恐慌にもつながりかねない。そういった判断に各国政府が追い込まれてしまった。その弱味をマーケットは突いてくるのだ。大手金融機関そして先進国の財務が弱い間は、投機筋に手を替え品を替えで狙われる。

金融バブルの後始末は、もう時間をかけてほぐしていくしかない。長い苦闘が続くわけだが、その間にも時と場合によっては、いくつかの金融機関がお手上げとなることもあり得る。あるいは、金融機関の債務を肩代わりするはめになった先進国の政府中央銀行は、既に膨大な借金を抱えたが故に、十分なる景気対策を打てないジレンマに悩み続けるのだろう。

もうこれは仕方ない。ただしだ、だからといって世界経済がマヒ状態に陥ったり停滞してしまうなんて、絶対にない。地球上69億余の人々が毎年1億人ぐらいずつ増えながらも、毎日の生活を送っている。その生活に、金融バブル崩壊の傷跡が果してどれだけ尾を引いているのか、自分の身のまわりで考えてみればいい。

一部の当事者は、たしかに大変だろう。しかし、地球上のほとんどの人々は金融バブルの後遺症など引きずって、打ちひしがれてはいない。それよりも、収入がどれだけ増え、どんな生活が実現できるのか、明日への希望で毎日懸命に働いている。

そういった毎日の生活と毎日の仕事は、ギリシャ危機や米国債の格付け引き下げがあろうがなかろうが、なんら変わることなく続いているではないか。もちろん、人々の生活を支える企業のビジネス活動だって途絶えることなく続けられている。

人々の生活ベース経済だけに絞り込んで資金を投入していく長期投資ならば、なんの不安もないはず。

(2011年8月24日記)

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