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第135回 逃げ腰はないよ

2011年5月16日

損得勘定だけの投資

マーケットには誰もが参加できる。どんな価値観や損得勘定あるいは時間軸を持ち込むのも、すべて参加者の自由である。もちろん、まったく参加しないのも自由。

いつでも、どんな人にでもオープンなのがマーケットのおもしろいところであり、多くの人々が参加することで公平公正な価格が形成される。株式市場でいえば、目先の株価変動に一喜一憂しては短期売買を繰り返す投資家もいれば、株価がちょっと下がるとすぐ逃げたくなるへっぴり腰の投資家もいる。その横で、われわれのような暴落相場を待ってましたとばかり、どっしりとした買いを入れる長期投資家もいる。

これは日本に限らず世界中あちこちでみられる現象でもあるが、最近のマーケットではもっぱら損得勘定を、それも短期視野で持ち込む投資家が多くなっている。本来であれば、長期投資家の代表格である年金運用も、この20年ちょっとでずいぶんと短視野化してきている。四半期決算の数字に過剰反応したり、1年毎の成績をあげようと汲々するようになってしまった。

その結果として、世界的にみて長期投資がやたら下手になったと、つくづく思う。先進国中心にこれだけ長期にわたって金利低下が続いているというのに、本腰を入れた株式の買い仕込みがさっぱりできないなんて、昔なら考えられないことである。

日本の場合はもともと本格的な長期投資家がいないから、昔も今も下げ相場をみるや逃げ腰になるばかり。これはと狙いを定めている企業株が株式市場で大きく売られている間に仕込んでおいて、5年や10年じっくり持ってやろうという骨のある投資家には、めったにお目にかかれない。

個人も機関投資家も損失リスクを抑えつつ、できるだけ大きな投資リターンを得ようとするのは、ごく一般的な現象である。そういった人達が損得勘定を前面に出して市場参加するのは仕方ないこと。

長期投資家がそれでは困る。

将来を築いていくのが投資である

長期投資に目先の損得計算はない。長期投資家はいつも「経済の拡大発展に向けて、お金をまわしてやろう」と考えている。また、「どうせ経済を拡大させるのなら、その先でこんな社会を築いていこう」と明確な方向性をもっている。その上で、不景気や暴落相場でみなが現金化を急ぐ時こそ出番とばかり、敢然と買い向かう。

投資でもなんでもそうだが、リターンという言葉に「儲かる」とか「稼ぐ」「利ザヤを抜く」「自分だけ上手く立ちまわる」といった意味はない。世の中にお金をまわしてやって、経済のパイを大きくする。みなが豊かになって、その分け前がごほうびとして「コローンと戻ってくる」のが投資のリターンである。

逆に、景気の見通しが悪いからとか震災の被害が想定以上に大きいからとかで、マーケット参加者の全員が売り逃げに走ったら経済はどうなるだろう? みながお金を引き揚げるから、経済の現場は資金不足となりビジネス活動がマヒしてしまう。経済がジリ貧と縮小の道をたどれば、デフレ現象でみなが貧しくなるだけだ。

それで嬉しい人はいない。もちろん我先に逃げたへっぴり越しの投資家とて、例外なく生活水準を下げてしまう。誰にとっても幸せな展開ではない。

だから、震災から復興しようと日本中が頑張っている今、われわれ長期投資家は「これは戦いだ」といっているのだ。被災地はもちろん日本国内そして世界中が必要とする物資を生産し供給すべく、多くの企業が24 時間ブッ通しで闘っているのに投資家だけが温々としていられるはずがない。

復旧復興といっても、すべてが元に戻るわけではない。「こんなことで負けてはおれん」という戦いの中に、将来の日本経済や社会の姿もすこしずつ見えはじめてきている。

たとえば、今夏のみならず将来的な電力不足に対して、企業は自家発電の強化に走り出した。それは分散型電源の技術革新と普及を早めることになる。その先には、日本が世界に先がけてスマートグリッド社会を構築してしまう図式が見えてくる。

(2011年4月22日記)

本資料は情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料の情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本資料の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本資料の記載内容は、予告なしに変更することがあります。


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